2006/12/9 より


  仮現運動  


仮現運動(ベータ運動)

円が左右に行ったり来たりして見える。

ブランクなし条件

「仮現運動」は心理学の専門用語で、「かげんうんどう」と読む。"apparent movement"の日本語の訳である。直訳すると「みかけの運動」である。


仮現運動

円が左右に行ったり来たりして見える。

ブランク 500ms


仮現運動

円が左右に行ったり来たりして見える。

ブランク 300ms


仮現運動

円が左右に行ったり来たりして見える。

ブランク 200ms


仮現運動

円が左右に行ったり来たりして見える。

ブランク 100ms


コルテの法則などのベータ運動の表現

黒丸は50ms、SOAは150ms(ISIは100ms)


黒丸は50ms、SOAは350ms(ISIは300ms)


黒丸は50ms、SOAは550ms(ISIは500ms)



GIF(インターネットの一番簡単なアニメーションファイル)で同時時相(ISIが30ms より短い場合)の表示は難しい。


The eye appears to shift laterally.


目が行ったり来たりする仮現運動が減少する。

Decrease in apparent movement

Copyright Akiyoshi Kitaoka 2006 (March 21)


「仮現運動・その3 分身の術」

女の子が分身の術を使っているように見える。

Copyright Akiyoshi .Kitaoka 2006 (July 20)

ところで戻る方は何と呼ぶのだろう。


「仮現運動・その1」

女の子が弧を描くような軌道に沿って往復運動して見える。上と右、下と左の組み合わせの場合と、上と左、下と右の組み合わせのどちらにでも見える。画像は500msずつ交替に提示している。

Copyright Akiyoshi .Kitaoka 2006 (July 20)

画像を200msずつ交替に提示した場合は、回転運動も知覚される。



1フレーム 500ms


1フレーム 200ms

「仮現運動・その3」

1回あたりの回転角が小さくなると(この動画では22.5º)、回転が優位になり、往復運動は見えにくくなる(北岡は500msの方は往復運動優位である)。回転は自動的に反転して見えるとともに、好きな方向に転換させることもできる。

Copyright Akiyoshi .Kitaoka 2006 (July 26)


  オバケあるいは効果線  


Apparent movement with speed lines (motion lines) おばけは 100ms

Copyright Akiyoshi .Kitaoka 2006 (March 2)


「高速どんぐるりん」

どんぐりの輪が高速に回転して見える。

Copyright Akiyoshi .Kitaoka 2006 (February 16)

普通の「どんぐるりん」↓

+



「蛇のフィギュアスケート」

円盤が高速で回転しているように見える。

Copyright Akiyoshi .Kitaoka 2006 (February 22)


おばけなし ブランクは100ms


おばけ 200ms


おばけ 300ms


「瞬間移動2」

瞬間的に移動したように見える。

Copyright Akiyoshi .Kitaoka 2007 ( February 16)

これは岡部望氏(アニメーター)のいうところの「本当のオバケ」のテクニック


  線運動錯視  


ドットは200ms、線は2000ms、ブランクは2000ms


Copyright Akiyoshi .Kitaoka 2006 (July 4)


「猫ヒゲ」

猫ヒゲが生えたり、吸い込まれたりするように見える。線運動錯視(line motion illusion)の例である。

Copyright Akiyoshi .Kitaoka 2006 (March 2)

Hikosaka O, Miyauchi S, Shimojo S, 1993a ``Focal vision attention produces illusory temporal order and motion sensation'' Vision Research 33 1219- 1240

Hikosaka O, Miyauchi S, Shimojo S, 1993b ``Voluntary and stimulus-induced attention detected as motion sensation'' Perception 22 517-526


「べ」

舌が出たり、引っ込んだりするように見える。実際の画像は、舌ありと舌なしの2枚だけであるが。

Copyright Akiyoshi .Kitaoka 2007 (animation February 16)

これはKanizsaの「偏向ガンマ運動」というものに相当するようだ。


「黒目誘導性まつげ線運動錯視」

まつげが上瞼からのびるように見える。

Copyright Akiyoshi Kitaoka 2008 (June 16)


コントロール刺激です。黒目が出なくても、まつげは上瞼から伸びるように見えるような気が・・・






「まつげ誘導性黒目すとんと落下錯視」

黒目が落ちるように現われる。これも線運動錯視?

Copyright Akiyoshi Kitaoka 2008 (June 16)


コントロール刺激です。まつげが出なくても、黒目は落ちてくるように見えるような気も・・・




 K学院大学の蒲C先生、ご注文の品はこんな感じだったでしょうか。





オマケ

「おめめぱっちり錯視」

線運動錯視だけでなく、representational momentum みたいな効果付き?

Copyright Akiyoshi Kitaoka 2008 (June 17)


  運動残効  


「青い目の女の子の運動残効2」

この動画では「目」が時計回りに2秒間回転、2秒間静止を繰り返している。静止している時、目は時計回りに回転して見える。両目の中間に視線を置いている時は目の内側が回転して見え、さらに周辺視で見ると目は全部回転して見える。

Copyright Akiyoshi Kitaoka 2006 (March 1)


「ムンクの叫び発見される」

YAHOO JAPAN ニュース

この動画の真ん中をしばらく見て、別のところに目を移すと、視野がぐにゃぐにゃに見える。

Copyright Akiyoshi Kitaoka 2006 (September 29)


「視野の波打ち」

この動画の真ん中をしばらく見て、別のところに目を移すと、視野が波打って見える。この動画は下記の図形を回転させたものであるから、下記の図形を印刷して切り取って、真ん中に棒を通して回しても同じ効果が得られる。 下記の図形の高解像度ファイルはこちら(PDF, 1.5MB)

Copyright Akiyoshi Kitaoka 2006 (September 25)



Motion aftereffect

A stationary image appears to expand after keep gazing at contracting stripes.


  アルファ運動  


たぶん、こんな感じである。


  ガンマ運動  

たぶん、こんな感じである。


  フラッシュラグ効果  


flashlag01.swf


  リバーストファイ  


リバーストファイ運動 (reversed phi movement)

Flash(swf) --- QuickTime(mov)


   


運動視を司る領域と考えられる MT+ 野 (この図ではMT/V5)

from: Logothetis, N.K. (1999). Vision: a window on consciousness. Scientific American (November), 281, 44-51.


  静止画が動いて見える錯視  


「赤紫のコメの波」

図が波打って動いて見える。

Copyright Akiyoshi .Kitaoka 2006 (November 1)


「ひだの付いた金網の回転」

ひだの付いた金網が垂直軸を軸に回転しているように見える。上から1、3、5、7、9番の水平線が手前に見える時は、金網は観察者に対して右側方向に面しているように見え、次第に観察者に向かって面を回転してくるように見える。逆に、上から2、4、6、8番の水平線が手前に見える時は、金網は観察者に対して左側方向に面しているように見え、次第に観察者に向かって面を回転してくるように見える。

Copyright Akiyoshi .Kitaoka 2006 (June 22)

この錯視デザインの構成
(1)謎の(新型の?)動く錯視
(2)遠近反転図形
(3)運動方向反転図形

有名な反転図形

反転図形の決定版は、シルエット錯視(Kayahara, 2003)


「蛇の回転」

蛇の円盤が勝手に回転して見える。

Copyright A.Kitaoka 2003 (September 2, 2003)

蛇の回転のページ
蛇の回転・錯視量増強版
 蛇の回転・フリッカーによる錯視量増強版
蛇の回転・いろいろ

基本錯視を説明した論文(最適化型フレーザー・ウィルコックス錯視)(PDF)

フロリダのVSS(アメリカの視覚学会)に行く(2005年)。

放送大学での面接講義(2005年)


「蛇の回転」には見えない人が少数いる。

VSSでの調査

放送大学面接授業での調査


最適化型フレーザーウィルコックス錯視の分類


最適化型フレーザー・ウィルコックス錯視 Type I


「タイムトンネルショー」

リングが回転して見える。

Copyright Akiyoshi Kitaoka 2006 (February 24)


最適化型フレーザー・ウィルコックス錯視 Type IIa


「虫君」

虫が左右に動いて見える。

Copyright Akiyoshi .Kitaoka 2006 (May 25)


中心ドリフト錯視


「サクラの回転」

(リメーク版)

サクラの花びらのリングが回転して見える。外側は反時計回り、内側は時計回りである。

Copyright Akiyoshi Kitaoka 2005 (1/26)


 

立命館大学
(金閣まで徒歩10分、竜安寺まで徒歩3分、等持院まで徒歩1分)


静止画が動いて見える錯視の分類(ウェブページ)

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