質感・色覚研究会2025
2025年3月14日(金)9:00-10:00
立命館大学大阪いばらきキャンパスB棟クロノトポス
要素が弁別できる並置混色変換と色の錯視
立命館大学総合心理学部 北岡 明佳 email
本日取り上げる色の錯視3種類
(1)ムンカー錯視
水色と黄緑色の渦巻きに見える。
(2)黄色の画素はないのに白色が黄色く見える錯視
黒で格子を描きます。
青で囲って、完成! 黒の格子部分の背景が黄色く見える。
(3)白と黒の縞模様でできているのに有彩色が見える錯視
青い缶に見える。
緑の缶に見える。
赤い目に見える。
要素が弁別できる並置混色:3つのサブピクセルからなる並置混色
元の画像(1152 x 707 pixel)
上図をRGB並置混色に変換(輝度がおおよそ3分の1になるので画像は暗くなる)
元の画像を「CMY並置混色」に変換したもの(RのサブピクセルにGとBを100%ずつ加法混色、GのサブピクセルにBとRを100%ずつ加法混色、BのサブピクセルにRとGを100%ずつ加法混色したもの)
元の画像を「RGBCMY並置混色」に変換したもの(RのサブピクセルにGを100%加法混色、GのサブピクセルにBを100%加法混色、BのサブピクセルにRを100%加法混色したもの)
要素が弁別できる並置混色:2つのサブピクセルからなる並置混色
元の画像をRGBの並置混色に分解して、GとBのサブピクセルを加法混色で統合して1つのサブピクセルとしたもの
↓
赤紫色の看板は赤と青の縞模様でできている。
2つ上図のGとBを統合したサブピクセルにRを100%加法混色させ、RのサブピクセルにGとBをともに100%(シアン色を100%)加法混色させたもの
3つ上の図のRのサブピクセルにGとBをともに100%加法混色させたもの
↓
看板もルーフも知覚される赤みは錯視である。
Eyes appear to be chromatic, though they consist of black and white stripes.
上列は、左から目の色は、赤、黄、緑、下列は、左から水色、青、赤紫に見えるが、すべて黒と白の縞模様である。
まとめの図
メモ
(1)「同化」と「対比」について
(「並置混色」と「加算的色変換」)
(2)混色された色が帰属される領域
(3)ネオン色拡散との関係
(4)並置混色すると「美しく見える」ことについて
以上です。よろしくお願いいたします。
以下、補足の図
「要素が弁別可能な並置混色で説明するムンカー錯視の一覧」
オストワルト表色系的な並置混色画像 <December 17, 21, 2023, May 3, December 26, 2024, February 1, 2025>
RGBのヒストグラムの圧縮・伸展プログラム
(A program to produce an image of color illusion or to restore the
original image by converting (compressing or extending) the ranges of
RGB-subpixel values)
<April 14, September 17, October 3, 13, November 12, 13, 26, 2022, June
11, 2023>