クラシックな幾何学的錯視の作品集3
2005年10月5日より
「エイの詰め合わせ」
エイは正方形で描かれているが、形がゆがんで見える(ずれたグラデーションの錯視)*。そのほか、暗いエイの目は明るく見え、明るいエイの目は暗く見えるが、同じ輝度のグラデーションである。また、灰色の垂直・水平線が場所によって明るく見えたり暗く見えたりする明るさの錯視(ログヴィネンコ錯視?)も含まれている。
Copyright Akiyoshi Kitaoka 2006 (June 12)
*Kitaoka, A. (1998). Apparent contraction of edge angles. Perception, 27, 1209-1219.
「へび60兄弟」
蛇の口は水平に並んでいるのだが、上から反時計回り、時計回りと交互に反対方向に傾いて見える。ほとんどフレーザー錯視そのまんまである。左右に動いて見える錯視もある。
Copyright Akiyoshi Kitaoka 2006 (June 7)
「だんご30兄弟」
だんごの串は垂直に刺してあるのだが、左から時計回り、反時計回りと交互に反対方向に傾いて見える。ほとんどフレーザー錯視そのまんまである。
Copyright Akiyoshi Kitaoka 1999?
reproduced June 7, 2006
「科研交付傾き錯視」
科研交付科研交付科研交付、とMSゴシック体で書くと、水平に字を並べているのに右下がりに見える。付交研科付交研科付交研科、なら右上がりに見える。つまり、上から右下がり、右上がり、右下がり、右上がり、右下がりに見える。
Copyright Akiyoshi Kitaoka 2006 (April 25)
「科研」とは科学研究費補助金の略で、我々研究者がお世話になりたい研究費である。例年秋に申請し、4月に結果が判明する。採択率は20%程度である。競争率は5倍というわけで、狭き門である。
文字列が傾いて見える錯視については、
1. 文字列が傾いて見える錯視は2005年の初頭頃から、ネット上で盛んに話題となった。(「アロマ企画」が最初?)
2. この錯視の科学的研究は、東京大学大学院数理科学研究科の先生の論文(新井・新井, 2005a, 2005b)が最初である。
3. この錯視とポップル錯視の関係を指摘したのは立命館大学の大学院生の論文(小原, 2006)である。
といった感じに今のところ私は理解しています。事実と違っていたら、メール下さい。
蘆田宏先生からのコメント: 傾いて見えるだけでなく、動いても見えるが、花粉のせいかもしれない。 <2006年4月27日>
北岡のコメント: 私も動いて見えます。黄砂も関係しているかも・・・
錯視に花粉や黄砂が影響しているという証拠がありましたら、北岡までメール下さい。
「木星の自転」
円は水平に並べてあるが、最上列は右上がりに、次は右下がり、真ん中は右上がり、次は右下がり、一番下は右上がりに見える。
Copyright Akiyoshi Kitaoka 2006 (April 20)
ポップル錯視(phase-shift illusion)
Popple, A. V. and Levi, D. M. (2000) A new illusion demonstrates long-range
processing. Vision Research, 40, 2545-2549.
Popple, A. V.
and Sagi, D. (2000) A Fraser illusion without local cues? Vision
Research, 40, 873-878.
「関ヶ原の戦い」
すべて正方形でできているが、水平線は交互に傾いて見える。
Copyright Akiyoshi Kitaoka 2006 (February 24)
「紫色のカフェウォール」
4本の細い水平線分が上から右・左・右・左に傾いて見える。ついでに、1、3、5列目は左に、2、4列目は右に動いて見える。
cf. Kitaoka, A., Pinna, B., and Brelstaff, G. (2004). Contrast polarities
determine the direction of Cafe Wall tilts. Perception, 33, 11-20
Roncato, S. (2000) The effect of luminance variation on the apparent position
of an edge. Perception & Psychophysics, 62, 762-785
Copyright Akiyoshi Kitaoka 2006 (February 15)
水平線分を黒にすると、傾きが逆転する。動きには関係なし。
「立命館傾き錯視」
立命館立命館立命館、とMSゴシック体で書くと、水平に字を並べているのに右下がりに見える。館命立館命立館命立、なら右上がりに見える。つまり、上3行と下3行は右下がりに、真ん中3行は右上がりに見える。真ん中の3行に動く錯視もあるようだ。
Copyright Akiyoshi Kitaoka 2006 (January 11)
立命館大学衣笠キャンパス(京都市北区等持院北町)はかなり傾いている(衣笠山の山麓にあるので)。
「学士会館の錯視」
小さい楕円の長軸は水平なのだが、大きい楕円の方に変位して見える。
Produced by Akiyoshi Kitaoka 2005 (October 12)
動く錯視も感じるなあ・・・
「来年度の非常勤講師の依頼の錯視」
「の依頼」あたりが右上がりに見える。
Copyright Akiyoshi Kitaoka 2005 (October 5)
そういう季節だなあ・・・