日本知能情報ファジィ学会・脳と知覚研究部会 第10回 研究講演会
平成20年度 第1回 関西支部例会
関西大学千里山キャンパス 先端科学技術推進機構 2F 会議室
2008年7月24日(木)
ファジィ知覚と錯視
2008/7/18より
Q. 錯視は「ファジィ知覚」か?
A. 錯視は「ファジィ知覚」ではない。
「ファジィ知覚」らしいのは、反転図形 や不可能図形である。
北岡明佳 (2008) ファジィ知覚と錯視 知能と情報(日本知能情報ファジィ学会誌), 20, 288-295. new!
Thanks to Yamashita-sensei
「ファジィ」そのものが知覚や認知の曖昧さのことなので、「ファジィ知覚」という表現では「曖昧な知覚知覚」という感じだったか?
ファジィ知覚の例
Copyright Akiyoshi Kitaoka 2008 (July 19)
どこまでが額か?
錯視のファジィ特性を論じるなら、「錯視がファジィ的かどうか」ではなくて、まずは「錯視の範囲はどこまでか」ということを検討した方が、よりふさわしかったかもしれない。
錯視本「トリック・アイズ メカニズム」、まもなく発売! <2008年7月18日>
「視覚は(トリック的だから)すべて錯覚だ」、と言えないことはない。
錯視の範囲はどこまでか?
以下、具体的に検討する。
1. 幾何学的錯視は錯視か?
幾何学的錯視(形の錯視)のカタログ(配布物)
「水路」
平行な水路が交互に傾いて見える(上から左・右・左・右)。水も左右に動いて見える。
Copyright A.Kitaoka 2005 (February 15)
縁飾りエッジの錯視(illusion of fringed edges)
Kitaoka, A. (2007) Tilt illusions after Oyama (1960): A review. Japanese Psychological Research, 49, 7-19. PDF
「箱入り娘 3」
左の人は右の人よりもスマートに見えるが、両者はまったく同じ形で同じ大きさの絵である。この錯視は、左の人が描かれている平行四辺形と右の人が描かれている平行四辺形は同じ形で同じ大きさであるという錯視(シェパード錯視)に同化した(キャプチャされた)ものと考えられる。
Copyright Akiyoshi Kitaoka 2008 (April 23)
シェパード錯視(Shepard illusion or table-top illusion):
Shepard, R. N. (1990) Mind sights: original visual illusions, ambiguities, and other anomalies, with a commentary on the play of mind in perception and art. New York: Freeman. (R.N.シェパード著、鈴木光太郎・芳賀康朗訳 (1993) 視覚のトリック:だまし絵が語る「見る」しくみ 東京:新曜社)
文字列が傾いて見える錯視いろいろ
「クッション」
すべて長方形か正方形でできているが、丸みや立体感が感じられる。
Copyright A.Kitaoka 1998
Kitaoka, A. (1998). Apparent contraction of edge angles. Perception, 27, 1209-1219. Scanned PDF request to me
Kitaoka, A., Pinna, B., and Brelstaff, G. (2004). Contrast polarities determine the direction of Café Wall tilts. Perception, 33, 11-20. PDF request to me.
カフェウォール錯視系統の錯視の現象的法則
基本原理
(A) 黒い角の先に黒い線あるいはドットがあると、角を過小視する側に傾いて見える。(B)白い角の先に白い線あるいはドットがあると、角を過小視する側に傾いて見える。(C)黒い角の先に白い線あるいはドットがあると、角を過大視する側に傾いて見える。(D)白い角の先に黒い線あるいはドットがあると、角を過大視する側に傾いて見える。Kitaoka, Pinna and Brelstaff (2004)による。
「タイガース螺旋」
黒い太線は同心円であるが、右に回って中心に向かう渦巻きのように見える。
Copyright
Akiyoshi Kitaoka 2003
redrawn on July 14,
2006
「渦巻きワープ」
同心円が左に回転して中心に向かう渦巻きに見える。
Copyright Akiyoshi Kitaoka 2007 (June 29)
交差角45度のツェルナー錯視
The spiral illusion of the Zöllner illusion:
Kitaoka, A., Pinna, B., and Brelstaff, G. (2001). New variations of spiral illusions. Perception, 30, 637-646.
「赤いホース」
赤い同心円が右に回転して中心に向かう渦巻きに見える。
Copyright Akiyoshi Kitaoka 2007 (June 26)
The spiral illusion of the Fraser illusion (Fraser spiral):
Fraser, J. (1908) A new visual illusion of direction. British Journal of Psychology, 2, 307-320.
The Fraser illusion of this type:
Skillen, J., Whitaker, D., Popple, A., and McGraw, P. V. (2002) The importance of spatial scale in determining illusions of orientation. Vision Research, 42, 2447-2455.
「渦巻きの詰め合わせ」
同心円のリングが渦巻きに見える。ついでに回転して見える。
Copyright Akiyoshi .Kitaoka 2006 (June 13)
幾何学的錯視に入れることができるが、錯視と呼ばれないものもある。
空間周波数対比
左右の内側の縞模様の空間周波数は同じであるが、右の方が空間周波数が低く見える。
理屈が先に付くと、錯視と呼ばれない?
効果が強くないと、錯視と呼ばれない?
結論1: 幾何学的錯視は錯視らしい。
2. ステレオグラムは錯視か?
ノニウス付きステレオグラム
平行法なら、おねえさんはタヌキより奥。円盤はタヌキより少し手前。
交差法なら、おねえさんはタヌキより奥。円盤はタヌキより少し手前。
平行法なら、おねえさんはタヌキより手前。この場合、円盤はおねえさんの体が透明になったように見え、タヌキより少し奥に見える。
Copyright Akiyoshi Kitaoka 2008 (June 19)
「フリーフューズ練習図形」
両眼融合して見ると、上の顔は奥に、下の顔は手前に見える。
Copyright Akiyoshi.Kitaoka 2006 (June 30)
「栗」
交差法で見ると手前の栗は背景より手前に見え、平行法では四角い穴があって奥にあるように見える。
Copyright Akiyoshi.Kitaoka 2006 (August 16)
仕掛け丸見えのオートステレオグラムであるなあ・・・
「賀茂茄子」
平行法で見ると賀茂茄子は葉っぱよりも手前に見え、交差法では奥に見える。
Copyright Akiyoshi.Kitaoka 2006 (August 16)
このあたりまでは、ステレオグラムを錯視と言う人は少ない。
「下鴨神社の鳥居」
平行法ではディスクが3枚重なって手前に浮かんで見え、交差法では丸い窓が重なって3つ開いているように見える。
Copyright Akiyoshi.Kitaoka 2006 (August 22)
帽子屋さんのStereoPictを使用
絵柄と視差の付け方の関係性が低下すると、ステレオグラムを錯視と言う人が増えてくる。
「カルデラ火山あるいは笠」
平行法で見ると大きい穴が開いていて、その向こうには空間があって、円錐形のものがこちらに突き出しているように見える。交差法では、笠を裏から見たようにみえる。
Copyright Akiyoshi.Kitaoka 2006 (August 19)
なつかしい感じのランダムドットオートステレオグラム
単眼視では意味のあるものが見えない場合(ランダムドットステレオグラムなど)も、ステレオグラムを錯視と言う人が増えてくる。
単眼視でも意味のある図(物体や風景の絵)がステレオ視でもそのまま見え、しかも奥行き差(視差)の付け方の形状が単純である場合、ステレオグラムは錯視扱いされにくい。
もっとも、ステレオグラムも両眼立体視の知識が十分でない人には錯視と感じられる可能性がある。理屈がわからないと、「目がだまされた」と感じて、錯視感が高まるらしい。
「両眼立体視の説明用の図」
図のような奥行きの位置に物体Aと物体Bがあると、右目に映るAB間の距離は、左目のそれよりも長くなる(両眼視差)。この情報を手がかりにして計算されて作られた知覚が、両眼立体視である。
Copyright Akiyoshi.Kitaoka 2006 (June 30)
ステレオグラムはエンターテインメント性がなぜか高い。現象をエンターテインメント的なものとして受け手が感じると、錯視扱いされやすいようである。「目がだまされた」という印象はなぜかエンターテインメント性が高い。
「錯覚」とは、認識する主体とは独立に実在する「本当の対象」とは異なる知覚のことなので、「本当の対象」をどう認識するかで、何でも錯覚にできる。たとえば、「ステレオグラムは平面に描かれた絵に過ぎないのに立体物が見えるのだから錯覚だ」、と。
「立命館湖」
立命館大学衣笠キャンパスが水没したように見える。
Copyright A.Kitaoka 2004 (August 14)
ここが水没するようでは京都市街全域水没で~す。もちろん大阪も、神戸も。
実際の風景↓
「『実際の風景』と言っても本物ではないから錯視図だ」、と頑張ることもできる。
北岡の解決法・・・見ることに役に立たない(ように思える)知覚を錯視と呼び、両眼立体視のような機能的な視覚トリックは錯視と呼ばないことにする。これは機能性による分類である。
結論2: ステレオグラムは概して錯視らしくない。
3. 運動視の現象は錯視か?
オオウチ錯視(蘆田最適化版)
内側の領域が動いて見える。
References
Ouchi, H. (1977) Japanese optical and geometrical art.
Mineola, NY: Dover.
Spillmann, L., Heitger, F. and Schuller, S. (1986)
Apparent displacement and phase unlocking in checkerboard patterns. Paper
presented at the 9th European Conference on Visual Perception, Bad
Nauheim
Ashida, H. (2002) Spatial frequency tuning of the Ouchi illusion and its
dependence on stimulus size. Vision Research, 42, 1413-1420.
「踊るハート達」
ハートが動いて見える。めがねをかけている人は、めがねを動かすとよく見えるかもしれない。離れたところから見ると、明るくなった時のハートは白のランダムドットより手前に見え、暗くなった時のハートは奥に見える人が過半数と予想される。
Copyright Akiyoshi Kitaoka 2006 (December 20)
文献
Kitaoka, A. and Ashida, H. (2007) A variant of the anomalous motion illusion based upon contrast and visual latency. Perception, 36, 1019-1035.
Kitaoka, A, Kuriki, I. and Ashida, H. (2006) The center-of-gravity model of chromostereopsis. Ritsumeikan Journal of Human Sciences, 11, 59-64. PDF
モノクロでOK
配布物
「踊るハート達」 (MS-Word ファイル)
「蛇の回転」
蛇の円盤が勝手に回転して見える。
Copyright A.Kitaoka 2003 (September 2, 2003)
(配布物)
「赤い蛇の回転の詰め合わせ」
リングがゆっくり、あるいは急速に回転して見える。
Copyright Akiyoshi Kitaoka 2008 (March 19)
「ジグザグ虫」
上から一番目と三番目のブロックは右に、二番目と四番目は左に動いて見える。
Copyright Akiyoshi Kitaoka 2007 (April 16)
(北岡による勝手な)
最適化型フレーザーウィルコックス錯視の最新の分類
「マクドナルド」
黄色のバーが左右に動いて見える。
Copyright Akiyoshi Kitaoka 2005 (November 3)
「顔ガクガク錯視いろいろ」
顔がガクガクして見える。
Copyright Akiyoshi Kitaoka 2008 (May 10)
「静止画が動いて見える錯視」は、錯視とみなされやすい。それでは、動画では?
仮現運動
円が左右に行ったり来たりして見える。
おばけ(motion line, speed line)
Apparent movement with speed lines (motion lines) おばけは 100ms
Copyright Akiyoshi .Kitaoka 2006 (March 2)
⇔⇔
「高速どんぐるりん」
どんぐりの輪が高速に回転して見える。
Copyright Akiyoshi .Kitaoka 2006 (February 16)
普通の「どんぐるりん」↓
+
「おばけのおばけ」
おばけが高速に移動して見える。
Copyright Akiyoshi .Kitaoka 2008 (July 21)
おばけなしのおばけ・・・この方がよりおばけの動きという感じ。
さらにおばけの動きらしくした動画
線運動錯視(line motion illusion)
ドットは200ms、線は2000ms、ブランクは2000ms
References
Hikosaka, O., Miyauchi, S., & Shimojo, S. (1993a). Focal visual attention
produces illusory temporal order and motion sensation. Vision Research,
33, 1219-1240.
Hikosaka, O., Miyauchi, S. & Shimojo, S. (1993b). Voluntary and stimulus-induced
attention detected as motion sensation.. Perception, 22, 517-526.
床屋のポールの錯視(barberpole illusion)
「錯視」という言葉のついた現象は、錯視とみなされる確率が高まるようだ。
運動残効(motion aftereffect)
A stationary image appears to expand after keep gazing at contracting stripes.
滝の錯視(waterfall illusion)とも呼ばれる。
The Motion Aftereffect Home Page
Reverse phi あるいは Phenomenal phenomena
「軟質磁石」
青色の棒も黄色の棒も長方形であるが、歪んで見える。
Copyright Akiyoshi Kitaoka 2005 (June 18)
Anstis S M, 1970 “Phi movement as a subtraction process” Vision Research 10 1411-1430
Gregory R L, Heard P F, 1983 “Visual dissociations of movement, position, and stereo depth. Some phenomenal phenomena” Quarterly Journal of Experimental Psychology 35A 217-237
Visual Jitter
「金閣ジター錯視」
金閣のどこかを固定して眺めていると、静止画になった時に金閣が動いて見える。この現象は、ジター錯視(visual jitter)(Murakami and Cavanagh, 1998, 2001)と呼ばれている。
Copyright Akiyoshi .Kitaoka 2008 (July 21)
References
Murakami, I. & Cavanagh, P. (1998). A jitter after-effect reveals motion-based stabilization of vision. Nature, 395, 798-801.
Murakami, I. & Cavanagh, P. (2001). Visual jitter: evidence for visual-motion-based compensation of retinal slip due to small eye movements. Vision Research, 41, 173-186.
下の動画でも観察することができる。
結論3: 運動視には錯視らしいものとそうでないものがある。
4. 色の錯視は錯視か?
「レモン色の渦巻きとクリーム色の渦巻き」
渦巻きにはレモン色のとクリーム色のと2種類あるように見えるが、どちらも同じ黄色(R255, G255, B0)である。
Copyright A.Kitaoka 2005 (May 22)
「水色と黄緑の渦巻き」
水色の螺旋と黄緑の螺旋があるように見えるが、どちらも同じ色(r = 0, g = 255, b = 150)である。この色の錯視はモニエ・シェベル錯視に近いと思うが、彼らの理論には合わないのかもしれない。
Copyright A.Kitaoka 2003
「シアンの渦巻き」
きれいな水色の螺旋と明るい青緑色の螺旋があるように見えるが、どちらも同じシアン(R = 0, G = 255, B = 255)である。
Copyright Akiyoshi .Kitaoka 2008 (July 21)
「小家族」
左の鳩も右の鳩も同じ色なのだが、左の方は黄味がかって見える。
Copyright Akiyoshi .Kitaoka 2007 (March 12)
「ムンカー錯視」
上の列にはオレンジ色と赤紫色の赤があるように見えるが、同じ色である。下の列は黄緑と青緑の2色があるように見えるが同じ色である。ホワイト効果の色相版である。
「四色の犬」
上から1番目と3番目の列の犬は2種類、2番目と4番目の列の犬も2種類いるように見えるが、それぞれ同じ色である。色の土牢錯視である。
Copyright Akiyoshi .Kitaoka 2007 (January 5)
土牢錯視(dungeon illusion)(Bressan, 2001)とは?
左の「牢屋」の灰色のダイヤモンド形は右のよりも明るく見えるが、物理的には同じ明るさである。
Bressan, P. (2001) Explaining lightness illusions. Perception, 30, 1031-1046.
色の土牢錯視とは?
左の「牢屋」のダイヤモンド形はオレンジ色に、右のは少し紫がかった赤に見えるが、物理的には同じ色である。
引用文献は調査中(ないかもしれない)
色の土牢錯視は雰囲気はムンカー錯視だが、普通に色の同化で説明することも可能だし、ゲシュタルト要因を考えて色の対比というのもあるのかもしれない。
次の犬年は11年後か・・・
色の対比
ある領域が別の色の領域で囲まれると、そこに囲んだ色の反対色が誘導される現象。灰色領域が青で囲まれると黄が誘導され(左図)、同じ灰色領域が黄で囲まれると青が誘導される(右図)。
「入学式」
灰色で描いたサクラの花びらに、色が付いて見える。
Copyright Akiyoshi .Kitaoka 2007 (March 2)
図にカーソルを載せると、花びらは灰色であることがわかる。
結論4: 色の錯視は効果が強ければ錯視らしい。
5. だまし絵は錯視か?
(1) だまし絵 (トロンプルイユ Trompe l'oeil)
(2) うかし絵 (陰影による立体感と空間知覚 Shape and space perception from shading and shadowing) → 「トリックアート」によく使われている。
「隠されたジャストローの台形錯視」
上の図の台形が下の図の台形よりも大きく見える(ジャストローの台形錯視)がこれにすぐには気づかないのは、影が物体の空間位置の知覚に及ぼす効果のデモンストレーション(影の位置が違うだけなのだが上図では球が浮いて見える)に注意が取られてしまうためであろう。
Copyright Akiyoshi Kitaoka 2006 (June 29)
(3) むりな絵 (不可能図形 impossible figure)
「芯なし不可能トイレットペーパー」
よくある不可能図形である。
Copyright Akiyoshi Kitaoka 2007 (March 9)
「心的回転実験用不可能図形」
2004/5/8
ペンローズの三角形(Penrose's triangle)
(4) かえし絵 (反転図形 reversible or ambiguous figure)
「クマとトンネル」
クマとトンネルのどちらかが見える。2つの絵は同一であるが、クマが見える時、2頭のクマはこちら向きにはどこかで交わる方向に輻輳しているように見え、トンネルが見える時、2つのトンネルは離反する方向に向かっているように見える。なお、クマは頭がこちらを向いているとも、尻尾の側がこちらを向いているとも解釈できる。
Copyright Akiyoshi Kitaoka 2008 (July 15)
フィッシュガール(三輪みわ)
シルエット錯視(茅原伸幸)
「マリリンシュタイン」(Marylin Monroe-Einstein hybrid image)(Aude Oliva)
(5) さかさ絵 (Upside-down figure)
「おねえさんと怪人」
和洋を問わず昔から人気のある顔の逆さ絵である。
Copyright Akiyoshi Kitaoka 2007 (April 7)
この図は動画です。しばらくお待ち下さい。
(6) かくし絵 (Hidden figure)
「十字隠し電球」
右の図に左の図のような十字形が隠れているが、気づくのに時間がかかる。「よい連続の要因」というゲシュタルト心理学の法則を用いた隠し絵。
Copyright
Akiyoshi Kitaoka 2007 (April 25)
「クイズ式隠し絵」
この種のクイズは結合探索課題タイプの隠し絵です。
Copyright Akiyoshi Kitaoka 2007 (April 29)
変化の見落とし(change
blindness)
「変わったのはどこ?」
2枚の画像が切り替わるたびに、1箇所だけ変化する。
Copyright Akiyoshi .Kitaoka 2006 (May 24)
ステレオフューズすれば一発でわかる(該当部分が視野闘争する)。
それでもわからない人向けの動画
北岡の主張・・・だまし絵は見ることに役に立つ知覚機能を使っているから錯視ではない。
結論5: だまし絵を錯視と思っている人は多い。エンターテインメント性が高いからか?
まとめ
「錯視」はその範囲がファジィである。より「錯視らしい」ものは、
(1)わかりやすくて親しみやすい現象
(2)「錯視」という名前が付いているもの
(3)印刷できる刺激
(4)メカニズムがよくわからない現象
(5)エンターテインメント性の高いもの
(6)視覚の役に立ちそうもない知覚
など(順不同)である。
ファジィな皆様、ご清聴ありがとうございました。
北岡の顔
(見るほどのものではない)
京都の風景
(観光の参考に)
立命館の風景
(受験するなら立命館)
--------------------------------------------------------------------- 日本知能情報ファジィ学会 脳と知覚研究部会 第10回 研究講演会 平成20年度 第1回 関西支部例会 開催案内 日本知能情報ファジィ学会「脳と知覚研究部会(BP研究部会)」では,この 度,次のような研究講演会を開催することとなりました. 当研究会の講演会では,研究発表はもちろんのこと,会議報告,論文紹介, 実験紹介なども積極的に行い,課題議論や調査研究,アイディア提言の紹介 などにも研究会の主軸を置いています.したがいまして,研究勉強会の色彩 が濃い研究会となっています. どうぞ,皆様方の積極的なご参加をお待ち申し上げております. ■主 催:日本知能情報ファジィ学会 脳と知覚研究部会(BP研究部会) ■共 催:日本知能情報ファジィ学会 関西支部 ■開催日:2008年7月24日(木) 14:00 ~ 18:00 ■会 場:関西大学 千里山キャンパス 先端科学技術推進機構 2F 会議室 http://www.kansai-u.ac.jp/Guide-j/mapsenri.html ■交 通:阪急電鉄千里線「関大前」駅下車,徒歩約5分 http://www.kansai-u.ac.jp/Guide-j/access.html ■参加費:無料 ■講 演:講演1:14:15~15:30 「fMRI順応を用いたヒト運動視関連領野の研究」 蘆田 宏(京都大学) fMRIは非侵襲的に脳内活動の様子を知ることができる有用な手法で あるが,空間解像度はせいぜい数mmであり,特定領野内に重なるよ うに存在する異なる神経メカニズムを分離するのが困難である. fMRI順応法はその解決法の一つで,BOLD信号の選択的順応を用いて 機能の分化を推測できる.ここでは、演者を含むRoyal Holloway (UK)のグループが行ってきたfMRI順応を用いた運動視に関連する研 究について紹介したい. 講演2:16:00~17:15 「ファジィ知覚と錯視」 北岡 明佳(立命館大学) 「ファジィ知覚」というものを考えると,真っ先に思いつくのが 「錯視」である.錯視とは,実在する対象の真の性質とは異なる視 知覚のことである.その「誤った知覚」というイメージがファジィ 特性を想像させるのであるが,実は錯視はファジィ知覚と呼ぶには ふさわしくない.なぜなら,錯視は,それが間違いだと知らされて も,その知覚が訂正不可能だからである.つまり,対象と知覚が安 定して対応しているので,錯視はファジィ知覚ではないのである. 実は、ファジィ知覚と呼ぶのにふさわしい現象は,不可能図形と反 転図形というだまし絵の仲間である. ■見学会:関西大学 学術フロンティア・センター設備見学:17:30~18:00 (学術フロンティア・センター2階,計算機システム工学研究室) ■懇親会:18:30 ~ (関大前駅近辺) ■問合先:脳と知覚研究部会 代表幹事 関西大学 総合情報学部 林 勲 〒569-1095 大阪府高槻市霊仙寺町 2-1-1 tel: 072-690-2448