顔の錯視 8
2010年12月19日より
「上下方向のウォラストン錯視・ヘプバーンとモンローの合成顔」
オードリー・ヘプバーン(一番左)の目と眉を取り出してマリリン・モンロー(一番右)の肖像の目と眉と入れ替えると、正面を見ていたヘプバーンの目だったのに、合成顔の人物は上を向いて見える(左から2番目)。マリリン・モンローの(一番右)の目と眉を取り出してオードリー・ヘプバーン(一番左)の目と眉と入れ替えると、下目づかいにこちらを見ていたモンローの目だったのに、合成顔の人物は下を向いて見える(右から2番目)。本図は、上田彩子著 「『恋顔』になりたい ~愛される顔にはルールがある~」 (2011年、講談社)の図4(p.22)である。
北岡明佳のコメント これなら上下方向のウォラストン錯視は確実にあると言えよう。
Produced by Sayako Ueda 2011
上田彩子 (2011) 「恋顔」になりたい ~愛される顔にはルールがある~ 講談社 ISBN978-4-06-217064-2
上田先生は顔ガクガク錯視論文の第一著者である。Ueda, S. なのは、「あやこ」でなくて「さやこ」さんだからです。
Ueda, S., Kitaoka, A., and Suga, T. (2011). Wobbling appearance of a face induced by doubled parts. Perception, 40, 751-756. new!
顔ガクガク錯視を入れてみても、上下方向のウォラストン錯視は変わらない。
Produced by Akiyoshi Kiaoka 2011 (August 31)
「向かって右を見ている顔」
ついでに目と口が動いて見える。
Copyright Akiyoshi Kitaoka 2011 (August 2)
「向かって左を見ている顔」
3つの正方形図形は「向かって右を見ている顔」と同じであるが、顔の向きが違って見える。
Copyright Akiyoshi Kitaoka 2011 (August 2)
「鏡像における視線方向の錯視」
(北岡は)上の顔はだいたいこちらを見ているように見えるが、左右方向の鏡像である下の顔では向かって左の方を見ているように見える。
Copyright Akiyoshi Kitaoka 2011 (April 2)
「鏡像における視線方向の錯視・半分版」
(北岡は)右の顔はこちらを見ているように見えるが、鏡像である左の顔では向かって左の方を見ているように見える。
Copyright Akiyoshi Kitaoka 2011 (April 2)
「さかさま顔における視線方向の錯視」
(北岡は)上の顔はこちらを見ているように見えるが、180度回転させた下の顔では向かって左の方を見ているように見える。
Copyright Akiyoshi Kitaoka 2011 (April 2)
「さかさま顔における視線方向の錯視 2」
(北岡は)上の顔はこちらを見ているように見えるが、上下鏡像の下の顔では向かって右の方を見ているように見える。
Copyright Akiyoshi Kitaoka 2011 (April 2)
「鏡像における視線方向の錯視・2要因の分析」
左上がオリジナル、右上は目だけ左右反転、左下は目はそのままでその他を左右反転、右下はすべて左右反転。(北岡は)左上と左下は正面を向いているように見え、右上と右下は向かって左を向いているように見える。すなわち、知覚される視線方向は目だけで決まる。
Copyright Akiyoshi Kitaoka 2011 (April 5)
「鏡像における視線方向の錯視・2要因の分析の倒立効果」
「鏡像における視線方向の錯視・2要因の分析」の図を180度回転させたもの。(北岡は)右上と左下が正面を向いて見え、左上は向かって右、右下は向かって左を見ているように見える。正立と倒立でまるで対称性がない。すなわち、知覚される視線方向は目だけで決まらない。
Copyright Akiyoshi Kitaoka 2011 (April 5)
Poser 7 Ben Casual
「さかさま顔の鼻短縮錯視」
上下の顔の大きさは同じであるが、さかさま顔の鼻が短く見える。
Copyright Akiyoshi Kitaoka 2011 (April 1)
Poser 6 Kate
Poser 6 James Casual
Copyright Akiyoshi Kitaoka 2011 (April 4)
Poser 7 Simon G2
「さかさま顔の平板化効果」
さかさま顔は平板に見える。顔の各部分は前額平行の一面に近づいて見える。ヤスミナ・ステヴァノフが指摘(2011年4月1日)。
Copyright Akiyoshi Kitaoka 2011 (April 1)
顔のうつむき具合はさかさま顔の方が小さく、顔も細長く見える*。
*2010年にフロリダで行なわれた第6回国際錯視コンテストにトップ10入りしたピーター・トンプソン先生の新型錯視「太っちょ顔がやせて見える錯視」(fat face thin illuision)と北岡による研究ページ
「ホロウフェース錯視のさかさま顔の平板化効果」
ホロウフェース錯視でもさかさま顔は相対的に平板に見える。ヤスミナ・ステヴァノフのアイデア(2011年4月1日)。
Copyright Akiyoshi Kitaoka 2011 (April 1)
Poser 7 Sidney G2
Poser 7 Simon G2
「さかさま顔の過大視・横顔」
上下の顔の大きさは同じであるが、下の方が大きく見える。
Copyright Akiyoshi Kitaoka 2011 (March 31)
Poser 7 Near_me
cf.
Poser 7 Simon G2
後姿のさかさま顔の過大視は、あるようなないような・・・ あっても弱そう。
Poser 7 Simon G2
Poser 7 Near_me
「さかさま顔の過大視・3Dモデル版」
上下の顔の大きさは同じであるが、下の方が大きく見える。
Copyright Akiyoshi Kitaoka 2011 (March 28)
Poser 7 Near_me
うつむきか上を向いているかは関係ないようだ。下のさかさま顔の方が大きく見える。
Poser 7 Ben Casual
Poser 8 Ryan Casual
Poser 8 Ryan Casual
Poser 8 Diego
Poser 6 Jessie
cf.
Poser 7 dog
犬の顔では錯視は弱い?
Poser 7 dog
Poser 7 frog
カエルもダメか。
「目の間隔短縮錯視」
目と目の間に髪の毛が垂れていると、その間隔が短く見える。
Modified by Akiyoshi Kitaoka 2011 (March 25)
<あちこちで言われていると思うが松田博子先生に指摘されたので作成>
※以下、関連していると思われる錯視
デルブーフ錯視・外円の過小視
左の二重になっている外側の円は右の円と同じ大きさであるが小さく見える。
カニッツァのアモーダル縮小
左の一部隠された正方形は右の正方形と同じ大きさであるが小さく見える。
内藤の重力レンズ錯視
平行四辺形の頂点の位置に置かれたドットは黒円に引っ張られて変位したような位置に見える。
Poser 7 Near_me
Poser 6 James Casual
Poser 7 Simon G2 Casual
「斜め顔の大きさ錯視」
(初めてPoser 7を使って作ったそのまんまバージョン)
2つの顔は同じ大きさであるが、右の顔が大きく見える。
Copyright Akiyoshi Kitaoka 2011 (March 26)
斜塔錯視と同じ現象と考える。<2011年4月1日追記>
Poser 7 crocodile
「斜め顔の大きさ錯視・ワニ」
2つの顔は同じ大きさであるが、左の顔が大きく見える。人間の顔の場合と逆のように思えるかもしれないが、ワニは横顔の大きさで判断されるようである(人間は正面部分を比較するようだ)。
Copyright Akiyoshi Kitaoka 2011 (March 26)
Poser 7 Near_me
「斜め顔の大きさ錯視・上下方向版」
2つの顔は同じ大きさであるが、下の顔が大きく見える。あるいは、上の方がうつむきの程度が大きく見える。
Copyright Akiyoshi Kitaoka 2011 (March 26)
斜塔錯視と同じ現象と考える。<2011年4月1日追記>
Poser 7 Near_me
「斜め顔の大きさ錯視・上下方向版 2」
2つの顔は同じ絵であるが、上の顔が大きく見える。あるいは下の顔の方が後方に頭を反らす程度が大きいように見える。
Copyright Akiyoshi Kitaoka 2011 (March 26)
「顔倒立効果による視線方向の錯視」
顔は正面を向いて目だけ下を向いた顔(右上)をさかさまにすると、視線がこちらを向いて見える(左下)。
Modified by Akiyoshi Kitaoka 2011 (February 15)
<千葉県の峯岸郁弥さんが提唱>
「絵だけでなく二枚の鏡を使って『自分の顔をあげたまま目だけを下に向けた状態』を逆さにした状態を合わせ鏡でつくりだし反射させて見ると実世界?実際の人間の顔でも起こる、鏡を使うとそれが実世界でも起こるということが僕の一番言いたいことなんです。」
←目の枠の中の黒目の位置は同じなのに、左の顔では上目がちに、右の顔では下目がちに見える。
北岡明佳 (2010) 「顔の錯視の探索的研究―視線方向の錯視いろいろ」 (学際的研究による顔認知メカニズムの解明・第2回領域班会議・沖縄県那覇市沖縄県市町村自治会館・2010年12月23日(金)~24日(金)・口頭発表は24日、ポスター発表は両日) 発表に使用したウェブページ
<2010年12月27日>
「モナリザガクガク錯視」
モナリザの顔ガクガク錯視。お顔が不安定に見える。
Modified by Akiyoshi Kitaoka 2010 (December 19)
言うまでもないが、モナリザはレオナルド・ダ・ヴィンチが描いた肖像画である。ルーブル美術館にある。