皆様からの錯視デザイン2
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2004年(平成16年)11月24日開設
Copyright Herman Verwaal 2005
オランダ・エクスルーのヘルマンより, 2005/10/27
北岡明佳のコメント: 上のはフレーザー錯視で、下のは動く錯視ですね。たぶん。
「光の帯」
全体の形は正方形であるが、ゆがんで平行四辺形のように見える。また、しばらく図を見てから周辺の白地に眼をやると、残像のような光の帯が見えます。
Copyright Keizo Shimizu 2005
神戸市の清水啓三さんより, 2005/9/28
北岡明佳のコメント: むむむっ、私には説明できない。新型の幾何学的錯視か? ツェルナー錯視なら交差角45度でこんな錯視量はないでしょう。動く錯視もありますねえ。なお、残像のような、という説明のところは、残像です。
北岡明佳のコメント(2005/9/29): 清水さんから、「周囲の正方形の枠がないと駄目なようです」との便りが来ました。なあんだ、カフェウォール錯視の基本原理で説明できそうです。
「蛙の卵」*
*永田錯視
卵の外側の円は水平に配列されているが、中の小さい円の方に引っ張られる方向に位置がシフトして見える。
Copyright Toru NAGATA 2005
東京都の永田徹さんより, 2005/9/5
北岡明佳のコメント: すばらしい。これは新型錯視ではないでしょうか。 似ている錯視がある? それはジョバネッリ錯視ですね。こちらは外側の方がシフトして見えます。動く錯視も入っているような・・・。とにかく、新しい上に、デザインも秀逸です。初登場にして錯視デザインの免許皆伝です。彼は他にも自力でフレーザー錯視や縞誘導などを発見していました。
「毛細血管」
何となく動いて見える。
Copyright Keizo Shimizu 2005
神戸市の清水啓三さんより, 2005/6/14
北岡明佳のコメント: この作品にはこういう意味が込められているのだ、と毅然と主張すれば、正真正銘のオプアートとなると思います。なお、錯視デザインはサイエンスのデモンストレーションですから、ああかなこうかなと迷いの世界です。
「傾いたチェッカーボード」
小正方形はすべて垂直線と水平線で区切られているが、右側に傾いて見える。
Copyright Keizo Shimizu 2005
神戸市の清水啓三さんより, 2005/6/13
北岡明佳のコメント: よく傾いて見えます。ついでに、何か動く錯視とぴかぴかする錯視と消える錯視も混入していますね。
北岡明佳のコメント2: 清水様からは、私が執筆した「錯視の科学ハンドブック」で紹介しているギラム錯視の説明が反対ではないかとご指摘を受けました。ギラム錯視は下図の錯視です。左右の線分は一直線上にありますが、右の方が上に見える、というのがギラム先生の説明です。清水様は左の方が上に見えるとおっしゃる。実は私もそう見えます。ただ、「錯視の科学ハンドブック」で私が執筆した「2.1 幾何学的錯視」はこれまで知られている幾何学的錯視のレビューなので、ギラム先生の説明の通りに書きました。この図形は錯視の遠近法説を強く支持するものとされていますので、右の線分は左のよりも上になければならなりません。この錯視の場合は、理論通りに見える錯視とそれとは反対方向に見える錯視があって、力がつりあっているのでしょう。なお、錯視の遠近法説はたいてい否定されるのですが、いくら叩かれても忘れたころに新たな論文が出てきてイタチごっこです。なお、清水様の見え方は私の2000年の論文にはたいへん好都合・・・
Gillam, B. (1971) A depth processing theory of the Poggendorff illusion. Perception & Psychophysics, 10, 211-216.
北岡明佳 (2005) 幾何学的錯視 後藤倬男・田中平八(編)「錯視の科学ハンドブック」 東京大学出版会, pp.56-77 (§2.1) (巻頭の口絵8ページ分も含む)
Kitaoka, A. and Ishihara, M. (2000). Three elemental illusions determine the Zöllner illusion. Perception & Psychophysics, 62, 569-575. (別刷り在庫あり)
「ブロック・ガフター効果」
45度傾けた正方形はすべて同じグラデーションであるが、組み合わせ方で暗いものと明るいものが現れる。
Google社(アメリカ)のエンジニアの Josh Bloch さんと Neal Gafter さんより, 2005/6/7
In: Joshua Bloch and Neal Gafter (印刷中) Java Puzzlers: Traps, Pitfalls, and Corner Cases. Upper Saddle River, NJ: Addison Wesley.
ISBN 032133678X (2005年6月29日発売予定) アマゾン書店
北岡明佳のコメント: ジョシュとニールはこれをクレイク・オブライエン・コーンスウィート効果をちょっと変えたもの、と言うので、それは違うぞ、と。それは透明視じゃー、と言いたい、というか相手はシロウトさんなので言い負かしたというか・・・
「トリックアイズ傾き錯視」
トリックアイズトリックアイズトリックアイズトリックアイズ と書くと左に傾いて見える。
Copyright Rie Tamura 2005
トリックアイズの出版社カンゼンの田村理恵さんより, 2005/6/1
北岡明佳のコメント: おおっ、本当だ。すばらしい。いろいろ検討の結果、フォントは HGPゴシックE が最適のようでした。普通のMSゴシックでもOKです。
「台所のスポンジ」
ピカピカして見える。
Copyright Koichiro Suzuki 2005
川崎市の鈴木幸一郎さんより, 2005/5/18
北岡明佳のコメント: バーゲン錯視かな。なお図形はプラッド(plaid)で特に新しいデザインではないので、著作権はこの画像限定です。
「リングリング」
背景と左側のリングは拡大、右側のリングは縮小して見える。
Copyright Michiyo Fukada 2005
富士ゼロックスの深田美千代さんより, 2005/3/1
北岡明佳のコメント: 社会人学生として通っている多摩美術大学のデザイン科の課題で、「動く錯視」を取り上げてみたそうです。
「澄川の三角形」
左右の三角形は同じ大きさの二等辺三角形であるが、左の方が正三角形に近く見える。
立命館大学文学部心理学科・澄川愛子さんより, 2004/12/17
この図は作品ではなく基本図形と考えます。(澄川)
北岡明佳のコメント: ミュラー・リヤー錯視の外向図形だと言ってしまえばそれまでだが、なんとも言えない味わいがある。
「ぴかぴか格子」
格子上の色つきの円から、斜めに延びる同色の線が見える。
Copyright
Keizo Shimizu 2004
神戸の清水さんより, 2004/12/2
北岡明佳のコメント: 色光線錯視の仲間かな?
「揺れるまなざし」
動いて見える。
Copyright ENDO Shinichi 2004
埼玉県富士見市の遠藤さんより。 2004/11/29
北岡明佳のコメント: 基本はPinna and Spillmann (2002)* の錯視ということになるかな・・・
*Pinna B, Spillmann L. (2002) A new illusion of floating motion in depth. Perception, 31, 1501-1502.
「田端の傾き錯視」
文章の塊全体が少し時計回りに傾いて見える。
Copyright TABATA Takuya 2004
京都大学勤務の田端拓哉さん(立命館大学卒)より。 2004/11/24
北岡明佳のコメント: なんとなく動く錯視も入っているような・・・