坂道錯視 10
上り坂が下りに見えたり、下り坂が上りに見えたりする坂、あるいはその錯視のこと。これらの錯視は、俗に、おばけ坂、幽霊坂あるいはミステリー坂という(例:カナダにある「磁石の丘」、Wikipedia)。学術的には、縦断勾配錯視という(今井省吾 (1971) 道路の縦断勾配の錯視 東京都立大学人文学報, 83, 13-28)。坂道錯視は、さらに、左右方向の傾き錯視も含む。実例はたくさんありそうであまりない。 <坂道錯視の写真募集中>
2013年3月27日より
西武秩父線「正丸駅の階段の錯視」あるいは「階段錯視」(對梨, 2005)の実地調査
調査日:2013年3月13日(水) 調査員:北岡明佳と對梨成一 研究資金:科研費、R-GIRO
正丸階段
Copyright Akiyoshi Kitaoka 2013 (March 13) 撮影日は、2013年3月13日(日)、以下同様
階段の踏面(ふみづら)は水平なのだが、下から見上げると上部は右に傾いて見える。中央の手すりは垂直に立てられているが、左に傾いて見える。
階段がエスカレーターのように上昇して見える錯視もあるなあ・・・
階段の踏面(ふみづら)は水平なのだが、下から見上げると下部が右上がりに見えることもある。
階段の踏面(ふみづら)は水平なのだが、上から見下ろすと踏面の水平が左に傾いて見えることもある。
上から見ると、中央の手すりは右に傾いて見え、階段の右側は狭く感じる。
下から見ると、中央の手すりは左に傾いて見え、階段の左側は狭く感じる。
中央の手すりの支柱が垂直かどうかを調べているところ
遠くから見ると錯視は弱くなるが、よく見るとやはり奇妙な感じに見える。
正丸駅。左の3本の白い支柱があるところが、問題の錯視の階段である。
西武鉄道4000系電車。子どもが小さかった頃は狭山市に住んでいたので、何度か乗ったものだ。
滋賀県立陶芸の森の階段の錯視との比較
階段の下の方は左に傾いて見え、上の方は右に傾いて見える。
Copyright Akiyoshi Kitaoka 2008 (April 21)
上から見ると、階段の上部は右に傾いて見える?
京都市インクライン上の琵琶湖疏水にかかる橋(大神宮橋)の階段の錯視との比較
Copyright Akiyoshi Kitaoka 2013 (March 30)
実際に曲がってますなあ・・・ 中央の手すりが左に傾いて見えるような気はする。
文献
對梨成一 (2005). 階段の水平踏面が傾いて見える錯視の実験的解明 心理学研究, 76, 139-146.https://www.jstage.jst.go.jp/article/jjpsy1926/76/2/76_2_139/_pdf
坂道錯視9 (種子島、南種子町河内の錯視の坂)
坂道錯視8 (種子島、中種子町納官深久保の錯視の坂)
坂道錯視7 (熊本県天草郡苓北町志岐山の木山弾正無念坂とお京坂)
坂道錯視6 (京都府南丹市美山町田歌の坂上りの川)
坂道錯視5 (福岡県遠賀郡岡垣町内浦のゆうれい坂)
坂道錯視4 (福岡県久留米市田主丸の坂上りの水)
坂道錯視3 (青森県三戸郡階上町の後戻り坂)
坂道錯視2 (岩手県花巻市東和町のミステリー坂)
坂道錯視1 (いろいろ)