錯覚ついて

平成18年度なんば市民セミナー なるほど納得!おもしろ雑学講座 第4回 2006年10月21日(土)

北岡 明佳(立命館大学文学部心理学専攻email

2006/10/19より


「土星」

土星の輪が回転して見える。

Copyright Akiyoshi .Kitaoka 2006 (October 18)

これぢゃ、土星は連星だ。まあ、いいか、冥王星は惑星ではなくなったことだし。


「カメの回転」

カメの集団が回転して見える。そのほか、左右に動いて見える錯視や、垂直・水平に並んだエッジが傾いて見える錯視もある。

Copyright Akiyoshi .Kitaoka 2006 (June 19)


「レモン色の渦巻きとクリーム色の渦巻き」

渦巻きにはレモン色のとクリーム色のと2種類あるように見えるが、どちらも同じ黄色(R255, G255, B0)である。

Copyright A.Kitaoka 2005 (May 22)


「ロボット」

左の円が右の円よりも明るく見えるが、物理的には同じ明るさである。

Copyright Akiyoshi Kitaoka 2005 (December 10)


「願宗寺の錯視」

天井の蛍光灯をつけると、まっすぐなはずの横の桟が傾いて見える。具体的には、(1)蛍光灯部分が天井方向に引っ込んで見え、(2)蛍光灯の付いている桟と平行な(左右とも)2番目と3番目の桟をつなぐ横の桟も外側が天井方向に傾いて見える。

蛍光灯を消すと、これらの錯視は起きない。

2005年9月3日
Copyright Nishiwaki Osho 2005

この錯視は、新潟県上越市の願宗寺(浄土真宗本願寺派)にある。阿弥陀如来のお導きか。

北岡明佳のコメント: (1)は視覚的ファントムで桟の手前に面が知覚され、そのため奥行き対比が起きたものと私は考察する。(2)はブルドン錯視と考えられる。ブルドン錯視の実例の報告はひょっとして世界初ではないだろうか。


「秋の沼の波3D」

平行法でも交差法でも図が波打って見える。

Copyright Akiyoshi.Kitaoka 2006 (August 22)


ところで、立命館大学衣笠キャンパス   

「立命館湖」

立命館大学衣笠キャンパスが水没したように見える。

Copyright A.Kitaoka 2004 (August 14)

ここが水没するようでは京都市街全域水没で~す。もちろん大阪も、神戸も。

実際の風景

「立命館湖2」

立命館大学衣笠キャンパスが水没したように見える。

Copyright A.Kitaoka 2004 (August 14)

実際の風景

「立命館湖3」

立命館大学衣笠キャンパスが水没したように見える。屋根は等持院。

Copyright A.Kitaoka 2004 (August 14)

実際の風景

「比叡山湖」

京都市左京区岩倉地区が水没したように見える。

Copyright A.Kitaoka 2004 (August 16)

氷河期直後はこんな光景だったのかも。

実際の風景




鏡湖池(きょうこち)について(立命館大学学園通信)


●錯視とは視覚性の錯覚のことであり、錯覚とは実在する対象の真の特性とは異なる知覚のことである。

●錯視には、形の錯視(幾何学的錯視)、明るさの錯視、色の錯視、運動視の錯視などがある。

●生存の役には立たないと思われる現象ほど錯視と呼ばれやすい。

●錯視は、錯視量が多いほど「美しい」。しかし、その科学的根拠は不明である。

錯視全般の分類(ウェブページ)   錯視のカタログ(ウェブページ)


錯視研究は心理学! 

心理学早分かり表
心理学の推薦教科書
(講義のホームページ)
心理学の推薦教科書一覧
(ワードファイル・4MB)

1. 幾何学的錯視(形の錯視)


幾何学的錯視(形の錯視)(配布プリント)


「トリビアの泉」(2006年6月14日)のネタ

カップヌードルの容器を上下に重ねて置くと、下に置かれた方が上に置かれた方よりも大きく見える。


ジャストロー錯視(今井省吾先生画)



ジャストロー錯視(Jastrow illusion)・・・同じ大きさの弧を図のように並べると,弧の中心の側に置いた図形がより大きく見える。Robinson(1972 / 1998)によれば実際にはヴントの図形であり、ジャストローのオリジナルの図形は片側がしぼんだ形をしている(Jastrow, 1891)(口絵80)。そのため、ヴントの大きさ錯視(Wundt’s area illusion)、あるいはヴント・ジャストロー錯視(Wundt-Jasrow illusion)という表現が試みられたが、錯視の名称は単純なものが好まれるため、定着しなかった。なお、Robinson(1972 / 1998)は引用文献としてMüller-Lyer(1889)を示しているが、彼はヴントを引用していないし、ヴントの錯視の論文は1898年刊なので、ジャストロー錯視はミュラー・リヤーの作と考えてよい。この混乱の原因は、Titchener(1901)が166ページのFig.48でジャストローの台形錯視(口絵79)とジャストロー錯視とを並べて、前者をミュラー・リヤーの図形、後者をヴントの図形としたことによると思われる。前者はMüller-Lyer(1889)にはなく、Wundt(1898)には載っているので、これは単なるティチェナーの取り違えであろう。

以上、「錯視の科学ハンドブック」より


「トリビアの泉」(2006年5月17日)のネタ

 

杏マナー杏マナー杏マナー杏マナー杏マナー
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ーナマ杏ーナマ杏ーナマ杏ーナマ杏ーナマ杏
ーナマ杏ーナマ杏ーナマ杏ーナマ杏ーナマ杏

杏マナー杏マナー杏マナー杏マナー杏マナー
杏マナー杏マナー杏マナー杏マナー杏マナー

(詠み人知らず)



アロマ企画アロマ企画アロマ企画アロマ企画
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画企マロア画企マロア画企マロア画企マロア
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アロマ企画アロマ企画アロマ企画アロマ企画
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(詠み人知らず)



コニア画コニア画コニア画コニア画コニア画コニア画
コニア画コニア画コニア画コニア画コニア画コニア画

画アニコ画アニコ画アニコ画アニコ画アニコ画アニコ
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コニア画コニア画コニア画コニア画コニア画コニア画
コニア画コニア画コニア画コニア画コニア画コニア画

(詠み人知らず)



金正日アフロ金正日アフロ金正日アフロ
金正日アフロ金正日アフロ金正日アフロ

ロフア日正金ロフア日正金ロフア日正金
ロフア日正金ロフア日正金ロフア日正金

金正日アフロ金正日アフロ金正日アフロ
金正日アフロ金正日アフロ金正日アフロ

(詠み人知らず)



科研交付科研交付科研交付科研交付科研交付
科研交付科研交付科研交付科研交付科研交付

付交研科付交研科付交研科付交研科付交研科
付交研科付交研科付交研科付交研科付交研科

科研交付科研交付科研交付科研交付科研交付
科研交付科研交付科研交付科研交付科研交付

(北岡作)




新井先生のページ(文字列が傾いて見える錯視のおそらく最初の研究レポートを含む)

小原未紗 (2005) 文字列が傾いて見える錯視における水平成分の役割 立命館大学文学部(心理学専攻)2005年度卒業論文



ポップル錯視

Popple, A. V. and Levi, D. M. (2000) A new illusion demonstrates long-range processing. Vision Research, 40, 2545-2549.

Popple, A. V. and Sagi, D. (2000) A Fraser illusion without local cues? Vision Research, 40, 873-878.

(小原さんの作品というか実験結果による文字列が傾いて見える錯視群は、彼女が査読論文として仕上げる可能性がある関係で、ここには掲載していませんが、錯視量の多いものがいっぱいあります)

「オランダ高層ビル高層階広がり錯視」

寸胴のはずなのに、ビルの上の方に行くほど広く見える。

2005年3月31日
Copyright Stephen G. Murray 2005 (March 31, 2005)

イギリス人Steveによる。ロッテルダムにて。

北岡明佳のコメント: この錯視を基本図形にすると下図の通り。垂直な棒が、左から、右・左・右・左・右に少し傾いて見える。(動く錯視も入っているなあ)


「定義上立命館」

「定義上」文字列は右上がりに、「立命館」文字列は右下がりに見える。

Copyright Akiyoshi Kitaoka 2006 (July 22)


「立命館心理学傾き錯視」

「立命館」文字列は右下がりに見え、「心理学」文字列は右上がりに見える。

Copyright Akiyoshi Kitaoka 2006 (August 7)


「今城の傾き錯視」

電子メールの名前とアドレスのセットが右に傾いて見える。

Copyright Yuka Imajo 2004
立命館大学文学部人文総合インスティテュート(人間と情報)の今城裕香さんより, 2004/10/5

北岡明佳のコメント: 卒論でやるそうです。楽しみです。錯視量が多くていいですね。


市松模様錯視(checkered illusion)

「膨らみの錯視」

市松模様の床が膨らんでこちらにせり出しているように見えるが、物理的にはすべて正方形で描かれており、感じられる丸みは錯視である。

Copyright A.Kitaoka 1998


カフェウォール錯視とその現象的原理

Kitaoka, A., Pinna, B., and Brelstaff, G. (2004). Contrast polarities determine the direction of Café Wall tilts. Perception, 33, 11-20.



「クッション」

すべて長方形か正方形でできているが、丸みや立体感が感じられる。

Copyright A.Kitaoka 1998
(c)北岡明佳 2002 「トリックアイズ」 (カンゼン刊)


新しい幾何学的錯視が多く載っている論文

Kitaoka, A. (1998). Apparent contraction of edge angles. Perception, 27, 1209-1219.

Kitaoka, A., Pinna, B., and Brelstaff, G. (2001). New variations of spiral illusions. Perception, 30, 637-646.

Kitaoka, A., Pinna, B., and Brelstaff, G. (2004). Contrast polarities determine the direction of Café Wall tilts. Perception, 33, 11-20.


幾何学的錯視の参考書

今井省吾 (1984) 錯視図形-見え方の心理学- サイエンス社

大山正・今井省吾・和気典二(編) (1994) 新編 感覚・知覚心理学ハンドブック 誠信書房

後藤倬男・田中平八(編) (2005) 錯視の科学ハンドブック 東京大学出版会

北岡明佳 (2005) トリック・アイズ グラフィックス カンゼン 

北岡明佳 (印刷中) 錯視の楽しみ方 化学同人 (2007年1月刊行予定)


2. 明るさの錯視


明るさの錯視


ホワイト効果

左半分の灰色は明るく、右半分の灰色は暗く見えるが、同じ明るさである。

White, M. (1979) A new effect on perceived lightness. Perception, 8, 413-416.


ログヴィネンコ錯視

明るいひし形の列と暗いひし型の列が交互に並んでいるように見えるが、同じ明るさである。

Although gray diamonds are identical, there appear to be light-gray ones and dark-gray ones.

Logvinenko, A. D. (1999) Lightness induction revisited. Perception, 28, 803-816.


「エイの詰め合わせ」

エイは正方形で描かれているが、形がゆがんで見える(ずれたグラデーションの錯視)*。そのほか、暗いエイの目は明るく見え、明るいエイの目は暗く見えるが、同じ輝度のグラデーションである。また、灰色の垂直・水平線が場所によって明るく見えたり暗く見えたりする明るさの錯視(ログヴィネンコ錯視?)も含まれている。

Copyright Akiyoshi Kitaoka 2006 (June 12)

*Kitaoka, A. (1998). Apparent contraction of edge angles. Perception, 27, 1209-1219.


錯視的階段状ゲルプ効果


明るさの錯視の参考書

後藤倬男・田中平八(編) (2005) 錯視の科学ハンドブック 東京大学出版会

北岡明佳 (2005) トリック・アイズ グラフィックス カンゼン 

北岡明佳 (印刷中) 錯視の楽しみ方 化学同人 (2007年1月刊行予定)


3. 色の錯視


色の錯視


「ムンカー錯視」

上の列にはオレンジ色と赤紫色の赤があるように見えるが、同じ色である。下の列は黄緑と青緑の2色があるように見えるが同じ色である。ホワイト効果の色相版である。


「酒井の色の対比」

上の正方形の列は同じ灰色に見えるが、左の5つの正方形と右の5つの正方形を入れ換えて下の列に並べてみると、かなり違っていることがわかる。一番下の2つの正方形は外に出してみたところで、左の緑の正方形は右上の5つの正方形と同じで、右のピンクの正方形は左上の5つの正方形と同じである。誘導背景の色に最大の彩度を用いないことがポイントであった。

酒井香澄(「Landの二色法による色再現とBelseyの仮説検証」立命館大学文学部哲学科心理学専攻2002年度卒業論文)の発見をベースにしている。


「2つの輪」

内側のリングは縮小して見え、外側のリングは拡大して見える(周辺ドリフト錯視)。中心を見ながら図に目を近づけたり遠ざけたりすると、リングがお互いに反対方向に回転して見える(回転オオウチ錯視・今年の日本視覚学会で発表予定)。また、中心を見ながら図に目を近づけると内側のリングが赤味を増し、目を遠ざけると外側のリングが赤味を増す。1つの図で3つも錯視が楽しめるおトクな錯視デザイン。

Copyright A.Kitaoka 2005 (April 1)


ロレアル講演2005


色の錯視の参考書

調査中


4. 静止画が動いて見える錯視


静止画が動いて見る錯視  静止画が動いて見る錯視(白黒版)(配布プリント)


静止画が動いて見える錯視の分類(ウェブページ)


「蛇の回転」

蛇の円盤が勝手に回転して見える。

Copyright A.Kitaoka 2003 (September 2, 2003)

蛇の回転のページ
蛇の回転・錯視量増強版
 蛇の回転・フリッカーによる錯視量増強版
蛇の回転・いろいろ

基本錯視を説明した論文(最適化型フレーザー・ウィルコックス錯視)(PDF)

フロリダのVSS(アメリカの視覚学会)に行く(2005年)。

放送大学での面接講義(2005年)


錯視に取り組む前に運動視自体についても知識が必要である。まずは仮現運動から。


仮現運動

円が左右に行ったり来たりして見える。

「仮現運動」は心理学の専門用語で、「かげんうんどう」と読む。"apparent movement"の日本語の訳である。直訳すると「みかけの運動」である。


The eye appears to shift laterally.


目が行ったり来たりする仮現運動が減少する。

Decrease in apparent movement

Copyright Akiyoshi Kitaoka 2006 (March 21)


「仮現運動・その3 分身の術」

女の子が分身の術を使っているように見える。

Copyright Akiyoshi .Kitaoka 2006 (July 20)

ところで戻る方は何と呼ぶのだろう。


「仮現運動・その1」

女の子が弧を描くような軌道に沿って往復運動して見える。上と右、下と左の組み合わせの場合と、上と左、下と右の組み合わせのどちらにでも見える。画像は500msずつ交替に提示している。

Copyright Akiyoshi .Kitaoka 2006 (July 20)

画像を200msずつ交替に提示した場合は、回転運動も知覚される。



1フレーム 500ms


1フレーム 200ms

「仮現運動・その3」

1回あたりの回転角が小さくなると(この動画では22.5º)、回転が優位になり、往復運動は見えにくくなる(北岡は500msの方は往復運動優位である)。回転は自動的に反転して見えるとともに、好きな方向に転換させることもできる。

Copyright Akiyoshi .Kitaoka 2006 (July 26)


次は運動残効。


「青い目の女の子の運動残効2」

この動画では「目」が時計回りに2秒間回転、2秒間静止を繰り返している。静止している時、目は時計回りに回転して見える。両目の中間に視線を置いている時は目の内側が回転して見え、さらに周辺視で見ると目は全部回転して見える。

Copyright Akiyoshi Kitaoka 2006 (March 1)


運動残効の標準的デモ


ついでにリバーストファイ。


リバーストファイ運動 (reversed phi movement)

Flash(swf) --- QuickTime(mov)


そして、脳。


運動視を司る領域と考えられる MT+ 野 (この図ではMT/V5)

from: Logothetis, N.K. (1999). Vision: a window on consciousness. Scientific American (November), 281, 44-51.


やっと錯視の話。


「蛇の拡大」

蛇のディスクが拡大して見える。

Copyright Akiyoshi .Kitaoka 2006 (May 25)


「蛇の回転」には見えない人が少数いる。

VSSでの調査

放送大学面接授業での調査


最適化型フレーザーウィルコックス錯視の分類


最適化型フレーザー・ウィルコックス錯視 Type I


「タイムトンネルショー」

リングが回転して見える。

Copyright Akiyoshi Kitaoka 2006 (February 24)


「オバケ」

「目」が拡大して見える。

Copyright Akiyoshi .Kitaoka 2006 (February 25)

拡大・縮小錯視4


「ぎんなん」

ぎんなんのリングが回転して見える。

Copyright A.Kitaoka 2004 (6/25)


「桃の回転2」

桃のリングが回転して見える。

Copyright Akiyoshi Kitaoka 2006 (February 17)


「エンドウマメの蛋白質」

マメが動いて見える。

Copyright Akiyoshi Kitaoka 2006 (February 21)


「蛇の回回回回回回転」

図で6つある「回」という字は、青と黄の要素図形を正方形状に配列してあるのだが、ひずんで見える(ずれたエッジの錯視)*。また、回という字が動いて見える。

Copyright Akiyoshi Kitaoka 2006 (June 13)

*Kitaoka, A., Pinna, B., and Brelstaff, G. (2004). Contrast polarities determine the direction of Café Wall tilts. Perception, 33, 11-20.


最適化型フレーザー・ウィルコックス錯視 Type IIa


「蛇の回転・三次元風」

ディスクがひとりでに回転して見える。

Copyright Akiyoshi .Kitaoka 2006 (May 30)


「虫君」

虫が左右に動いて見える。

Copyright Akiyoshi .Kitaoka 2006 (May 25)


「カレイ」

中央部分が右に動いて見える。

Copyright Akiyoshi .Kitaoka 2006 (May 1)


「コンピュータワーム」

虫が動いて見える。

Copyright A.Kitaoka 2005 (April 19)


「雷さん」

太鼓のリングが時計回りに回転して見える。

Copyright Akiyoshi Kitaoka 2006 (May 22)


「レモンの回転」

何もせずながめているだけでリングが回転して見える。一方、まばたきをするとそれとは反対方向に回転して見える。

Copyright Akiyoshi Kitaoka 2005 (November 6)


中心ドリフト錯視


「八重桜」

八重桜が拡大して見える。

Copyright Akiyoshi .Kitaoka 2006 (April 29)

サクラ2


「回遊」

内側の魚は時計回りに、外側の魚は反時計回りに回転して見える。

Copyright Akiyoshi Kitaoka 2006 (April 28)


「サクラの回転」

(リメーク版)

サクラの花びらのリングが回転して見える。外側は反時計回り、内側は時計回りである。

Copyright Akiyoshi Kitaoka 2005 (1/26)


その他の動く錯視


「ブルートレイン」

上半分は右に、下半分は左にゆっくり動いて見える。

Copyright Akiyoshi .Kitaoka 2006 (March 21)

動く錯視4


「保護色」

中の領域が動いて見える。

Copyright A.Kitaoka 2004 (7/16)


「雨」

中の雨が動いて見える。

Copyright A.Kitaoka 2005 (July 2)

2000年作品のリメーク


「桃の回転」

桃のリングが回転して見える。

Copyright Akiyoshi .Kitaoka 2006 (February 17)


高速運動錯視と「オバケ」


Apparent movement with speed lines (motion lines)

Copyright Akiyoshi .Kitaoka 2006 (March 2)


「高速どんぐるりん」

どんぐりの輪が高速に回転して見える。

Copyright Akiyoshi .Kitaoka 2006 (February 16)

普通の「どんぐるりん」↓

+



「蛇のフィギュアスケート」

円盤が高速で回転しているように見える。

Copyright Akiyoshi .Kitaoka 2006 (February 22)


「床屋の乱立・アニメ版」

各リングが回転して見える。回転方向は一定ではなく、時々切り替わる。

Copyright Akiyoshi .Kitaoka 2006 (January 13)


5. だまし絵と錯視デザイン


北岡の主張: 錯視デザインとだまし絵(あるいはトリックアート)は、アートしては同種で1)、サイエンスとしては別種である2)


1) 錯視デザインとだまし絵は、作品の目的は視覚のメカニズム自体を表現することである。

2) だまし絵は錯視を使っていない!


だまし絵の技術(1) 影(シャドー)と陰(シェード)

「隠されたジャストローの台形錯視」

上の図の台形が下の図の台形よりも大きく見える(ジャストローの台形錯視)がこれにすぐには気づかないのは、影が物体の空間位置の知覚に及ぼす効果のデモンストレーション(影の位置が違うだけなのだが上図では球が浮いて見える)に注意が取られてしまうためであろう。

Copyright Akiyoshi Kitaoka 2006 (June 29)


だまし絵の技術(2) 不可能図形


だまし絵の技術(3) 反転図形

「ひだの付いた金網の回転」

ひだの付いた金網が垂直軸を軸に回転しているように見える。上から1、3、5、7、9番の水平線が手前に見える時は、金網は観察者に対して右側方向に面しているように見え、次第に観察者に向かって面を回転してくるように見える。逆に、上から2、4、6、8番の水平線が手前に見える時は、金網は観察者に対して左側方向に面しているように見え、次第に観察者に向かって面を回転してくるように見える。

Copyright Akiyoshi .Kitaoka 2006 (June 22)

この錯視デザインの構成
(1)謎の(新型の?)動く錯視
(2)遠近反転図形
(3)運動方向反転図形

有名な反転図形

反転図形の決定版は、シルエット錯視(Kayahara, 2003)


だまし絵と錯視デザインの関係がわかる参考書

北岡明佳 (印刷中) 錯視の楽しみ方 化学同人 (2007年1月刊行予定)


錯視が内包する哲学的問題がわかる参考書

箱田裕司・仁平義明(編) 嘘とだましの心理学(有斐閣) (2007年7月刊行) 好評発売中 new!


 

まとめ

錯視研究は心理学で、心理学は人文系学問の中の理科なので理屈っぽいが、脳研究や芸術とも関係が深い。


立命館大学
(金閣まで徒歩10分、竜安寺まで徒歩3分、等持院まで徒歩1分)


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