クラシックな幾何学的錯視の作品集11
2009年7月15日より
お便り紹介!
「四国山中の回廊錯視」のをぱっと見ると、人物の足がある位置に着地していると考えて見てしまうので右の人物はとんでもない大男に見えるが、左の人物と同じ距離から飛び上がったのではないか(実際にこの高さまで飛び上がれるかは別として)と考え直して見ると、同じ大きさのように見える。ポンゾ錯視というのは、そのシチュエーションをどのように仮定して見るかで生じたり生じなかったりするというのがおもしろい。 <N高校・M先生> <2009年11月12日>
「四国山中の回廊錯視」
2人の人物は同じ大きさであるが、右上の方が大きく見える。
Copyright Akiyoshi Kitaoka 2009 (April 30)
北岡のコメント まず、ポンゾ錯視と回廊錯視の違いがございます。ポンゾ錯視の錯視量の多いものが回廊錯視と考えるのが一般的なのかもしれませんが、私の見たところでは異なる錯視です。回廊錯視は奥行き知覚と関係があり、M先生のおっしゃる通り、知覚された奥行きが同じなら、同じ大きさに見えます。一方、ポンゾ錯視は、知覚される奥行きにかかわらず、収斂する頂点に近い側の線分が長く見えます。
「干草ロール」
3つの干草ロールは画像としては同じ大きさであるが、左から大・中・小に見える。
Copyright Akiyoshi .Kitaoka 2009 (August 24)
2009年8月21日撮影(北海道)
「ハム」
左のハムが大きく見えるが、左右同じ大きさに描かれている。
Copyright Akiyoshi .Kitaoka 2008 (July 16)
「上賀茂神社ポンゾ錯視」
2つの黒い線分は同じ長さであるが、上の方が長く見える。
Copyright Akiyoshi Kitaoka 2009 (August 22)
2006年11月29日撮影
ポンゾ錯視
2つの対象は同じ大きさであるが、頂点に近い側の対象が大きく見える。
「日心2009お琴ポンゾ錯視」
2つの人物は同じ大きさであるが、左の方が大きく見える。
Copyright Akiyoshi Kitaoka 2009 (August 11)
日本心理学会第73回大会内のポスター(下図)を作るために作成した図を流用
「日心2009ポンゾ錯視」
2つの人物は同じ大きさであるが、左の方が大きく見える。
Copyright Akiyoshi Kitaoka 2009 (August 9)
「スナップ写真右上がり錯視」
それぞれの「写真」は水平に並べてあるが、右上がりに見える。
Copyright Akiyoshi Kitaoka 2009 (July 27)
この作品は、私にメールをくれた方(I さんとしましょう)が、第三者が著作権を持っている画像を用いて示してくれた錯視です。そのままでは紹介できないので、デモ図を自作しました。I さんのお問い合わせとしましては、カフェウォール錯視の仲間ではないか、とのことでしたが、その通りと思います。図1が基本図形となります。私はカフェウォール錯視(図2)の仲間に入れるのですけど(図3にその説明原理)、そうでもない研究者もいるでしょうね。
図1 上下の正方系列は水平に並べてあるが、右上がりに見える。名前は特についていないような・・・
図2 カフェウォール錯視。水平に引かれた灰色の線分が右に傾いて見える。
図3 カフェウォール錯視の絵画的原理(Kitaoka et al., 2004)。正方形と線分のコントラスト極性の関係で決まると考える。
References
Kitaoka, A., Pinna, B., and Brelstaff, G. (2004). Contrast polarities determine the direction of Café Wall tilts. Perception, 33, 11-20. PDF
Kitaoka, A. (2006) Configurational coincidence among six phenomena: A comment on van Lier and Csathó (2006). Perception, 35, 799-806. PDF animations
Kitaoka, A. (2007) Tilt illusions after Oyama (1960): A review. Japanese Psychological Research, 49, 7-19. PDF
van Lier, R. and Csathó, Á. (2006) Dancing shapes: A comparison of luminance induced distortions. Perception, 35, 775-798.
「なんとなく落ちつかないおねえさん」
すべての四角形は長方形であるが、台形のように見える。
Copyright Akiyoshi Kitaoka 2009 (July 27)
「なんとなく落ちつかないおねえさん 2」
すべての四角形は長方形であるが、台形のように見える。
Copyright Akiyoshi Kitaoka 2009 (July 27)
「クモの巣錯視」
クモの巣の横糸はそれぞれまっすぐなのだが、内向きに曲がって見える。
Copyright Akiyoshi Kitaoka 2009 (July 24)
観覧車の骨組みでも見られます。
References
北岡明佳 (1997) 錯視図形のオーバービュー VISION, 9, 131-162. PDF (図23D)
「グレゴリーのテーブルの錯視」
左右の赤い平行四辺形は同じ形であるが、左の平行四辺形は左辺と右辺は上方に開いて見え、右の平行四辺形は左辺と右辺は下方に開いて見える。
Copyright Akiyoshi Kitaoka 2009 (July 15)
References
"a top-down distortion"
Gregory, R. L. (1998) Eye and Brain, the fifth edition Oxford University Press. (pp. 232)