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後期開講・金曜3限・清心館549

注・このページは大学の公式ページではありません。公式ページはオンラインシラバスです。

since September 27, 2007


●感覚・知覚領域の心理学的研究の最先端の知見を紹介致します。この講義のタイトルから想像されるような工学的モデルも取り扱います。講義の内容は、北岡明佳の関心のある分野(錯覚研究)に偏ります。ところで、感覚・知覚研究で現在勢力が強いのは工学的アプローチと神経科学的アプローチであり、心理学的アプローチは昔ほどの勢いはありません。しかしながら、私の意見では、この分野で100年後にも生き残っているのは、心理学的アプローチであると信じています。

●講義は皆さんが無理なくついて行けるよう、丁寧にやります。出席は取りません。遅刻・早退・出て戻る等は他の人の迷惑になるので、できるだけ遠慮して下さい。私語を撲滅できる自信はないので、前の方で聞いて下さい。質問は講義中にしてかまいません。特に質問の時間は設けません(質問はありませんか、と時々聞く予定)。講義後、メールで質問してくれば、メール等で回答致します。

日本視覚学会2008年冬季大会(1月23日(水)〜25日(金))の実行委員長を北岡がやることになっているため、定期試験日である25日(金)に北岡が監督で定期試験ができません。試験日は金曜は25日だけなので、実施日の変更ができません。26日(土)に金曜分の試験日を設定する予定は、今のところ文学部にはないそうです。連絡が取れる状況でなければ監督に代理を立てられないとのことですので、定期試験はあきらめました。そのため、成績評価は最終講義試験となりました。2008年1月18日(金)3限に実施します。試験時間は、13:30〜14:00です。13:50まで入室できます。


シラバス(オンラインシラバスに載っている順番を順次変更しますのでご注意下さい)

講義内容 ダウンロード資料 その他
1 ガイダンス -
受講者数は141名?

2
「蛇の回転」錯視 1


蛇の回転
(A3プリントを配布します)



年賀状デザイン作品集

卯図巻き

トリック・アイズ2

最新作1

北岡明佳の錯視のページ

最初の論文
Kitaoka, A. and Ashida, H. (2003) Phenomenal characteristics of the peripheral drift illusion. VISION (Journal of the Vision Society of Japan), 15, 261-262. PDF (プリントを配布)


北岡明佳 (2005) 周辺ドリフト錯視からわかること (日本基礎心理学会・東京大学教養学部自然科学博物館主催「イリュージョン・錯覚から知る心と脳の働き」・東京大学教養学部学際交流ホール・2005年8月6日) HTML(発表用)


ニュートン別冊「錯視 完全図解」


3
「蛇の回転」錯視 2

蛇の回転
(高画質のA4プリントを配布予定)


「蛇の回転」錯視は、Kitaoka (2007)(プリントを配布) によれば、最適化型フレーザー・ウィルコックス錯視タイプIIです。

ロレアル賞受賞講演のページ



「蛇の回転」の錯視量は年齢に逆相関するか? の調査研究

「蛇の回転」の錯視量は年齢に逆相関するか? の調査研究(高齢者のデータ)

「蛇の回転」の錯視量は年齢に逆相関するか? の調査研究(高校生のデータ)



Murakami, I., Kitaoka, A. and Ashida, H. (2006) A positive correlation between fixation instability and the strength of illusory motion in a static display. Vision Research, 46, 2421-2431.



Backus, B. T. and Oruç, I, (2005) Illusory motion from change over time in the response to contrast and luminance. Journal of Vision, 5, 1055-1069. to get PDF


Conway, R. B., Kitaoka, A., Yazdanbakhsh, A., Pack, C. C., and Livingstone, M. S. (2005) Neural basis for a powerful static motion illusion. Journal of Neuroscience, 25, 5651-5656.


4
視覚情報処理の時間遅れを視覚化する 1


flutteringheart01_4b1L.jpg

(4096 x 4096, 5.9MB)


「蛇の回転」の錯視量は年齢に逆相関するか? の調査研究(皆さんのデータ)



「立命館の錯視」



Kitaoka, A. and Ashida, H. (2007) A variant of the anomalous motion illusion based upon contrast and visual latency. Perception, 36, 1019-1035.


上記論文の原稿


Find e-Journal(立命館大学でPDFがダウンロードできるジャーナルを検索できるページ)

心理学専攻の文献検索のページ


中心ドリフト錯視の学会発表ページ



配布プリント

北岡明佳 (2006) 色が強くなる錯視 A・F・Tジャーナル, 31 (Summer), pp. 01.

北岡明佳 (2006) ただの絵なのに動いて見える錯視 A・F・Tジャーナル, 30 (Spring), pp. 01.

真島の「生理学」より pp.86-89 (神経伝導速度)
2005年の生理心理学の講義


5
視覚情報処理の時間遅れを視覚化する 2

立体視
(知覚心理学で配布したプリント)

単純反応時間測定プログラム
(RT3.exe: ウインドウズプログラム)

ストループ効果の簡易実験プログラム
(RT4.exe: ウインドウズプログラム)


プルフリッヒ効果のデモ



配布プリント

中溝幸夫(著)「視覚迷宮 ―両眼立体視が生み出すイリュージョン―」 pp. 181-187 (プルフリッヒ効果)


6
窓枠問題 1

-
床屋のポールの錯視

いろいろな傾き錯視(カタログページ)

ポップル錯視



配布プリント

盛永の変位の矛盾の図

第一次視覚野(V1野)の構造と機能 A3版3枚

7
窓枠問題 2

静止画が動いて見える錯視
(知覚心理学で配布したプリント)

マッカロー効果(方向性随伴残像)

8 窓枠問題 3 傾き錯視のプリント

MS-Wordファイル(1.3MB)
 PDFファイル(433KB)

北岡明佳(2005)傾き錯視の現在(九州大学芸術工学研究院で講演・2005年2月9日)より

ガーンセイ・モルガン錯視

ピンナ錯視における線の角の重要性

ニュートン別冊「錯視 完全図解」

回転オオウチ錯視の研究(プリント配布)

参考 トリック・アイズ2


錯視の測定のやり方の例


配布プリント

北岡明佳 (2001) 錯視とは? 映像情報メディア学会誌, 55, 366-367. PDF(スキャンコピー)

9 渦巻きの知覚1
黄金角の螺旋の図
(配布プリント)

渦巻き錯視いろいろ
(配布プリント)

渦巻きの数学


ひまわりの写真のあるよそさまのページ

黄金角の螺旋のページ


<下記、実行プログラムはWindows上でのみ動作します。>

黄金螺旋描画プログラム

渦巻き描画・線画プログラム

渦巻き描画・サイン波プログラム

グラスパターン描画プログラム


Kitaoka, A., Pinna, B., and Brelstaff, G. (2001). New variations of spiral illusions. Perception, 30, 637-646. (渦巻き錯視の論文)


10 渦巻きの知覚2 グラスパターン実験プログラム

渦巻き錯視実験の資料

渦巻き錯視のページ
渦巻き錯視2のページ
渦巻き錯視3のページ
渦巻き錯視4のページ

Gescheider著「心理物理学」下巻
のプリントを配布。
フェヒナーの法則とスティーヴンスの法則は、いくらなんでもテストに出る。ウェーバーの法則も出るかも。

  Daniel Bernoulli
  Jacob Bernoulli
        Bernoulli's spiral


北岡明佳 (2006) 渦巻き錯視のメカニズム じっきょう数学資料, 52, 13-15. PDF(スキャンコピー)

北岡明佳 (2003) 渦巻き錯視の定量的研究 日本心理学会第67回大会発表論文集,pp.481 北岡(2003)

その他の配布物
Gallantら(1993)
Wilsonら(1997)



北岡明佳 (2001) 錯視のデザイン学H・渦巻きを見る脳の数学的テクニック 日経サイエンス, 31(10), 96-98. (今回配布せず)

脳の図(今回配布せず)

11 明るさ・色の
情報処理1

錯視的階段状ゲルプ効果

明るさの錯視一覧
(今回配布せず)


配布プリント
ゼキ著・河内十郎訳 (1995) 脳のヴィジョン 医学書院
(25章 レティネクス理論)


配布プリント
北岡明佳 (2007) 学問の図像とかたち・76 不良設定問題を解く錯視図, UP(東京大学出版会), 36 (4 ) (通算414), カバー裏.



エーデルソン先生のページ
Lightness Perception and Lightness Illusions
  Adelson, E.H., in M. Gazzaniga, M.S., ed., The New Cognitive Neurosciences, 2nd Ed.Cambridge, MA: MIT Press, pp. 339-351 (2000).

Straightness as a Cue for Luminance Edge Classification.
  Logvinenko A. D., Adelson E. H., Ross D. A., & Somers D., Perception & Psychophysics, 67(1): 120-128, (2005).
PDF (6.63MB、立命館からのみ取れます)


写真1(等持院)
写真2(等持院)
写真3(梅小路公園)
写真4(金閣)

12 明るさ・色の情報処理2
色の知覚(知覚心理学講義用)



錯覚ニュース3(文字列が傾いて見える錯視)



エドウィン・ランド(日本ポラロイドのHP)

色の恒常性のページ

Purves先生のHP(色の恒常性のデモ)

「光や色を研究した偉大な人」(IROMSOFT様のページ)


眼球の解剖学・生理学・光学などを講義します。
脳の視覚系と各段階での色覚説など

レオ・M・ハーヴィッチ著・鳥居修晃+和氣典二監訳 (1981) カラー・ヴィジョン 誠信書房 (ISBN4-414-30293-5, \5700)

13 明るさ・色の情報処理3
色立体視1


色立体視2
(進出色・後退色と膨張色・収縮色の違いについて)

色立体視見本

立体視見本

色立体視3
(学会発表のページ)

色の錯視の講演のページ
(ロレアルアーツアンドサイエンスでの講演、2006年)

色の錯視の最新の講演のページ
(東北大学電子通信研究所での研究会の発表、2007年)


平成15・16・17年度科学研究費補助金 基盤研究(B)(1)(研究代表者・北岡明佳) 「進出色・後退色研究の新たな展開:軸上色収差説を修正して復活させる」 課題番号15330159  報告書(PDF)  報告書原稿(Word)

Kitaoka, A, Kuriki, I. and Ashida, H. (2006) The center-of-gravity model of chromostereopsis. Ritsumeikan Journal of Human Sciences, 11, 59-64. PDF



14 情報の補完のメカニズム1
視覚的補完(プリント)

視覚的補完(ウェブページ)

視覚的ファントム(ウェブページ)


縞誘導(grating induction)
ファントムとGI描画プログラム
クレイク・オブライエン・コーンスイート効果の視覚的ファントム
マッハバンドの視覚的ファントム

-
15 情報の補完のメカニズム2
消える錯視(ウェブページ)


視覚的ファントムとネオン色拡散の解説文書
視覚的ファントムと縞誘導
縞誘導の瞬間提示

番外
顔の知覚

- -

資料の印刷はエプソンのインクジェットプリンタで最も適正に仕上がります。欲を言いますと、スーパーファイン紙以上の上質の紙(スーパーファイン紙・マット紙・フォト紙・写真用紙等)を使いますと、きれいに印刷できます(紙に合った印刷モードで印刷しましょう)。白黒モードかカラーモードかで仕上がりが異なる場合があります。レーザープリンタはトナーのむらが出ますし、紙が反りますのであまり良くないです(昔はレーザープリンタと言えば最高品質の代名詞でしたのにね)。

教科書
特に定めません

参考書
著者 タイトル 出版社

ニュートン編集室(編)

北岡明佳(監修)


脳はなぜだまされるのか? 錯視 完全図解




ニュートンプレス 2007
内川惠二(総編集)

篠森敬三(編集)
塩入諭(編集)

講座 感覚・知覚の科学 1 視覚 I  視覚系の構造と初期機能




もう1冊あります。

講座 感覚・知覚の科学 1 視覚 II  視覚系の構造と初期機能

朝倉書店 2007
北岡明佳
だまされる視覚 錯視の楽しみ方



化学同人 2007
渡邉泰治
黄金比の謎 美の法則を求めて

化学同人 2007

Carlson, N. R.(著)

泰羅雅登・中村克樹(監訳)


カールソン
神経科学テキスト
脳と行動
原書8版


丸善 2006
後藤倬男・田中平八(編)
錯視の科学ハンドブック



東京大学出版会 2005
北岡明佳
現代を読み解く心理学



丸善出版 2005
北岡明佳
トリック・アイズ グラフィックス



カンゼン 2005
北岡明佳 トリック・アイズ2 カンゼン 2003
中溝幸夫
視覚迷宮 ―両眼立体視が生み出すイリュージョン―


ブレーン出版 2003
宮本敏夫 図解雑学・脳のはたらき・知覚と錯覚 ナツメ社 2002
リチャード・L・グレゴリー 脳と視覚・グレゴリーの視覚心理学(近藤倫明・中溝幸夫・三浦佳代訳)(Eye and Brain, the fifth edition) ブレーン出版 2001
松田隆夫 知覚心理学の基礎 培風館 2000
大山正
視覚心理学への招待・見えの世界へのアプローチ

サイエンス社 2000
日本視覚学会(編)
視覚情報処理ハンドブック



朝倉書店 2000
Howard, I. P. & Rogers, B. J. Binocular vision and stereopsis Oxford 1995
松田隆夫 視知覚 培風館 1995
椎名健 錯覚の心理学 講談社現代新書 1995
下條信輔 視覚の冒険・イリュージョンから認知科学へ 産業図書 1995
Gilchrist, A. L. (ed.) Lightness, brightness, and transparency Lawrence Erlbaum Associates 1994
大山正
色彩心理学入門

中公新書 1994
大山正・今井省吾・和気典二(編)
新編 感覚・知覚心理学ハンドブック

誠信書房 1994
乾敏郎
Q&Aでわかる脳と視覚・人間からロボットまで

サイエンス社 1993
池田光男・芦澤昌子 どうして色は見えるのか・色彩の科学と異常 平凡社 1992
金子隆芳
色彩の心理学

岩波新書 1990
デビッド・マー(著) 乾敏郎・安藤広志(訳)
ビジョン―視覚の計算理論と脳内表現―



産業図書 1987
今井省吾 錯視図形・見え方の心理学 サイエンス社 1984
P.H.リンゼイ・D.A.ノーマン(著) 中溝幸夫・箱田裕司・近藤倫明(訳)
情報処理心理学入門T―感覚と知覚―



サイエンス社 1983
Robinson, J. O.
The psychology of visual illusion



Dover 1972, 1998

北岡ゼミのページにも参考書の写真がありますのでご覧下さい。


プルフリッヒ効果観察用アニメーション


プルフリッヒ効果観察用アニメーション・その2



ヘス効果観察用アニメーション


床屋のポールの錯視



マッカロー効果



色の陰性残像


ガーンセイ・モルガン錯視


「ガボールパッチドリフト錯視」

内側の正方形領域が動いて見える。ガーンセイ・モルガン錯視(Gurnsey-Morgan illusion)の並進型表現。

Copyright Akiyoshi Kitaoka 2007 (August 6)

ガーンセイ・モルガン錯視・・・図の中心を見ながら目を図に近づけたり遠ざけたりするとリングが回転して見える。Morgan (2002) と Gurnsey, Sally, Potechin and Mancini (2002) が発表した。Gurnsey et al. (2002) は、この錯視図形はピンナ錯視(Pinna illusion)(ピンナ・ブレルスタッフ錯視(Pinna-Brelstaff illusion)と呼ばれていることが多い)の最適化図形であるとした。なお、上図は北岡による複製で、原画(MorganのExnerの図とGurnseyらの Figure 3)とは若干異なる(原画の方が錯視量が多い)。

Gurnsey, R., Sally, S. L., Potechin, C., and Mancini, S. (2002) Optimising the Pinna-Brelstaff illusion Perception, 31, 1275-1280.
Morgan M, 2002 ``Running rings around the brain'' The Guardian Thursday, 24 January 2002; http://www.guardian.co.uk/Archive/Article/0,4273,4341518,00.htmlhttp://www.staff.city.ac.uk/~morgan/TheWheel.pdf

ピンナ錯視・・・図の中心を見ながら目を図に近づけたり遠ざけたりするとリングが回転して見える。Pinna and Brelstaff (2000) が発表した。なお、上図は彼らの Fig. 5 からの北岡による複製で、原画とは若干異なる。

Pinna, B. and Brelstaff, G. J. (2000) A new visual illusion of relative motion. Vision Research, 40, 2091-2096


ピンナ錯視(左図)における線の角の重要性


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