錯視の測定法
2006年8月12日より
下図はカフェウォール錯視の基本図である。水平に描かれた横線が右に傾いて見える。この見かけの傾きを測定するには、調整法、極限法、恒常法、キャンセル法、マグニチュード推定法、評定尺度法などがある。やさしい参考書はこちら。
ここでは、調整法(method of adjustment)を説明しよう。簡単である。下図の比較刺激(物理的に傾いた線のセット)から、上図の灰色の線の見かけの傾きと同じ程度の傾きに見える図形を選ぶだけである。仮に、-2º の比較刺激が最も似ていると感じたら、錯視量は「時計回りに 2º 」ということになる。
Copyright Akiyoshi .Kitaoka 2006 (August 12)
この図では比較刺激のセットは 1º 刻みで用意されているが、実際に実験する時は、北岡は 0.5º 刻みのものを用意する(もっと細かいステップを好む研究者もいると思う)。最近はパソコンで実験する。パソコンでの実験例はこちら(ミュラー・リヤー錯視)。なお、錯視は心理量であるからある程度の個人内変動があるので、測定回数は複数回数(5〜10回程度)が望ましい。