図1に描かれた円盤を回転させると,3つの同心円の輪っかが見えますが,その輪っかに色がついて見えます(図1をクリックするとムービーが開きます).この輪っかに見える色がここで紹介する錯視です.見える錯覚色は外側から,赤,青,緑でそれぞれの輪っかを作っている弧のまわりの色の反対色になります.


このコマの回転が速くて,扇型のそれぞれの色が混ざってしまいわからなくなっても,それぞれの扇型の色の反対色が見えることがわかっています.これは,我々が各扇型の色を意識できない場合であっても,我々の視覚系はそれぞれの色を処理していることを示唆しています.


この錯覚色は,輪っかが一つの場合でも観察されます(図2をクリック).また,図3(画像をクリック)のように黒い弧と色のついた扇型の位置をずらすと色が見えなくなります.これは,視覚系の処理が回転の速さについていっていることを示すもう一つの証拠となります.


図4,図5(画像をクリック)に違う色のコマも示します.こちらのコマでは,画像の中に含まれていない色を錯覚色として見ることが出来ます.

図1

図2

図3

図5

図4

錯視コンテスト2009