ワークショップ「錯覚ワークショップ ― 横断的錯覚科学は成立するか」
明治大学先端数理科学インスティテュート・プロジェクト研究「錯覚の数理モデリングとその応用」主催
明治大学駿河台キャンパス紫紺館3階会議室
2009年9月10日(木)発表

オーバービュー

立命館大学文学部心理学専攻 北 岡  明 佳

2009年9月2日より  ポスター 北岡の抄録


錯視・錯覚とは何か? Q1


不可能図形とは何か? Q2

ペンローズの三角形


ペンローズの三角形の基本構造


「芯なし不可能トイレットペーパー」

よくある不可能図形である。

Copyright Akiyoshi Kitaoka 2007 (March 9)


「最少の無限階段」

無限階段の簡略版。

Copyright Akiyoshi Kitaoka 2009 (March 11)



最少の無限階段の基本構造


「無限無限階段」

上がり続けるか、下り続けるかの階段に見える。

Copyright Akiyoshi Kitaoka 2009 (March 13)

不可能図形2 1


以上は、奥行き不可能図形



「不可能円柱」

図と地が一貫しない不可能図形である。

Copyright Akiyoshi Kitaoka 2009 (August 12)


これは、図地不可能図形


顔の錯視とは何か? Q3




「顔色がよくなる錯視」

顔色がよくなった。

Copyright Akiyoshi .Kitaoka 2009 (August 16)


これは色の同化、あるいはムンカー錯視



「和風の妻と義母」

向こうを向いた若い女性と、こちらを見ている年齢の高い女性という見え方が反転する。「妻と義母」の和風改変版である。

Copyright Akiyoshi Kitaoka 2009 (August 13)

これは反転図形


ホロウマスク錯視

Hollow mask illusion

Gregory, R. L. (1970) The Intelligent Eye. London: Weidenfeld and Nicolson. (グレゴリー著・金子隆芳訳 インテリジェント・アイ みすず書房 1972年刊)

Schröder, H. (1858) Ueber eine optische Inversion bei Betrachtung verkehrter, durch optische Vorrichtung entworfener physischer Bilder. Annalen der Physik und Chemie, 181, 298-311.




ホロウマスクのデモを作るためにインターネット販売(日本装飾造花)で手に入れたお面達





お面を裏返すだけでホロウマスク錯視

蛇足ながら、ホロウマスクと言っても「怖いマスク」ではない。ホロウ(hollow)は窪んだという意味であり、ぞっとするような恐怖という意味であるホラー(horror)とは関係がない。



「ヤンキーねえさんのサッチャー錯視」

右の顔はそんなに変に見えないが、正立させると相当しょぼくれた顔をしている(下図左)。

Copyright Akiyoshi Kitaoka 2009 (August 6)




→ サッチャー錯視の日本語レビューはこちら PDF

北岡明佳 (2008) サッチャー錯視 子安増生・二宮克美(編)「キーワードコレクション 心理学フロンティア」 新曜社(2008年6月刊行), pp. 6-9


「ヤンキーねえさんの顔ガクガク錯視」

目と口のあたりがガクガクして見える。

Copyright Akiyoshi Kitaoka 2009 (July 31)


「顔ガクガク錯視いろいろ」

顔がガクガクして見える。

Copyright Akiyoshi Kitaoka 2008 (May 10)

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「顔ガクガク錯視」については、double vision と呼んでいる充実したサイトがあるという報告がありました(Sさん、ありがとう)。double vision あるいは diplopia は日本語では複視と訳され、ものが二重に見える病気のことです。

しかし、顔ガクガク錯視は病気ではないので、複視ではありません。複視ではなく、複視的錯視(illusion of double vision)とか呼ぶのなら、OKと思います。複視的錯視は、オオウチ錯視や蛇の回転などと同様の静止画が動いて見える錯視の一種です。

いずれにしましても、だれが最初にこの現象を発見したのかを知りたいので、さらに情報を求めます。よろしくお願い致します。 <2008年1月12日>



「鼻ガクガク錯視」

鼻を左右に2つ描くと、左右にガクガクして見える。

Copyright Akiyoshi Kitaoka 2009 (August 24)

顔ガクガク錯視の仲間の新しい仲間ということで。

cf. illusion of double vision

This study was supported by a Grant-in-Aid for Scientific Research on Innovative Areas, "Face perception and recognition", by the Ministry of Education, Science, Sports and Culture, Japan. (本研究は、文部科学省新学術領域研究「学際的研究による顔認知メカニズムの解明」による援助を得た。)



「普通の目のガクガク錯視」

鼻と口を左右に2つ描くと、鼻と口が左右にガクガクして見えるだけでなく、ついでに目までガクガクして見える。

Copyright Akiyoshi Kitaoka 2009 (August 25)


「視方向ガクガク錯視」

どこを見ているのだかガクガクするように見える。

Copyright Akiyoshi .Kitaoka 2009 (August 29)


「目の大きさ錯視」

左右の図の両目は物理的には同じに描かれているが、左の図では自然な感じだが、右の図では不自然に右目が小さく左目が大きく見える。

Copyright Akiyoshi Kitaoka 2009 (August 17)



「目と口は顔の下方にあると大きく見える錯視」

目と口は、顔の下方に描くと大きく見える。

Copyright Akiyoshi Kitaoka 2009 (August 16)


それってポンゾ錯視?



「目の位置にあるものは口の位置にあるものよりも大きく見える錯視」

口のところに描かれている黒丸は目の黒丸と同じ大きさであるが、相対的に小さく見える。

Copyright Akiyoshi Kitaoka 2009 (August 16)


「さかさま顔の過大視」

上下の顔の大きさは同じであるが、下の方が大きく見える。

Copyright Akiyoshi .Kitaoka 2007 (February 16)

cf. 上視野の過大視、サッチャー錯視

さかさま顔の過大視の研究のページ
(2007年6月9日)



「斜め顔の大きさ錯視 2」

2つの顔は同じ大きさであるが、右の顔が大きく見える。

Copyright Akiyoshi Kitaoka 2009 (August 6)


「顔ジャストロー錯視 2」

同じ大きさの顔であるが、下の方が大きく見える。

Copyright Akiyoshi Kitaoka 2009 (August 6)


ここから、視線の方向の錯視


「ヤンキーねえさんのウォラストン錯視」

目は左右の顔で同じなのであるが、左の顔の目はこちらを見ているように見え、右の顔は向かって左の方向を見ているように見える。向かって左の目(右目ということ)の方が向かって右の目(左目)より大きく描いてあるが、左の顔ではあまり気にならないが、右の顔ではよくわかる。

Copyright Akiyoshi Kitaoka 2009 (July 31)

Wollaston, W. H. (1824) On the apparent direction of eye in a portrait. Philosophical Transactions of the Royal Society of London, B114, 247-256. 


「上下方向のウォラストン錯視 4」

左の顔の目はこちらを見ているように見えるが、右の顔の目はやや上の方向を見ているように見える。しかし、絵としては、両者とも同じ目である。

Copyright Akiyoshi Kitaoka 2009 (August 16)


「充血錯視のイラスト版」

輝度に誘導された視線方向のずれ効果(luminance-induced gaze shift)あるいは充血錯視(bloodshot illusion)(Ando, 2002)。白目の部分を暗くすると、暗くした方向に視線がずれて見える。3つの図は白目の赤い部分を除いて同一であるが、左の図は向かって左方向を、中央の図は正面を、右の図は向かって右方向を人物が見ているように見える。

Copyright Akiyoshi Kitaoka 2009 (August 16)

Ando, S. (2002). Luminance-induced shift in the apparent direction of gaze. Perception, 31, 657-674.


「反充血錯視」

輝度に誘導された視線方向のずれ効果(luminance-induced gaze shift)あるいは充血錯視(bloodshot illusion)(Ando, 2002)の反対錯視。ネガにして、白目の部分を明るくすると、明るくした方向とは反対方向に視線がずれて見える。ま、充血錯視ということですね。

Copyright Akiyoshi Kitaoka 2009 (August 6)

cf. Bogart illusion (Sinha, 2000)

Sinha, P. (2000). Here's looking at you, kid. (The perception of gaze direction) Perception, 29, 1005-1008.



「ボガート錯視のデモ」

左のおにいさんはおにいさんにとって右の方を見ているが、画像を反転してできた右のおにいさんは我々の方を見ているように見える。

Copyright Akiyoshi Kitaoka 2009 (August 15)

Bogart illusion (Sinha, 2000)

Sinha, P. (2000). Here's looking at you, kid. (The perception of gaze direction) Perception, 29, 1005-1008.


「瞳孔の位置による視線方向の錯視」

3つの図は、黒目における瞳孔の位置を除いて同一であるが、左の図は向かって左方向を、中央の図は正面を、右の図は向かって右方向を人物が見ているように見える傾向がある。瞳孔の方向に、みかけの視線方向が寄る現象である。

Copyright Akiyoshi Kitaoka 2009 (August 16)


よく考えるとあたりまえ、でも錯視



「どっちを見ているのかわからない人」

この画像を近くで見ると、人物にとって右側を見ているように見えるが、遠くから見たり、メガネをかけている人はメガネをはずして見ると、左側を見ているように見える。

Copyright Akiyoshi Kitaoka 2009 (August 17)


少しひねるとさらに錯視らしい


恒常性とは何か? Q4


「青い金閣」

金閣の金箔部分は物理的には青みがかった灰色なのであるが、金色に見える。

Copyright Akiyoshi Kitaoka 2009 (May 1)




元の写真


「目の色の恒常性」の簡易プリント

Copyright Akiyoshi .Kitaoka 2009 (July 26)

<配布プリント>


キルシュマンの法則(色の対比の法則)
(1)誘導領域(取り囲む領域)と比較してテスト領域(ターゲット領域)が小さければ小さいほど、色の対比は大きい。

(2)色の対比は2つの領域が離れていても起こる。しかし、離れれば離れるほど対比の効果は減少する。

(3)色の対比の量は誘導領域の面積によって異なる。

(4)色の対比は、明るさの対比がないか少ないところで最大となる。 (第3法則と呼ばれる)

(5)明るさが同じならば、色の対比は誘導する色の飽和度(彩度)に影響される。


Graham, C. H. and Brown, J. L. (1965) Color contrast and color appearance: Brightness constancy and color constancy. In C. H. Graham (Ed.), Vision and visual perception, New York: John Wiley & Sons (pp 452-478). (In this paper, the third and fourth laws are exchanged)

Kirschmann, A. (1891) Über die quantitativen Verhältnisse des stimultanen Helligkeits- und Farben-Contrastes. Phil. Stud., 6, 417-491.

Yund, E. W. and Armington, J. C. (1975) Color and brightness contrast effects as a function of spatial variables. Vision Research, 15, 917-929.


 以下は筆者がドイツ語の原文の要約部分(Kirschmann, 1891, p. 491)から直訳したものである。

(1) 純粋な同時的明るさ対比の強度と、おそらくは純粋な色の対比の強度も、静止した目における明確で大きい知覚の境界の内側において、誘導する網膜部位の範囲に線型に比例するか、あるいは同じ面積の平方根に比例して増大する。

(2) コントラスト効果の強さとは関係なく、コントラストが引き起こす強度を、対応する範囲を大きくすることによって、より弱い強度に変えることができる。つまり、コントラストにおいては、範囲と強度の間には相互関係もある。

(3) 同時色対比は、明るさの対比がないか最小限の場合に、最大の効果を発揮する。

(4) 色の印象と同じ明るさの灰色との同時コントラストは、誘導する色の飽和度が大きくなるほど、この後者に比例するというよりはむしろより小さい規模で、おそらくは対数比例的に増大する。

(5) 二つの色の間の同時コントラストは、二つの成分から成る。それらの定量的な関係は、二つの色の飽和度が同じように増加する場合や減少する場合に、同じようにではなく変わり、また矛盾したように変わる。

(6) 二つの色の間の相反するコントラストは、二つの色が中間の飽和度の場合に、最大に達する。


 キルシュマンの法則とキルシュマンの原文の要約部分を比較すると、内容が一致していないことがわかる。キルシュマンの法則は5つであるが、原文では項目は6つである。キルシュマンの法則の1番は原文の1番と一致している。注目のキルシュマンの法則の4番は原文では3番である。ということは、「キルシュマンの第三法則」とは、原文の順番で言っていることになる。キルシュマンの法則の2番は原文の要約には登場しない。3番には原文の1番と2番が対応する。5番に対応するのは、原文の4番、5番、6番である。

「立体的なおばけ」

おばけの「服」の明るさは左右で同じであるが、左が明るく見える。

Copyright Akiyoshi Kitaoka 2008 (August 14)


これは、明るさの恒常性



大きさの恒常性が働いている例




大きさの恒常性が働いていない例

→エイムズの部屋



(参考) 形の恒常性


エイムズの台形窓


オバケとは何か? Q5

下の2つの図形を使って、パソコン上で高速回転するように見える動画を作るには?


答え

「蛇のフィギュアスケート」

円盤が高速で回転しているように見える。

Copyright Akiyoshi .Kitaoka 2006 (February 22)


下の図形を高速回転するように見える動画を作るには?

+


「高速どんぐるりん」

どんぐりの輪が高速に回転して見える。

Copyright Akiyoshi .Kitaoka 2006 (February 16)



Copyright Akiyoshi .Kitaoka 2008 (July 21)


おばけのおばけ

おばけが高速に移動して見える。

Copyright Akiyoshi .Kitaoka 2008 (July 21)


仮現運動


おばけ高速回転


漫画におけるおばけ


説明できないおばけ


静止画が動いて見える錯視とは何か? Q6

「赤い蛇の回転の詰め合わせ」

リングがゆっくり、あるいは急速に回転して見える。

Copyright Akiyoshi Kitaoka 2008 (March 19)

<配布プリント>


二つの錯視から成る。


1つは、動く方向が反転する錯視

「床屋の乱立」

各リングが回転して見える。

Copyright Akiyoshi .Kitaoka 2005 (October 7)


もう1つは、動く方向が決まっている錯視

「最適化型フレーザー・ウィルコックス錯視・タイプⅠ」と北岡は呼んでいる。


最適化型フレーザー・ウィルコックス錯視・一覧
(2009年9月5日現在の北岡による分類)


「蛇の回転」

蛇の円盤が勝手に回転して見える。

Copyright Akiyoshi Kitaoka 2003 (September 2, 2003)

「最適化型フレーザー・ウィルコックス錯視・タイプⅡ」



「影付きの左右に動く蛇」

蛇が左右に動いて見える。

Copyright Akiyoshi Kitaoka 2009 (June 7)

「最適化型フレーザー・ウィルコックス錯視・タイプⅢ」


「最適化型フレーザー・ウィルコックス錯視・タイプⅣ」



「赤い円盤の回転」

赤い円盤が回転して見える。

Copyright Akiyoshi Kitaoka 2008 (December 18)

cf. Wezit

「最適化型フレーザー・ウィルコックス錯視・タイプⅤ」


色の錯視とは何か? Q7

「赤の渦巻き」

赤紫がかった赤い螺旋とオレンジ色がっかった赤い螺旋があるように見えるが、どちらも同じ赤である。

Copyright A.Kitaoka 2002
(c)北岡明佳 2002 「トリックアイズ」 (カンゼン刊)


「緑の渦巻き」

黄緑の螺旋と青緑の螺旋があるように見えるが、どちらも同じ緑である。

Copyright A.Kitaoka 2002
(c)北岡明佳 2002 「トリックアイズ」 (カンゼン刊)


ムンカー錯視を用いた作品「水色と黄緑の渦巻き」↓

「水色と黄緑の渦巻き」

水色の螺旋と黄緑の螺旋があるように見えるが、どちらも同じ色(r = 0, g = 255, b = 150)である。この色の錯視はモニエ・シェベル錯視に近いと思うが、彼らの理論には合わないのかもしれない。

Copyright A.Kitaoka 2003


ムンカー錯視を用いた作品「レモン色の渦巻きとクリーム色の渦巻き」・・・被誘導領域は2つの誘導領域の明るさの中間になくてもよい↓

「レモン色の渦巻きとクリーム色の渦巻き」

渦巻きにはレモン色のとクリーム色のと2種類あるように見えるが、どちらも同じ黄色(R255, G255, B0)である。

Copyright A.Kitaoka 2005 (May 22)


「小家族」

左の鳩も右の鳩も同じ色なのだが、左の方は黄味がかって見える。

Copyright Akiyoshi .Kitaoka 2007 (March 12)


ムンカー錯視(Munker illusion)


 ムンカー錯視の作り方 



「犬」

赤い犬は2種類、緑の犬も2種類いるように見えるが、それぞれ同じ赤と緑である。色の土牢錯視である。
別バージョン  別バージョン2

Copyright Akiyoshi .Kitaoka 2007 (January 5)

土牢錯視(dungeon illusion)(Bressan, 2001)とは?

左の「牢屋」の灰色のダイヤモンド形は右のよりも明るく見えるが、物理的には同じ明るさである。

Bressan, P. (2001) Explaining lightness illusions. Perception, 30, 1031-1046.


色の土牢錯視とは?

左の「牢屋」のダイヤモンド形はオレンジ色に、右のは少し紫がかった赤に見えるが、物理的には同じ色である。

引用文献は調査中(ないかもしれない)



「肌色錯視」

左のお肌は赤っぽく、右のお肌は黄色っぽく見える。ドット色錯視を適用。

Copyright Akiyoshi Kitaoka 2008 (September 3)

ドット色錯視・・・左右の赤い領域は同じ色であるが、左はオレンジに、右はマゼンタに見える。

ドット色錯視は、ホワイトのドット明るさ錯視の色バージョンである。

ホワイトのドット明るさ錯視・・・灰色の正方形は同じ明るさであるが、左は右よりも明るく見える。

White, M. (1982) The assimilation-enhancing effect of a dotted surround upon a dotted test region. Perception, 11, 103-106.





オマケ

ランダムドット色錯視・・・左右の赤い領域は同じ色であるが、左はオレンジに、右はマゼンタに見える。

cf. Anstis, S. M. (2005) White's Effect in color, luminance and motion. In Harris, L. and Jenkin, M. (Eds), Seeing Spatial Form. Oxford: Oxford University Press.



「4種類の色の錯視の作り方」

物理的に同じ色(R=255, G=0, B=127)のハートが錯視によってピンクとオレンジのハートに見える。左から、ムンカー錯視(Munker illusion)、色の土牢錯視(chromatic dungeon illusion)、ドット色錯視(dotted color illusion)、デヴァロイス・デヴァロイス錯視(De Valois-De Valois illusion)である。 上図の高解像度ファイルはこちら(8000 x 3262 pixel, 10MB)。

Copyright Akiyoshi Kitaoka 2009 (June 1)

References

Munker illusion Munker, H. (1970) Farbige Gitter, Abbildung auf der Netzhaut und übertragungstheoretische Beschreibung der Farbwahrnehmung. Habilitationsschrift, Ludwig-Maximilians-Universität, München.
chromatic dungeon illusion For the dungeon illusion: Bressan, P. (2001) Explaining lightness illusions. Perception, 30, 1031-1046.
Kitaoka (2007) http://www.psy.ritsumei.ac.jp/~akitaoka/saishin22e.html
dotted color illusion For the dotted brightness illusion: White, M. (1982) The assimilation-enhancing effect of a dotted surround upon a dotted test region. Perception, 11, 103-106.
Kitaoka (2008) http://www.psy.ritsumei.ac.jp/~akitaoka/color10e.html
De Valois-De Valois illusion De Valois, R. L. and De Valois, K. K. (1988) Spatial Vision. New York: Oxford University Press.



cf.


「4種類の明るさの錯視の作り方」

物理的に同じ明るさ(R=127, G=127, B=127)のスペードが錯視によって暗いスペードと明るいスペードに見える。左から、ホワイト効果(White's effect)、土牢錯視(dungeon illusion)、ドット明るさ錯視(dotted brightness illusion)、デヴァロイス・デヴァロイス錯視(De Valois-De Valois illusion)である。 上図の高解像度ファイルはこちら(8000 x 3262 pixel, 5MB)。

Copyright Akiyoshi Kitaoka 2009 (June 1)

References

White's effect White, M. (1979) A new effect on perceived lightness. Perception, 8, 413-416.
dungeon illusion Bressan, P. (2001) Explaining lightness illusions. Perception, 30, 1031-1046.
dotted brightness illusion White, M. (1982) The assimilation-enhancing effect of a dotted surround upon a dotted test region. Perception, 11, 103-106.
De Valois-De Valois illusion De Valois, R. L. and De Valois, K. K. (1988) Spatial Vision. New York: Oxford University Press.



「色の土牢錯視による黄ばみ錯視の作り方」

物理的に同じ白(R=255, G=255, B=255)のハートが錯視によって青白い白と黄ばんだ白に見える。色の土牢錯視(chromatic dungeon illusion)を使用。上図の高解像度ファイルはこちら(4000 x 2060 pixel, 3.5MB)。

Copyright Akiyoshi Kitaoka 2009 (June 2)


「変則的色の土牢錯視による黄ばみ錯視の作り方」

物理的に同じ白(R=255, G=255, B=255)のハートが錯視によって青白い白と黄ばんだ白に見える。色の土牢錯視(chromatic dungeon illusion)を使用。上図の高解像度ファイルはこちら(4000 x 2060 pixel, 3.5MB)。

Copyright Akiyoshi Kitaoka 2009 (June 2)


図地分離による色の錯視


「月と地球」

各図において、左の円盤は黄色に見え、右の円盤は青色に見えるが、物理的には同じ色で同じテクスチャである。

Copyright Akiyoshi Kitaoka 2009 (June 26)

cf.

アンダーソンの錯視

(Anderson and Winawer, 2005)
暗い領域に囲まれた円内領域は明るく見え、明るい領域に囲まれた円内領域は暗く見える。テクスチャが連続していることが重要である。

渦巻き錯視とは何か? Q8



「水の渦」

同心円が渦巻きに見える。

Copyright Akiyoshi Kitaoka 2009 (March 3)

Kitaoka, A., Pinna, B., and Brelstaff, G. (2001). New variations of spiral illusions. Perception, 30, 637-646. PDF

「水路」

平行な水路が交互に傾いて見える(上から左・右・左・右)。水も左右に動いて見える。

Copyright A.Kitaoka 2005 (February 15)

縁飾りエッジの錯視の基本パターン

水平のエッジが左に傾いて見える。濃い灰色と薄い灰色の市松模様の交点に、黒と白の星型を交互に配置することで得られる幾何学的錯視である。Kitaoka, Pinna and Brelstaff (2001, 2004)による。論文に出ているのは(a)だけである。

Kitaoka, A., Pinna, B., and Brelstaff, G. (2001). New variations of spiral illusions. Perception, 30, 637-646. PDF

Kitaoka, A., Pinna, B., and Brelstaff, G. (2004). Contrast polarities determine the direction of Cafe Wall tilts. Perception, 33, 11-20. PDF

Kitaoka, A. (2007) Tilt illusions after Oyama (1960): A review. Japanese Psychological Research, 49, 7-19. PDF

サクラソウバージョン基本図形
(copyright free; citation is necessary)


またの機会に


ご清聴ありがとうございました。内容欲張り過ぎで、しかもあまりオーバービューになっていなくてすみません。錯視・錯覚研究を何とかしましょう!


北岡明佳の錯視のページ