t 検定と変数の操作
2つのグループの平均値に差があるかどうかの検定は,平均値に差がないという帰無仮説を検定することになります。
- 国語と数学の得点と,それらの合計得点についてのクラス別平均値に差があるかどうかを検定します。

- 国語の得点と数学の得点を合計し,「合計」 という名前の変数を作成します。

- 目標変数ボックスに新しい変数の名称 「合計」 を入力します。数式ボックスに,国語,+,そして,数学を挿入します。

- OK ボタンをクリックすると,合計という名前の変数が作成されます。

- 分析から,独立したサンプルの t 検定を選択します。

- 国語,数学,合計を検定変数ボックスへ挿入します。また,クラスをグループ化変数へ挿入し,グループを定義します。ここでは,クラス1 とクラス2 を比較することにします。

- OK ボタンをクリックすると,記述統計と検定結果が表示されます。

等分散性の検定では,分散の比でなく,Leveneの方法が用いられます。各クラスの平均値とローデータの値との差の絶対値を用いて,差の絶対値の平均がクラス間で異なるかどうかに関する検定(t 検定か分散分析)を行った結果が SPSSの表に F 値として示されています。

等分散が仮定されない場合,自由度を調整した検定(ウェルチの検定)を行うと説明されてきました。また,2つのサンプルが十分大きく,かつ同じ大きさであるならば,自由度の調整をしなくても大きな問題にならないと考えられてきました。しかし,最近は,等分散の仮定が成り立つか,成り立たないかに関わらずウェルチの検定を用いる方が良いとされています(Hayes & Cai, 2007)。ウェルチの検定では,自由度が少し小さくなりますが,検定を2回(等分散性の検定と t 検定)行うよりは良いだろうと考えられるからです。