最新作32
2008年4月14日より
「メタボ錯視」
太ると背が低く見える。
Copyright Akiyoshi Kitaoka 2008 (June 15)
「落ち着かないお箸」
垂直に立っているお箸が交互に傾いて見え、しかも動いて見える。
Copyright Akiyoshi Kitaoka 2008 (June 16)
「事故の多い街」
交差点が光って見える。
Copyright Akiyoshi Kitaoka 2008 (June 6)
「ピンクのハートとオレンジのハート」
左上と右下のハートは黄色く見え、右上と左下のハートは青白く見えるが、どちらも背景と同じ白である。このハートの陰性残像は、それぞれピンクのハートとオレンジのハートである。左の十字を目を動かさず10秒以上眺め、右の十字に目を移すと、短時間見える。「陰性残像」(negative afterimage)とは反対色に見える残像という意味なので、将来、用語を変更する必要が出てくるかもしれない。
Copyright Akiyoshi Kitaoka 2008 (May 25)
「BCG」
Copyright Akiyoshi Kitaoka 2008 (May 13)
この図はすべてシアン色(絵の具では青緑色のことであるが、モニターでは水色のことが多い)の成分でできていて、赤い成分はないのであるが、18個の赤いパッチが描かれているように見える。この図は8ビット最適化256色のGIFファイルで示しているが、そのパレットは下図の通りである。下図パレットの下方にも赤みを感じるが、実はそれも錯視で、たとえば一番下の列の右から二番目のパレットは、R200、G204、B204
であるから、ほとんど灰色ではあるものの、シアン色の仲間である。
さらに、この錯視的赤みの陰性残像はシアン色となる!! その錯視的シアン色は背景の陰性残像である赤よりも早く現れる。
もう一つ
「BCG用パッチ」
(そんなものはない)
Copyright Akiyoshi Kitaoka 2008 (May 13)
この図はすべてシアン色の成分でできていて、赤い成分はないのであるが、左半分にはほんのりと赤いパッチが9個あるように見える。しかし、それらは右半分の9個のパッチと同じ色で、水色系統の色である(R170、G220、B220)。
さらに、右半分のシアン色の陰性残像は当然赤色となるが、左半分の錯視的赤み(物理的にはシアン色)の陰性残像はシアン色となる!! 順応刺激は物理的には同じ色なのに! すなわち、陰性残像の一部は、心理的な色の反対色となることがわかった。これも錯視残効?
このシアン色残像については、左半分の背景の陰性残像は赤なので、それによる色対比と考えられなくもない。しかし、上述したように、背景の残像は遅れて現れるから、その考え方ではあまりうまくいかない。
オマケ 陰性残像簡単体験図形↓
一方の十字をしばらく(10秒以上)眺めて、もう一方の十字に目を移すと、色の陰性残像(反対色)が見える。
「蛇の惑星」
「蛇の惑星」が回転して見える。
Copyright Akiyoshi Kitaoka 2008 (January 20; uploaded May 10)
「おばけ坂で回廊錯視」
2人は同じ大きさなのであるが、右上の方が大きく見える(回廊錯視)。人物の「影」の錯視量が特に多いように見える。
Copyright Akiyoshi Kitaoka 2008 (May 8)
写真のおばけ坂(屋島ドライブウェイ)のページはこちら
回廊錯視(corridor illusion):
Bezold, W. von (1884) Eine perspektivische Täuschung. Annalen der Physik und Chemie, 123, 351-352. (最初の報告)
今井省吾 (1984) 錯視図形・見え方の心理学 東京:サイエンス社 (ポンゾの円筒という名称で紹介。比較されるものは円筒)
Luckiesh, M. (1922) Visual illusions. New York: Dover. (比較されるものは直方体)
Richards, W. and Miller, J. F. Jr. (1971) The corrider illusion. Perception & Psychophysics, 9, 421-423. (比較されるものは円筒。回廊錯視と命名)
<corrected January 9, 2012: corrider -> corridor>
「赤い屋根」
赤い屋根は合同なのであるが、左の屋根は右の屋根に比べて細長く見える。シェパード錯視のバリエーションと考えられる。
Copyright Akiyoshi Kitaoka 2008 (April 24)
シェパード錯視(Shepard illusion or table-top illusion):
Shepard, R. N. (1990) Mind sights: original visual illusions, ambiguities, and other anomalies, with a commentary on the play of mind in perception and art. New York: Freeman. (R.N.シェパード著、鈴木光太郎・芳賀康朗訳 (1993) 視覚のトリック:だまし絵が語る「見る」しくみ 東京:新曜社)
「錯視砦の三錯視」
この図には錯視が少なくとも3種類ある。 (1) 左の階段は左向きに、中央の階段は中央向きに、右の階段は右向きに見えるが、3枚とも同じ写真である。これは、ピサの斜塔傾き錯視(Leaning Tower illusion)(Kingdom et al., 2007)のバリエーションと考えられる。 (2) 階段の下の方は左に、上の方は右に傾いて見える。これは、對梨成一氏のゆがんだ階段錯視(skewed staircase illusion)である。 (3) 階段が上昇するように見える。 (ん、そうは見えない?)
Copyright Akiyoshi Kitaoka 2008 (April 21)
References
Kingdom F A A, Yoonessi A, Gheorghiu E, 2007, "The Leaning Tower illusion: a new illusion of perspective" Perception 36(3) 475-477
「電柱に隠れるとやせてみえる錯視」
3人とも同じ大きさなのであるが、電柱に隠れている人はやせて見える。
Copyright Akiyoshi Kitaoka 2008 (April 14)
(カニッツァの)アモーダル短縮(Kanizsa amodal shrinkage)という現象である。下図では、左右の黒い正方形は同じ大きさであるが、右の正方形は縮んで見える。
References
Kanizsa, G. (1972) Schrumpfung von visuellen Feldern bei amodaler Ergänzung. Studia Psychologica, 14, 208-210.
Kanizsa, G. (1975) Amodal completion and phenomenal shrinkage of surfaces in the visual field. Italian Journal of Psychology, 2, 187-195.
Kanizsa, G. (1979) Organization in Vision. New York: Praeger.
Vezzani, S. (1999) Shrinkage and expansion by amodal completion: a critical
review. Perception, 28, 935-947.
Mitsudo, H. and Nakamizo, S. (2005) Evidence for the correcting-mechanism
explanation of the Kanizsa amodal shrinkage. Perception, 34, 289-303.
Vezzani (1999) reviewed the Italian studies on the shrinkage illusion (and the expansion illusion) and showed that this illusion does not depend on amodal completion. According to his review, I do not think that the name "Kanizsa amodal shrinkage" is good; instead, "Kanizsa shrinkage illusion" might be better, for example. (これはアモーダル補完でなくても起きる現象なので、「アモーダル短縮」という用語は適切ではないと思う)
「電柱では顔が隠れるなあ」という不評にお答えして。
Copyright Akiyoshi Kitaoka 2008 (April 21)
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