平均値と定数の比較
平均値が計算されれば,母集団の平均に関する推定範囲が計算できます。推定範囲を利用すれば,平均値と特定の値との比較が可能です。
- var1 と var2 の平均値と,定数 (例えば,0.5) との差が統計的に有意かどうかについて t 検定を行います。

- 分析から,1 サンプルの t 検定を選択します。

- var1 と var2 を検定変数ボックスに移動させ,検定値を設定します。

- OK ボタンを押すと,記述統計と検定結果が出力されます。

t 検定と効果の大きさ
- t の値は,平均値の差と標準誤差から計算されます。上記の VAR1 では,
0.0494 / 0.05134 = 0.962
標準誤差は,標準偏差をサンプルの大きさの平方根で割った値です。

データを加えても平均値の差と標準偏差が小さくならなければ, N が大きくなっただけ標準誤差は小さくなるので,小さな差であっても有意になる可能性が高くなります。しかし,データを加えることにより平均値の差が 0 に近づく可能性もあります。
- 平均値の差を,標準誤差でなく標準偏差で割った値 (d) は効果の大きさを表します。
d = 0.0494 / 0.21167 = 0.2334
d は比較的小さい値になりました。この値が正しいならば,差を有意にするためには多くのデータが必要になります。
異なる研究結果を比較するときには,検定の結果 (例えば,t の値) のみではなく,効果の大きさも含めて検討します。
- 効果が大きいということは,検証が容易であり,確かな傾向を発見したといえるでしょう。しかし,その明確な差異はありふれたことであるかもしれません。効果が小さいということは,不確かで検証が難しいことを意味します。小さな差異であっても,興味深い場合もあるでしょう。