静岡科学館る・く・る 9階イベントホール
2013年1月13日(日) 13:30~14:30

見えない、見えてしまう ~脳が感じるのふしぎ~

立命館大学文学部人文学科心理学専攻(心理学域) 北岡 明佳 email HP
立命館大学 文学部 心理学専攻

Since January 3, 2013  ハンドアウト



<色の錯視クイズ>


左のハートと物理的に同じ色は(1)(2)(3)のうちどれでしょう。


問1

解答



問2

解答



問3

解答



問4

解答



問5

解答



問6

解答



問7

解答



問8

解答



問9

解答



問10

解答


2012/8/17


ムンカー錯視を用いた作品「赤の渦巻き」↓

赤紫がかった赤い螺旋とオレンジ色がっかった赤い螺旋があるように見えるが、どちらも同じ赤である。

Copyright A.Kitaoka 2002


ムンカー錯視を用いた作品「緑の渦巻き」↓

黄緑の螺旋と青緑の螺旋があるように見えるが、どちらも同じ緑である。

Copyright A.Kitaoka 2002


ムンカー錯視を用いた作品「水色と黄緑の渦巻き」↓

水色の螺旋と黄緑の螺旋があるように見えるが、どちらも同じ色(r = 0, g = 255, b = 150)である。この色の錯視はモニエ・シェベル錯視に近いと思うが、彼らの理論には合わないのかもしれない。

Copyright A.Kitaoka 2003


ムンカー錯視(Munker illusion)

黄と青の縞の青部分に赤を乗せるとオレンジ色に見え、黄部分に赤を乗せると赤紫がかって見える。緑を乗せるとそれぞれ黄緑と青緑に見える。高空間周波数図形で錯視量が多い。

Munker, H. (1970) Farbige Gitter, Abbildung auf der Netzhaut und übertragungstheoretische Beschreibung der Farbwahrnehmung. München: Habilitationsschrift.

ムンカー錯視のページ




ホワイト効果(White's effect)・・・同じ輝度の灰色の縞模様なのだが、左半分は右半分よりも明るく見える。

White, M. (1979) A new effect on perceived lightness. Perception, 8, 413-416.

ホワイト効果を用いた作品「灰色の渦巻き」↓


「レモン色の渦巻きとクリーム色の渦巻き」

渦巻きにはレモン色のとクリーム色のと2種類あるように見えるが、どちらも同じ黄色(R255, G255, B0)である。

Copyright A.Kitaoka 2005 (May 22)


「青と黄の渦巻き・昼と夜」

左の青と黄の渦巻きは鮮やかに見えるが、右のはダルに(鮮やかさが少なく)見える。

Copyright Akiyoshi .Kitaoka 2007 (January 8)


「武田信玄」

薄い黄色と濃い青色の渦巻きがあるように見えるが、左半分は白(R=255, G=255, B=255)と黒(R=0, G=0, B=0)であるのに対し、右半分は黄(R=255, G=255, B=0)と青(R=0, G=0, B=255)である。

Copyright Akiyoshi .Kitaoka 2007 (March 12)

「風林火山」

「武田信玄」の白黒黄青と同じであるが、この図では違いがはっきりわかる。

Copyright Akiyoshi .Kitaoka 2007 (March 12)


「小家族」

左の鳩も右の鳩も同じ色なのだが、左の方は黄味がかって見える。

Copyright Akiyoshi .Kitaoka 2007 (March 12)


色の土牢錯視 (Chromatic dungeon illusion)

「犬」

赤い犬は2種類、緑の犬も2種類いるように見えるが、それぞれ同じ赤と緑である。色の土牢錯視である。
別バージョン  別バージョン2

Copyright Akiyoshi .Kitaoka 2007 (January 5)

土牢錯視(dungeon illusion)(Bressan, 2001)とは?

左の「牢屋」の灰色のダイヤモンド形は右のよりも明るく見えるが、物理的には同じ明るさである。

Bressan, P. (2001) Explaining lightness illusions. Perception, 30, 1031-1046.


色の土牢錯視とは?

左の「牢屋」のダイヤモンド形はオレンジ色に、右のは少し紫がかった赤に見えるが、物理的には同じ色である。

引用文献は調査中(ないかもしれない)

色の土牢錯視は雰囲気はムンカー錯視だが、普通に色の同化で説明することも可能だし、ゲシュタルト要因を考えて色の対比というのもあるのかもしれない。

次の犬年は11年後か・・・


「四色の犬」

上から1番目と3番目の列の犬は2種類、2番目と4番目の列の犬も2種類いるように見えるが、それぞれ同じ色である。色の土牢錯視である。

Copyright Akiyoshi .Kitaoka 2007 (January 5)


「バレンタインデー・錯視ギフトセット」

ピンクのハートとオレンジのハートは実際には同じ色である。

Copyright Akiyoshi .Kitaoka 2007 (January 12)

cf. Dungeon illusion: Bressan, P. (2001) Explaining lightness illusions. Perception, 30, 1031-1046.


「水色と黄緑色のハートの絨毯(部分)」

水色のハートと黄緑色のハートがあるように見えるが、どちらも同じ色である。

Copyright Akiyoshi .Kitaoka 2007 (January 10)

cf. Dungeon illusion: Bressan, P. (2001) Explaining lightness illusions. Perception, 30, 1031-1046.


「黄と白のハート」

黄色のハートと白のハートがあるように見えるが、物理的には同じ黄色である。*

*物理的には黄色、という表現は、厳密に言えば心理学的ではないなあ・・・

Copyright Akiyoshi .Kitaoka 2007 (January 10)

cf. Dungeon illusion: Bressan, P. (2001) Explaining lightness illusions. Perception, 30, 1031-1046.


White (1982) proposed another lightness illusion without T-junctions "White's dotted lightness illusion".

White, M. (1982) The assimilation-enhancing effect of a dotted surround upon a dotted test region. Perception, 11, 103-106.

The left gray grating appears to be lighter than the right one, though they are the same luminance.


White's dotted colour illusion is possible.



「ハートのハンカチ」

ピンクとオレンジのハートがあるように見えるが、どちらも同じ赤である。

Copyright Akiyoshi Kitaoka 2009 (July 7)


De Valois-De Valois illusion, achromatic version

De Valois, R. L. and De Valois, K. K. (1988) Spatial Vision. New York: Oxford University Press.

The left gray squares appear to be lighter than the right ones, though they are the same luminance.


De Valois-De Valois illusion, chromatic version

De Valois, R. L. and De Valois, K. K. (1988) Spatial Vision. New York: Oxford University Press.

The orange and magenta squares shown in the upper row are actually the same red, and the yellowish-green and cyan squares displayed in the lower row are the same green.



「4種類の色の錯視の作り方」

物理的に同じ色(R=255, G=0, B=127)のハートが錯視によってピンクとオレンジのハートに見える。左から、ムンカー錯視(Munker illusion)、色の土牢錯視(chromatic dungeon illusion)、ドット色錯視(dotted color illusion)、デヴァロイス・デヴァロイス錯視(De Valois-De Valois illusion)である。 上図の高解像度ファイルはこちら(8000 x 3262 pixel, 10MB)。

Copyright Akiyoshi Kitaoka 2009 (June 1)

References

Munker illusion Munker, H. (1970) Farbige Gitter, Abbildung auf der Netzhaut und übertragungstheoretische Beschreibung der Farbwahrnehmung. Habilitationsschrift, Ludwig-Maximilians-Universität, München.
chromatic dungeon illusion For the dungeon illusion: Bressan, P. (2001) Explaining lightness illusions. Perception, 30, 1031-1046.
Kitaoka (2007) http://www.psy.ritsumei.ac.jp/~akitaoka/saishin22e.html
dotted color illusion For the dotted brightness illusion: White, M. (1982) The assimilation-enhancing effect of a dotted surround upon a dotted test region. Perception, 11, 103-106.
Kitaoka (2008) http://www.psy.ritsumei.ac.jp/~akitaoka/color10e.html
De Valois-De Valois illusion De Valois, R. L. and De Valois, K. K. (1988) Spatial Vision. New York: Oxford University Press.


北岡明佳 (2012) 色の錯視いろいろ (4) 簡単で錯視量の多い色相の錯視図形の作り方 日本色彩学会誌, 36(1), 45-46. PDF(スキャンコピー) <配布資料>


Left: Blue (assimilation) + Blue (contrast of yellow) = Blue induction; Right: Yellow (assimilation) + Yellow (contrast of blue) = Yellow induction


Left: Green (assimilation) + Red (contrast of cyan) = Yellow induction; Right: Cyan (assimilation) + Magenta (contrast of Green) = Blue induction

OK?


Left: Green (assimilation) + Red (contrast of cyan) + Light Red = Light Orange; Right: Cyan (assimilation) + Magenta (contrast of Green) + Light Red = Light Magenta


「顔色がよくなる錯視 2」

顔色がよくなった。

Copyright Akiyoshi .Kitaoka 2009 (August 16)




<錯視的錬金術>


問: 下記のような色から金色を作る方法はあるか?








答: ある。




「青い金閣」

青フィルターがかかっていやな感じではあるが金閣は金色に見える。金色は黄色系統でなければならないという前提があるなら、この合成画像で金閣が金色に見えることは錯視であり、知覚される金色は物理的には青系統の色である。

Copyright Akiyoshi Kitaoka 2011 (July 14)





黄色系統でなくても金色に見える。


「立命館大学ののぼりの色の恒常性」

Copyright Akiyoshi Kitaoka 2012 (November 30)



「るくるロゴの色の恒常性」

Copyright Akiyoshi Kitaoka 2013 (January 10)


この種の色の恒常性の文献

北岡明佳 (2011) 色の錯視いろいろ (2)色の恒常性と2つの色フィルタ 日本色彩学会誌, 35(3), 234-236. PDF(スキャンコピー), PDF(高解像度スキャンコピー)

北岡明佳 (2011) 色の錯視いろいろ (1)「目の色の恒常性」という錯視の絵 日本色彩学会誌, 35(2), 118-119. PDF(スキャンコピー)


ターゲット6色、フィルター6色、総当たりで36通りの図


加法的フィルタ

北岡明佳 (2011) 色の錯視いろいろ (2)色の恒常性と2つの色フィルタ 日本色彩学会誌, 35(3), 234-236. <図2>


乗法的フィルタ

北岡明佳 (2011) 色の錯視いろいろ (2)色の恒常性と2つの色フィルタ 日本色彩学会誌, 35(3), 234-236. <図4>

北岡明佳 (2011) 色の錯視いろいろ (2)色の恒常性と2つの色フィルタ 日本色彩学会誌, 35(3), 234-236. PDF(スキャンコピー), PDF(高解像度スキャンコピー)


問: お月様と同じ物理的な色をしている円は下の3つのうちどれでしょう。


問: 下記のような色から、オレンジ色と赤紫色を同時に作る方法はあるか?










答: ある。



Produced Akiyoshi Kitaoka 2012 (September 16)








いろいろな組み合わせでできる。


Produced Akiyoshi Kitaoka 2012 (September 16)


Produced Akiyoshi Kitaoka 2012 (September 16)



「ムンカー錯視と色の恒常性の色材研究」

左の「色材」は赤が赤紫とオレンジに見え、「研究」は水色と黄緑色に見える。右の「色材」は灰色が赤紫とオレンジに見え、「研究」は青緑色が水色と黄緑色に見える。

Copyright Akiyoshi Kitaoka 2012 (September 16)


色の錯視の色の恒常性図形の作り方

Copyright Akiyoshi Kitaoka 2012 (December 7)



「色の恒常性による両眼闘争の抑制」

2つの図を両眼融合して見ると、左目はオレンジ色と緑色の間の両眼闘争を起こすが、右目は黄色に見えたままである。しかし、右目は左目と同じく、物理的にはオレンジ色と緑色なのである。

Copyright Akiyoshi Kitaoka 2009 (June 29)

色の恒常性は高次な知覚という先入観が私にはあったが、本図は低次処理の証拠となるかもしれない。




「色の恒常性による両眼闘争」

2つの図を両眼融合して見ると、右目はシアン色(水色)と赤色の間の両眼闘争を起こすことがあるが、左目は灰色に見えたままである。しかし、どちらの右目も左目と同じく、物理的には灰色なのである。

Copyright Akiyoshi Kitaoka 2009 (June 29)


両眼の情報が統合される前に色の恒常性が成立していないと両眼闘争はしないよね・・・その論理でいいのか??



<図地分離による色の錯視>


「黄と赤のるくる」「緑と青のるくる」「明るいるくると暗いるくる」

左右のるくるは同じパターンなのに、左図は上から黄・緑・明るく見え、右図は上から赤・青・暗く見える。

Copyright Akiyoshi Kitaoka 2013 (January 10)

Anderson, B. L. and Winawer, J. (2005) Image segmentation and lightness perception. Nature, 434, 79-83.

Wollschläger, D. and Anderson, B.L. (2009) The role of layered scene representations in color appearance. Current Biology, 19, 430-435.

北岡明佳 (2012) 色の錯視いろいろ (6) 「図地分離による錯視」 日本色彩学会誌, 36(3), 237-238.



「黄色の九州と青色の九州」

九州部分はどちらも同じパターンなのに、左は黄色い九州に見え、右は青い九州に見える。

Copyright Akiyoshi Kitaoka 2012 (November 23)


「『九州の錯視』の作り方」


"Australia seen from space and dust storm over Australia"

The two Australia shapes are physically the same color and texture, but the left Australia appears to be reddish while the right one appears to be bluish with red dust storm blanketing it. This effect depends on the chromatic version of Anderson's illusion.

Copyright Akiyoshi .Kitaoka 2009 (September 25)











「満月と夕日」

円内は左右で同じパターンであるが、左は満月に見え、右は夕日に見える。

Copyright Akiyoshi Kitaoka 2007 (August 21)


「サーチライト」

黄色のサーチライトが当たっているように見える。各縦列の円の中の色グラデーションは同じであるが、上2つは黄色の円に見え、下2つは青の円に見える。

Copyright Akiyoshi Kitaoka 2005 (December 7)


問: ABCDのうちで2は同じパターンである。どれとどれ?








A と D、B と C が同じ感じに見えるが、物理的には C と D が同じである。

Copyright Akiyoshi .Kitaoka 2005 (August 12)



<色による動きの錯視>


「不動明王 2012」

ディスクが時計回りに回転して見える。

Copyright Akiyoshi Kitaoka 2012 (December 3)


赤と紫特有の「最適化型」フレーザー・ウィルコックス錯視・タイプ V
Optimized Fraser-Wilcox illusion, Type V


「赤い円盤の回転」

赤い円盤が回転して見える。

Copyright Akiyoshi Kitaoka 2008 (December 18)

最適化型フレーザー・ウイルコックス錯視群

最適化型フレーザー・ウィルコックス錯視・タイプV

参考 フレーザー・ウイルコックス錯視

北岡明佳 (2012) 赤いフレーザー・ウィルコックス錯視を用いたデザイン 日本色彩学会誌, 36, Supplement, 188-189. 発表に使用したウェブページ (2012年5月26日(土) 9:00-15:50 (作品展示)・11:05-11:20 (ショートプレゼン)・15:10-15:50 (カラーデザイン発表) 赤いフレーザー・ウィルコックス錯視を用いたデザイン 京都大学吉田南キャンパス 抄録原稿・カラー版(PDF) 日本色彩学会第43回全国大会[京都]'12 プログラム

Kitaoka, A. (2012) The Fraser-Wilcox illusion and its extension. Perception 41 ECVP Abstract Supplement, page 91 (Poster September 3, 2012). Poster PDF



「蛇の回転」

2012年リメーク版

ディスクが回転して見える。

Copyright Akiyoshi Kitaoka 2003, 2012 (April 14)



「なんだか赤い蛇の回転2011」

ディスクが回転して見える。

Copyright Akiyoshi Kitaoka 2011 (September 30)



<動きによる色の錯視>

 

ベンハムのコマ

白黒の円盤の弧の部分に色が付いて見える。

produced Akiyoshi Kitaoka 2012 (December 28)

von Campenhausen C, Schramme J, 1995, "100 years of Benham's top in colour science" Perception 24(6) 695 – 717


「二つの環」

内側のリングは縮小して見え、外側のリングは拡大して見える(最適化型フレーザー・ウィルコックス錯視)。中心を見ながら図に目を近づけたり遠ざけたりすると、リングがお互いに反対方向に回転して見える(回転オオウチ錯視)。また、中心を見ながら図に目を近づけると内側のリングが赤味を増し、目を遠ざけると外側のリングが赤味を増す。1つの図で3つも錯視が楽しめるおトクな錯視デザイン。

Copyright A.Kitaoka 2005 (April 1)


色が変わる錯視を説明する仮説・・・処理速度説↓

刺激イメージが網膜上で動いた場合、長波長の刺激の視覚処理が早く、短波長の刺激の視覚処理が遅いと考えると説明できる。図では矢印の先の赤が増加して見え、後方に残る青は黄色と打ち消しあって無彩色に近くなる。



「明るさ変調リング」

中央を見ながら図に目を近づけると、上と下の扇は連動して明るく、やや黄色っぽく見え、右と左の扇は連動して暗く、やや青みがかって見える。図から遠ざかる時は、その逆に、上と下の扇は連動して暗く、やや青みがかって見え、右と左の扇は連動して明るく、やや黄色っぽく見える。

Copyright Akiyoshi Kitaoka 2012 (November 19)


フレーザー・ウィルコックス錯視図形風刺激による主観色のフィリング・イン(中村効果)

中央を見ながら目を図に近づけると上半分が下半分よりも暗く見え、遠ざかる時は下半分が上半分よりも暗く見える。

produced Akiyoshi Kitaoka 2012 (September 26)


<メガネによる色の錯視>

このように、顔を右に向けて、流し目でめがねの端を通して下図を観察すると、

凹レンズをかけている人は、上半分は「金色」に、下半分は「銀色」に見える。凸レンズをかけている人は逆に、上半分は「銀色」に、下半分は「金色」に見える。

produced Akiyoshi Kitaoka 2012 (December 23)


顔を左に向けての観察なら、その反対となる。


「金箔と銀箔」

近眼で眼鏡をかけている人は、顔を右に向けて目は左でこの図を見ると、上から1、4、5、8、9列目が金色に、残りが銀色に見える。顔を左に向けた場合はその反対。遠視あるいは老視の眼鏡をかけている人は多分逆。そのほか、列が動いて見える錯視と、正方形なのに明るい側が大きく見える錯視がある。

Copyright Akiyoshi .Kitaoka 2005 (October 9)


「色収差錯視チェッカーボード」

近眼で眼鏡をかけている人は、顔を右に向けて目は左でこの図を見ると、上半分のそれぞれの正方形の左側は鮮やかな水色、右側は黄色(あるいはオレンジ色)に見える。この時、下半分の正方形の両側は緑色に見える。顔を左に向けた場合はその反対。遠視あるいは老視の眼鏡をかけている人は多分逆。

Copyright Akiyoshi .Kitaoka 2005 (October 9)



<色の残像>

色の残像

一方の十字をしばらく(10秒以上)眺めて、もう一方の十字に目を移すと、色の陰性残像(反対色)が見える。


「赤いハートとピンクのハート」

左の図形をしばらく見つめ、右の空白に目を移すと、その赤いハートとピンクのハートが見える。左のハートは水色と黄緑に見えるが、実際には同じ色(R=0, G=255, B=151)なので、同じ色が違う色の残像を生じさせるわけである。

Copyright Akiyoshi Kitaoka 2008 (June 5)



「ピンクのハートとオレンジのハート」

左上と右下のハートは黄色く見え、右上と左下のハートは青白く見えるが、どちらも背景と同じ白である。このハートの陰性残像は、それぞれピンクのハートとオレンジのハートである。左の十字を目を動かさず10秒以上眺め、右の十字に目を移すと、短時間見える。「陰性残像」(negative afterimage)とは反対色に見える残像という意味なので、将来、用語を変更する必要が出てくるかもしれない。

Copyright Akiyoshi Kitaoka 2008 (May 25)


「赤い玉と黄色い玉」

左の十字を10秒以上見つめ、右の十字に目を移すと、その上下に色の付いた円が見える。上は水色の背景の上に赤色の円が9つ、下は青の背景の上に黄色の円が9つ見える。左側の順応刺激の9つずつの円は灰色(30%ブラック、あるいは、R=178, G=178, B=178)であるから、無彩色の残像として有彩色が見えたことになる。

Copyright Akiyoshi Kitaoka 2008 (May 22)


「武田信玄の顔色変化」

この動画は、2枚の静止画から成っている。1枚目(下図「風林火山」)は6秒間提示され、2枚目(下図「武田信玄」)は1秒だけ提示される。どちらの画像も、左側は白と黒の渦巻きで、右側は黄と青の渦巻きである。どこか同じ場所を見つめながら眺めていると、6秒間提示される1枚目は「正しく」見えるが、1秒間だけ提示される2枚目は、左側は黄と青の渦巻きで、右側は白と黒の渦巻きに見える。この錯視は、「錯視残効」 というものに違いない(そんなカテゴリーは今までなかったと思うが)。

Copyright Akiyoshi Kitaoka 2007 (November 27)


下図は6秒間提示

「風林火山」

渦巻きの色は、下図「武田信玄」の白黒黄青と同じであるが、この図では違いがはっきりわかる。

Copyright Akiyoshi .Kitaoka 2007 (March 12)


↓↑


下図は1秒間提示

「武田信玄」

薄い黄色と濃い青色の渦巻きがあるように見えるが、左半分は白(R=255, G=255, B=255)と黒(R=0, G=0, B=0)であるのに対し、右半分は黄(R=255, G=255, B=0)と青(R=0, G=0, B=255)である。

Copyright Akiyoshi .Kitaoka 2007 (March 12)



<色の補完>

ネオン色拡散

色の十字の周りがパッチ状に同色に色づいて見える。

Varin, D. (1971) Fenomeni di contrasto e diffusione cromatica nell'organizzazione spaziale del campo percettivo. Rivista di Psicologia, 65, 101-128.

Van Tuijl, H. F. J. M. (1975). A new visual illusion: Neonlike color spreading and complementary color induction between subjective contours. Acta Psychologica, 39, 441-445.

Redies, C. and Spillmann, L. (1981). The neon color effect in the Ehrenstein illusion. Perception, 10, 667-681.


「ネオン色拡散による針差し格子錯視」1)

一様な白い背景上を縦横に水色の線が走って見える。「クモの巣の糸」(Spinnwebfäden)2)あるいは「色の筋」(colored street)3)と呼ばれたものと同じと考えられる。

Copyright Akiyoshi Kitaoka 2001

1) 北岡明佳 (2001) 錯視のデザイン学(7):工学的にはとらえきれない幻の光知覚 日経サイエンス, 31(8), 66-68.

2) Prandtl, A. (1927). Über gleichsinnege Induktion und die Lichtverteilung in gitterartigen Mustern. Zeitschrift für Sinnesphysiologie, 58, 263-307.

3) Redies, C., Spillmann, L. and Kunz, K. (1984). Colored neon flanks and line gap enhancement. Vision Research, 24, 1301-1309.


「色光線錯視」1)

一様な白い背景上を赤色の線が斜めに走って見える。

Copyright Akiyoshi Kitaoka 2001

1) 北岡明佳 (2001) 錯視のデザイン学(7):工学的にはとらえきれない幻の光知覚 日経サイエンス, 31(8), 66-68.


「色光線錯視2」1)

一様な白い背景上を黄色の線が斜めに走って見える。

Copyright Akiyoshi Kitaoka 2001

1) 北岡明佳 (2001) 錯視のデザイン学(7):工学的にはとらえきれない幻の光知覚 日経サイエンス, 31(8), 66-68.


「色光線錯視3」1)

一様な白い背景上を緑色の線が斜めに走って見える。

Copyright Akiyoshi Kitaoka 2001

1) 北岡明佳 (2001) 錯視のデザイン学(7):工学的にはとらえきれない幻の光知覚 日経サイエンス, 31(8), 66-68.


水彩錯視

水彩効果(watercolor effect)あるいは水彩錯視(watercolor illusion):

Pinna, B., Brelstaff, G., and Spillmann, L. (2001) Surface color from boundaries: a new ‘watercolor’ illusion. Vision Research, 41, 2669-2676.



下図は水彩錯視いろいろ


宗宮の波線色錯視


"Wave-line color illusion" (Sohmiya's illusion)
(Sohmiya, S. (2007) A wave-line colour illusion. Perception, 36, 1396-1398)

The white background behind the orange waves appears to be tinted orange.

produced by Akiyoshi Kitaoka 2009 (February 19)


「黄ばみ錯視」

格子の中央部分が黄ばんで見える。しかし、これらの図には黄色は使っていないし、輝度条件から考えるとネオン色拡散が起こる位置が逆である。

Copyright Akiyoshi Kitaoka 2007 (September 18)

cf.

Van Tuijl, H. F. J. M. (1975). A new visual illusion: Neonlike color spreading and complementary color induction between subjective contours. Acta Psychologica, 39, 441-445.

Sohmiya, S. (2005) Explanation for neon color effect in achromatic line segments on chromatic inducers based on the multiple interprertation hypothesis. Perceptual and Motor Skills, 101, 267-282.


以下、類似図形。



<色収差による色の錯視>

色立体視(進出色・後退色) (chromostereopsis)

赤が青より手前に見える人が過半数を占めるが、青が赤よりも手前に見える人も20%程度いる。


「青い穴」

青い穴が開いているように見える。離れて見ると効果的。孔の周囲のドットが赤紫に見えるが、その外側の赤と同じ色である。

Copyright Akitaoka Kitaoka 2007 (March 9)


「カマボコ」

赤い部分がカマボコ形の頂点に見える、という見え方をする人が多いと推定される。

Copyright A.Kitaoka 2003


その他、色収差による色ずれの作品「額がガクガク」↓

青い線の正方形が赤と緑の境界のところでずれているように見える。作者にはそう見えるが、理論的にはそう見えない人もいると思われる。そのほか、ヘルマン格子錯視や色の同化が見られる。

Copyright A.Kitaoka 2003 (June 16, 2003)


お薦め本

北岡明佳著 錯視入門 朝倉書店 (2010年7月)  new! 

もっと情報


ご清聴ありがとうございました。


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