上り坂が下りに見えたり、下り坂が上りに見えたりする坂、あるいはその錯視のこと。これらの錯視は、俗に、おばけ坂、幽霊坂あるいはミステリー坂という(例:カナダにある「磁石の丘」Wikipedia)。学術的には、縦断勾配錯視という(今井省吾 (1971) 道路の縦断勾配の錯視 東京都立大学人文学報, 83, 13-28)。坂道錯視は、さらに、左右方向の傾き錯視も含む。実例はたくさんありそうであまりない。 <坂道錯視の写真募集中>

2011年10月17日より  青森県階上町の坂道錯視


岩手県花巻市東和町石岡山南麓のミステリー坂の実地調査

調査日:2011年10月14日(金)  調査員:北岡明佳、對梨成一  研究資金:科研費、R-GIRO

Copyright Akiyoshi Kitaoka 2011 (October 17) 撮影日は、2011年10月14日(金) 以下同様

上り坂に見えるが、物理的には下り坂である。



バスはこちら向きに下ってきているのだが、上り坂にさしかかったように見える。


バスは下り坂を下りているが、上り坂を上っているように見える。


左は急な下り坂、右はゆるい下り坂であるが、右は上り坂に見えやすい。

cf. Bressan, P., Garlaschelli, L. and Barracano, M. (2003) Antigravity hills are visual illusions. Psychological Science, 14, 441-449.


奥に向かって下り坂のように見えるが、すべて上り坂である。


對梨(ついなし)氏は下っているのではない。


下から来ると、左に曲がると上り坂が続くのではないかという予想もあるから、それもこの錯視のおもしろさに貢献しているかもしれない。


ミラーで見ても上り坂に見える(向かって左の道路)。


右の道路のセンターラインあるいはそれより右側では、撮影ポイントからクルマが止まっているところまですべて下り坂である。


この角度から見ると、對梨氏のいるところから上り坂、下り坂、上り坂の順になっているように見えるが、すべて下り坂である。なお、對梨氏は、きつい上り坂、ゆるい上り坂、きつい上り坂に見えるとのことであった。


ミラーに写っている下り坂は、左の急な上り坂と同じくらい(あるいはそれ以上に)上り坂に見える。


ここだ!


国道283号線(釜石街道)の案内看板。ミステリー坂は4.2km先にあると表示している。確かにそのあたりにあった。


同じ場所にある案内看板。「不思議坂」という名称で、3.2km先にあると表示している。3.2km地点には特に何もなかったのだが、消える不思議な坂があったのだろうか?


同じ場所にある自動販売機にも「ミステリー坂」。海から遠いが無人島もあるらしい。


オマケ 岩手県花巻市東和町にあるもう一つの知られざるミステリー坂

調査日:2011年10月14日(金)  調査員:北岡明佳、對梨成一  研究資金:科研費、R-GIRO

上り坂に見えるが下り坂である。


上り坂に見えるが下り坂である。


手前は上り坂、奥は下り坂に見えるが、実際は手前は緩い下り坂で、奥は急な下り坂である。


反対を向くと物理的には上り坂であり、その通りに見える時と、下り坂のように見える時とがあった。


對梨氏撮影 Copyright Seiichi Tsuinashi 2011 (October 18)

サグ部が見えると、この上り坂は下り坂に見えやすいようだ。



坂道錯視のページ(對梨成一氏のホームページ)


坂道錯視1

坂道錯視3 (青森県階上町の後戻り坂)


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