ツェルナー錯視(Zöllner illusion)
Access since 2005年2月7日
基本パターン
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横線は平行であるが、上から左・右・左・右に傾いて見える。傾きの方向は短い斜線との交差角を鋭角過大視する方向である。ツェルナー錯視は交差角が0度から90度の範囲で起こるとする文献もあるが、0度から10度の間ではフレーザー錯視が、50度から90度の範囲では「間接効果」が関与することが知られている。これらの錯視はともに鋭角過少視を与える。非誘導線が斜め45度の時錯視量は最大であるとされる。ただし、交差角が10度付近ではフレーザー錯視の錯視量増大によって、ツェルナー錯視の錯視量増大は相殺されるように見える。Kitaoka and Ishihara (2000) は、ツェルナー錯視を規定する角度錯視は3つあり、2つは角度過大視、1つは角度過少視であるとした。ただし、後者はフレーザー錯視と間接効果が連続したものと仮定した場合である。最初の報告者は、Zöllner(1860)である。
<2013年3月2日修正>
以上の引用文献
Zöllner, F. (1860) Über eine neue Art von Pseudoskopie und ihre Beziehungen zu den von Plateau und Oppel beschriebenen Bewegungsphänomenen. Annalen der Physik und Chemie, 186, 500-523.
Kitaoka, A. and Ishihara, M. (2000). Three elemental illusions determine the Zöllner illusion. Perception & Psychophysics, 62, 569-575.
参考文献
北岡明佳 (2001) 錯視のデザイン学(2)・直線を湾曲させるトリック 日経サイエンス, 31(3), 96-97.
北岡明佳 (2005) ツェルナー錯視、フレーザー錯視、カフェウォール錯視 錯視の科学ハンドブック 東京大学出版会 (2月発刊予定)
Robinson, J. O. (1972 / 1998) The Psychology of Visual Illusion. Mineola, NY: Dover.
2次元ツェルナー錯視
(copyright free)
垂直線同士の傾きが違って見え、水平線同士の傾きも違って見える。
by Akiyoshi.Kitaoka 2005 (Fenruary 7)
ツェルナー錯視そのまんま
「こいのぼり」
こいのぼりの上下の横のラインは平行であるが、お互い傾いて見える。
Copyright A.Kitaoka 1996
ツェルナー錯視そのまんま
「ピザの斜塔」
塔が右に傾いて見える。
Copyright
A.Kitaoka 1996
(c)北岡明佳 2002 「トリックアイズ」 (カンゼン刊)
ツェルナー錯視で湾曲錯視
「出航」
右上がりの色の斜線は直線であるが曲がって見える。
Copyright
A.Kitaoka 1997
(c)北岡明佳 2002 「トリックアイズ」 (カンゼン刊)
ツェルナー錯視で湾曲錯視
「発電」
すべて直線でできているがカーブが感じられる。
Copyright A.Kitaoka 1997
ツェルナー錯視で湾曲錯視
「こいのぼり」
右上がりの斜線は直線であるが曲がって見える。
Copyright A.Kitaoka 1998
ツェルナー錯視で膨らみの錯視
「八重桜」
垂直線・水平線が膨らんだように曲がって見える。
Copyright Akiyoshi.Kitaoka 2005 (Feburuary 7)
ツェルナー錯視で渦巻き錯視
「阪神タイガース優勝2003螺旋」
黒い太線は同心円であるが、右に回って中心に向かう渦巻きのように見える。
Copyright A.Kitaoka 2003
ツェルナー錯視で渦巻き錯視
「かたつむり」
かたつむりの渦巻きに見えることがある。
Copyright A.Kitaoka 2005 (February 7)
ツェルナー錯視で動く錯視
「抹茶」
ドット列が左右に動いて見える。
Copyright A.Kitaoka 2002
(c)北岡明佳 2002 「トリックアイズ」 (カンゼン刊)
ツェルナー錯視で動く錯視
「桃の節句」
5つの列は平行であるが、上の列から順に、右左右左右に傾いて見える。動く錯視もあって、もぞもぞする。
Copyright A.Kitaoka 2003