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2007年3月22日より


「シュレーダーの階段の大きさ錯視」

奥行き反転図形の古典的代表例であるシュレーダーの階段(Schröder's staircase)はオリジナルでは線画である(下図)が、ペイント画にしたものがパネル(a)である。パネル(a)は、パネル(c)のように右下の黒い部分が手前に見える場合と、パネル(d)のように左上の黒い部分が手前に見える場合が交替して見える。ところで、階段部分は明るい灰色の平行四辺形6つと暗い灰色の平行四辺形5つからできている。そのうち、明るい灰色の平行四辺形の大きさはすべて同じであるが(パネル(b))、平行四辺形1番と平行四辺形6番は、パネル(a)では他の平行四辺形よりも若干小さく見える(大きさの錯視)。その小さく見える程度は反転図形の見えに依存していて、パネル(c)のように見える時は平行四辺形6番がより小さく見え、パネル(d)のように見える時は平行四辺形1番がより小さく見える。

Copyright Akiyoshi Kitaoka 2007 (June 3)


シュレーダーの階段



参考 輝度コントラストが低いものは高いものよりも小さく見える(Oyama and Nanri, 1960)。たとえば、色の正方形の大きさは同じでも、下左図では青色の正方形が黄色の正方形よりも小さく見え、下右図では黄色の正方形の方が小さく見える。

Oyama, T. and Nanri, R. (1960) The effects of hue and brightness on the size perception. Japanese Psychological Research, 2, 13-20.

その大山正先生は、2007年5月31日(木)にサトウタツヤ先生の招きで立命館大学に来学され、「投稿論文の書き方」講演会をされた。参加者は40名を超え、盛況であった。




明暗反転させても同じ


「山田川の渦巻き」

山田川山田川・・・繰り返し縦に書くと、文字列が傾いて見える錯視がある。Kitaoka et al. (2001) によれば傾き錯視なら何でも渦巻き錯視にできるので、縦書きで文字列が傾いて見える錯視の渦巻き錯視を試した。「山田川」の同心円が左に回って中心に向かう渦巻きに見えないこともない。なお、このアイデアは、日本認知心理学会・第5回大会(2007年5月26日・27日)で立ち話をした千葉大学の一川誠先生による。

Copyright Akiyoshi Kitaoka 2007 (May 30)

近鉄京都線の山田川駅とは関係ありません。なお、山田川の駅や街の看板等に採用したいようでしたら、提供いたします。

「山田川の渦巻き 2」

この同心円配置だと、傾き錯視は効果が十分あって、2つの同心円が歪んでいるように見える。

Copyright Akiyoshi Kitaoka 2007 (May 30)

何となく動いて見えるような気もする。


「『杏マナー』の渦巻き」

杏マナー杏マナー杏マナー杏マナー杏マナー・・・繰り返し書くと、文字列が右に傾いて見える錯視がインターネット上で知られているが(今のところ作者不詳)、Kitaoka et al. (2001) によれば傾き錯視なら何でも渦巻き錯視にできるので、文字列が傾いて見える錯視の渦巻き錯視を試した。「杏マナー」の同心円が右に回って中心に向かう渦巻きに見えないこともない。なお、このアイデアは、日本認知心理学会・第5回大会(2007年5月26日・27日)で立ち話をした千葉大学の一川誠先生による。

Copyright Akiyoshi Kitaoka 2007 (May 30)
「杏マナー」文字列については、北岡にはプライオリティはない


(作者不詳の文字列が傾いて見える錯視)


ーナマ杏ーナマ杏ーナマ杏ーナマ杏ーナマ杏
ーナマ杏ーナマ杏ーナマ杏ーナマ杏ーナマ杏


杏マナー杏マナー杏マナー杏マナー杏マナー
杏マナー杏マナー杏マナー杏マナー杏マナー



ーナマ杏ーナマ杏ーナマ杏ーナマ杏ーナマ杏
ーナマ杏ーナマ杏ーナマ杏ーナマ杏ーナマ杏


杏マナー杏マナー杏マナー杏マナー杏マナー
杏マナー杏マナー杏マナー杏マナー杏マナー


(オレが作者だ、という方は名乗り出て下さいな →北岡にメールを送る

「『杏マナー』の渦巻き 2」

この同心円配置だと、傾き錯視は効果が十分あって、2つの同心円が歪んでいるように見える。

Copyright Akiyoshi Kitaoka 2007 (May 30)
「杏マナー」文字列については、北岡にはプライオリティはない

何となく動いて見えるような気もする。







「図の大きさによる視線方向錯視」

これらの図は絵としては同じ図で大きさが異なるだけであるが、図が大きい時(上の方の図)、視線はやや下向きのように見えるのに対し、図が小さい時(下の方の図)、視線は前方に向いているように見える。パソコン画面を近くから見るのと遠くから見るのを比較した場合でも、同じ効果が得られる。

Copyright Akiyoshi Kitaoka 2007 (May 3)

めがねをかけている人は、大きい図をめがねなしで見ると、視線が前方に向いて見える場合がある。Oliva の Hybrid Images (日本では「マリリンシュタイン」の画像で有名)も参照されたい。

脇坂さん、ありがとう。


「ジグザグ虫」

上から一番目と三番目のブロックは右に、二番目と四番目は左に動いて見える。

Copyright Akiyoshi Kitaoka 2007 (April 16)


「みの虫」

長方形のブロックがゆっくり動いて見える。動いて見える方向は、上から左・右・左・右・左である(私の分類では、最適化型フレーザー・ウィルコックス錯視・タイプIII)。近視用のめがねをかけている人は、上目つかいに眺めると、ブロックは上から左・右・左・右・左に傾いて見える。下目使いの場合は逆に傾いて見える。遠視用のめがねをかけている人は、上目つかいに眺めると、上から右・左・右・左・右に傾いて見える。下目使いの場合は逆に傾いて見える(はずである)。この傾き錯視は、色収差による明るさ誘導による「滑らかにずれたエッジ」の錯視(illusion of smoothly shifted edges)と(Kitaoka, 2007, Figure 27)モンタルヴォ錯視(Montalvo illusion)(ラヴァトリー・ウォール錯視、Lavatory Wall illusion)と思われる。

Copyright Akiyoshi Kitaoka 2007 (April 12)


滑らかにずれたエッジの錯視・・・水平の長方形の列が右に傾いて見える。


モンタルヴォ錯視・・・この図では、上下とも正方形のパターンは同じであるのに、上の水平の黒線は左に傾いて見え、下の水平の白線は右に傾いて見える。

文献

Kitaoka, A. (2007) Tilt illusions after Oyama (1960): A review. Japanese Psychological Research, 49, 7-19. PDF request to me new!

Kitaoka, A., Pinna, B., and Brelstaff, G. (2004). Contrast polarities determine the direction of Café Wall tilts. Perception, 33, 11-20. PDF request to me.

Woodhouse J M, Taylor S P, 1987 ``Further studies of the Café Wall and Hollow Squares illusions'' Perception 16 467-471

Sakane I, 1980 Shin AsobinoHakubutsushi (A NewMuseum-of-Fun Book), Part II (Tokyo: Asahibunko) pp 156-165 (in Japanese)


「渦巻き水路」

水路を何かが流れるように見える。これはエニグマ錯視(Enigma illusion)(あるいは単にエニグマと呼ばれている。レヴィアン錯視でよいのでは)と呼ばれている(Leviant, 1996)。本作品は、被誘導刺激が渦巻き状になっていることが、原画のエニグマと違っている点である(要するに、その程度の違いで、あまり新しいとは言えない)。Enigmaは「謎」という意味である。

Copyright Akiyoshi Kitaoka 2007 (April 10)

Leviant, I. 1996 Does `brain-power' make Enigma spin? Proc. R. Soc. Lond. B263, 997-1001.


「サクラの回転2007」

サクラの円盤が回転して見える。

Copyright Akiyoshi Kitaoka 2007 (March 26)


「メンコの回転」

円盤が回転して見える。

Copyright Akiyoshi Kitaoka 2007 (March 22)


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