2025年9月5日(金)10:10~11:00 第9会場(L506)
日本心理学会第89回大会・小講演・東北学院大学
ロトレリーフの展開的研究
(続き)(5ページ目)
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(弾性感のある)ロトレリーフを考える。
(立体感のある)ロトレリーフには不動点と動点がセットとしてある。
(立体感のある)ロトレリーフの線形版にも不動点と動点がセットとしてある。
不動点と動点のセットのことをエンベロープ、その中のパターンをキャリアと呼ぶことにする。
(弾性感のある)ロトレリーフの線形版を作るには、変位を一定にしてエンベロープだけを動かせばよいのではないか?
作ってみたら、新しい図地分離現象が発見された。下図では、幅の狭いコラム領域が左に動く背景の手前に見え、右に動いて見える。
これを「薄氷ドリフト錯視」と仮称することにする。
参考 変位をしつつエンベロープが移動する場合の薄氷ドリフト錯視
薄氷ドリフト錯視の例(京都市から見た比叡山)
(mp4)
KDEwave-hieizan-IMG_4109p2a-.gif
薄氷ドリフト錯視は、動いている時および特定の条件下において、高空間周波数の画像が低高空間周波数の画像より手前に見える奥行き分離知覚現象のようである。
cf.
(さらに脱線するが)
薄氷ドリフト錯視で作成した視覚的ファントム
cf. 視覚的ファントム
Moving phantoms <March 17, 2022, February 22, 2023, August 29, 2025>
Gyoba, J., Sakurai, K., & Kitaoka, A. (2019). Visual phantom illusion as an integrative product of early visual processing and higher-order perceptual organization. in James M. Brown (Ed.), Pioneer visual neuroscience: A Festschrift for Naomi Weisstein, New York: Routledge (pp. 57-71).
Kitaoka, A., Gyoba, J., & Sakurai, K. (2006). Chapter 13 The visual
phantom illusion: a perceptual product of surface completion depending
on brightness and contrast. Progress in Brain Research, 154 (Visual Perception Part 1), 247-262.
ということをやっている場合ではなく
薄氷ドリフト錯視の検討は後の楽しみに取っておくとして、ここでは
不動点自体を動かして(弾性感のある)ロトレリーフの線形版を作る。
6ページ目に続く
to be continued