日本色彩学会第55回全国大会 九州大学大橋キャンパス
2024年6月30日(日)11:30-11:45 <3C-4> C会場 524教室
オストワルト表色系の考え方を適用した並置混色の新技法
立命館大学総合心理学部 北岡明佳 akitaoka@lt.ritsumei.ac.jp Abstract PDF
オストワルト表色系(Ostwald Color System)は、あらゆる色は「白色」「黒色」「純色」の合成比で記述できると考える。本研究においてはこの考え方を並置混色に適用する。並置混色とは、適切な原色を空間的に並列に配置することで視覚的に混色を起こさせ、観察者に豊かなカラー画像を知覚させる手法である。RGBが原色である並置混色が標準的である。一方、本研究の手法では、「白色」「黒色」「純色」が原色である。
black content = 1 - max(Rlinear, Glinear, Blinear)
white content = min(Rlinear, Glinear, Blinear)
color content = max(Rlinear, Glinear, Blinear) - min(Rlinear, Glinear, Blinear)
black content + white content + color content = 1
sRGBオストワルト表色系の色度図の例
オストワルト表色系的並置混色のやり方の説明
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いろいろなオストワルト表色系的並置混色法
色の錯視をオストワルト表色系的並置混色変換してみると?
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明るさの錯視をオストワルト表色系的並置混色変換してみると?
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等黒色変換と等白色変換で作成した明るさの錯視をオストワルト表色系的並置混色変換してみると?
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<参考>
等黒色量画像、等白色量画像、等純色量画像(等彩度画像)
元の画像
一覧
アブストラクト
本発表では、オストワルト表色系の考え方を適用した並置混色の新技法を紹介する。並置混色とは、適切な原色を空間的に並列に配置することで視覚的に混色を起こさせ、観察者にフルカラー画像を知覚させる手法である。今日のカラーディスプレーの大半はRGBを原色とした加法混色の並置混色を色表現の手段として採用している。それらのカラーディスプレーでは原色のサブピクセルは肉眼では弁別できないほど小さいが、サブピクセルを弁別できるほどの大きさで表示しても、一定の範囲内でフルカラー画像は知覚できる。本研究においては、オストワルト表色系の考え方を適用した新技法を並置混色に導入する。オストワルト表色系の考え方とは、あらゆる色は「白色量」「黒色量」「純色量」の合成比で記述できると考えるものである。オストワルト表色系は回転混色盤を用いた継時混色で実現する色を想定しているが、本研究においてはこの考え方を並置混色に適用する。具体的には、各色相における白色、黒色、純色をsRGBに準拠して定義した上で、それぞれの量の比を面積比として表示する。本技法の有用性について考察する。