立命館大学 総合心理学部 学部ポータル 人間科学研究科 SPSS入門

対数線型モデル


階層的対数線型モデル

性別 態度
賛成 反対
男性 21 9 30
女性 11 22 33
32 31 63

2つの変数 (性別と態度) が独立であると仮定した場合,男性が賛成する期待度数は,男性の比率と賛成の比率から計算できます。

63 × 30/63 × 32/63 = 15.238

2変数の独立を仮定した場合,各セルの期待度数は,

μij = N Pi. P.j

になります。μij は,i 行 j 列の期待度数です。N は総度数です。Pi. は i 番目の行の確率,P.j は j 番目の列の確率です。独立が仮定されているので,2つの周辺確率の積からセルの期待度数が計算できます。

上記の式は,両辺の対数をとれば加法的関係になります。

ln μij = λ + λSi + λAj

λはサンプルの大きさに基づく項です。λSi は性別変数の効果を,λAj は態度変数の効果をそれぞれ表します。このモデルは,2変数間の独立性を仮定した対数線型モデル (loglinear model) です。

上記のモデルは,

各セルの期待頻度の対数 = 定数 + 態度 + 性別

であることを示しています。

ln μij = λ + λSi + λAj + λSAij

となります。このモデルは,飽和モデル (saturated model) と呼ばれます。飽和モデルによる期待度数は観察度数と一致します。

階層的対数線形モデルで変数間の交互作用が仮定される場合,その交互作用に含まれる変数の効果と,部分的交互作用すべてがモデルに含まれることになります。

例えば,以下のようなクロス集計表 (Howell, 2002, p. 673) を考えてみます。

Moral × Verdict がモデルに含まれると,Moral と Verdict もモデルに含まれます。

あるいは,Fault × Moral × Verdict が仮定される,Fault ,Moral,Verdict のそれぞれと,Fault × Moral,Fault × Verdict,そして Moral × Verdictがモデルに含まれます。

適合度検定

    1. ピアソン (Pearson) のカイ二乗値



    2. 尤度比を用いたカイ二乗値

計算例