立命館大学 総合心理学部 学部ポータル 人間科学研究科 SPSS入門

交互作用の分析 (分散分析で 1変量の方法を用いた場合)


被験者内要因 (interval) の単純主効果

  1. interval の効果について,condtion の水準ごとに検定します。



  2. 平均値の表示ボックスに condtion と interval の交互作用を挿入します。



  3. その後,貼り付けボタンをクリックし,シンタックス・エディタを開きます。

    EMMEANS を使って interval の単純主効果を検定するように修正します。

    また,subject は condtion にネストされていますので,DESIGN を修正します。



  4. シンタックス・エディタから実行すると,出力結果には,condtion の各水準における interval の主効果についての分散分析が表示されます。



    Howell (2002, pp. 488-490) は,被験者内要因の単純主効果を検定する場合, 球面性の仮定の問題からプールされた誤差項を使わずに,被験者間要因の水準ごとに被験者内要因についての分散分析を行うことを推奨しています。

被験者間要因 (condtion) の単純主効果

  1. 被験者内要因 (condtion) の単純主効果の場合と同様に,被験者間要因の単純主効果を分析するために,シンタックス・エディタで EMMEANS を修正します。



  2. シンタックス・エディタから実行すると,以下のような分析結果が出力されます。

    しかし,誤差項が不適切であることがわかります。また,出力されたペアごとの比較においても標準誤差が適切な値ではありません。




  3. EMMEANS は誤差項を指定できないので,出力をエクセルなどのスプレッドシートへコピーし,統計量を計算しなおします。

    condtion の単純主効果を検定するための誤差平方和は,384,722.06+281,199.31 = 665,921.38 になります。平均平方は,平方和を自由度 126 (21+105) で割った値になります。



  4. プールされた誤差項は同質でない誤差変動を合計しているので,検定する差異には自由度を調整する必要があります (Howell, 2002, pp. 490-493; 宮本・山際・田中, 1991; Winer, Brown, Michels, 1991, pp. 529-531)。

    condtion の主効果を検定する際に使用した誤差項には被験者による変動が,condtion と interval の交互作用と関連する誤差項には interval と被験者の交互作用による変動がそれぞれ含まれていると考えられます。

    そのため検定を行う際,F 値の 2番目の自由度を Satterthwaite の方法により調整します。



    したがって,interval の各水準における condtion の単純主効果の F 値の自由度は,検定を行う際,2 と 57 になります。

    宮本・山際・田中 (1991) は,被験者間要因の単純主効果を検定する場合, 自由度を修正する必要があるので,プールされた誤差項を使わずに被験者内要因の水準ごとに被験者間要因についての分散分析を行うことを推奨しています。