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いくつかの画像では、画像をクリックすると、高解像度ファイルがダウンロードできます。<2021年4月6日>


・『卯図』年賀上デザインのもの
(フレーザー・ウィルコックス錯視の錯視量を増やす例として)


・円弧が長い 1つの図


・円弧が長い 2つの図

(この大きさのファイル(1200 x 614 pixel)がダウンロードされます)


・円弧が長い 6つの図


・円弧が短い 6つの図


・円弧が短い 6つの図に色をつけたもの


(ここでフレーザー・ウィルコックス錯視の分類図を登場させます)
・ダークタイプ 6つの図


・赤いフレーザー・ウィルコックス錯視 6つの図


(北岡さま 結びのコメントに向けて 錯視研究から生まれた作品の一例として)
・『目の色の恒常性』http://www.psy.ritsumei.ac.jp/~akitaoka/colorconstancy3.html の「右目は赤みがかって見えるが、左目と同じ青緑色である。」というキャプションのついているもの


・『ピンクのガンガゼ』


・『扉を開けたまま走る電車』(右に走行するように見えるもの)http://www.psy.ritsumei.ac.jp/~akitaoka/saishin65.html


・『貝旋』http://www.psy.ritsumei.ac.jp/~akitaoka/rotate4.html









私(北岡明佳)は「錯視の最適化(optimization)」ということばを定義なく使っているが、錯視の強さを最大化する条件を求めるという意味で使っている。その思想は、私のオリジナルではなく、今井(1984)に示されている。

今井省吾 (1984) 錯視図形・見え方の心理学 サイエンス社 


たとえば、フレーザー・ウィルコックス錯視という錯視がある。


この錯視は両義的で、たとえば上図の左の円盤が時計回りに回転して見える人もいれば、逆に時計回りに回転して見える人もいる、と言われている。Kitaoka & Ashida (2003) は、実際に2つの錯視から成っていると考えた(最適化型フレーザー・ウィルコックス錯視・タイプI)。


この錯視の仲間として、作品「蛇の回転」などを生み出す錯視として、北岡は最適化型フレーザー・ウィルコックス錯視・タイプIIa というものを考えた(北岡, 2007; Kitaoka, 2017他)。


上図は基本図形すなわち設計図であるが、これで錯視に気づくのは慣れないと難しいので、よりわかりやすいデモ図の作成が必要となる。運動視の表現としては、直進運動、回転運動、拡大・縮小運動が考えられる。ここでは、回転運動を選択すると、デモ図はたとえば下図が得られる。円盤は反時計回りに回転して見える。


上図では、あまり強い錯視は知覚されないかもしれない。フレーザー・ウィルコックス錯視系統の錯視は、中心視では錯視が弱く、やや周辺視で錯視が強いからである。そこで、下図のように円盤を2つにすれば、錯視がわかりやすくなる。


円盤は2つ以上あればよく、数は多くてよいが、多ければ多いほど錯視が強くなるわけではない。経験的には、3列 x 2行、あるいは 4列 x 3行 程度が見やすいと思う。下図は、3列 x 2行のデモである。


オリジナルのフレーザー・ウィルコックス錯視の図でもそうであるが、この錯視には第一次視覚野の方位選択性ニューロンのend-stopped性に似た性質がある。すなわち、線が長いと錯視が弱くなる。そこで、下図のように線を適切な長さに分断すると、錯視が強くなる。


適切に着色すると、さらに錯視が強くなる。


参考:最適化型フレーザー・ウィルコックス錯視の分類(2013年8月20日版・2021年3月12日現行版)



<最適化型フレーザー・ウィルコックス錯視・タイプI>

(左のディスクは時計回り、右のディスクは反時計回りに回転して見える。)



<最適化型フレーザー・ウィルコックス錯視・タイプIIa>



<最適化型フレーザー・ウィルコックス錯視・タイプIIb>



<最適化型フレーザー・ウィルコックス錯視・タイプIII>



<最適化型フレーザー・ウィルコックス錯視・タイプIV>



<最適化型フレーザー・ウィルコックス錯視・ダークタイプ>

(左のディスクは時計回り、右のディスクは反時計回りに回転して見える。)



<最適化型フレーザー・ウィルコックス錯視・色依存タイプ>

(明るい時は、左のディスクは時計回り、右のディスクは反時計回りに回転して見える。暗い時はその逆に、左のディスクは反時計回り、右のディスクは時計回りに回転して見える。)


 北岡明佳の錯視のページ