II

後期開講・火曜2限・啓明館321

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2003年 心理学研究法II レポート論題

「視覚では、視野の中心では視力がよく、周辺では視力が悪いことが知られている。そこで、視力と視野の位置との関係を調べる実験をしたい。普通の視力検査(切れ目が見えた最小のランドルト環から計算する方法)よりも信頼性の高いデータを得るために、複数の方法を比較・検討せよ。」

ヒント:ランドルト環以外の刺激を考えなさいという意味ではありません。普通の視力検査では心理学研究法的に正確な視力を測れていませんよ、ということがヒントです。器械で自動的に測定することもよく経験しますが、あれは眼の光学系を測定しているだけで、視力の近似値にはなっていますが、視力そのものの測定ではありません(ということを論じてもOK)。

問題文の問題点:「信頼性」と書きましたが、正しくは「妥当性・信頼性」でした。単に「信頼性」と書きますと、「同じ測定を繰り返した場合に同じレベルのデータが取れ続けるかどうか」ということになります。このレポート論題はそういうことも求めていますが、「測定したいものを正確に測定できているかどうか」は「妥当性」といいます。


心理学を実験心理学(科学)と実践的心理学(教育・臨床)に分けるとしますと、前者の研究の方法を学ぶ授業です。基礎実験などの実習を行なわずに方法を学ぶのですから、かなり面白くないです。しかも、方法を知るためには、その研究分野の知識も必要となります。心理学概論を既に受講されたことと思いますが、よく理解しましたか? 実際には、この心理学研究法IIは「研究の方法という視点から見た実験心理学概論」という感じの講義になります。心理学科の学生は心理学の研究方法を身に付けていないと卒業してからシロウトさんと同じ(基礎的なこと以外の心理学の各論は本を読むだけでもかなりの部分を学べるから)となってしまいますから、この科目は半ば必修なのですが(心理学研究法IIIでもよい)、他学科・他学部の学生さんは、皆様にはつまらない講義かもしれないことを認識して受講して下さい。


シラバス

講義内容 ダウンロード資料 ファイルの大きさ その他
1 ガイダンス ログビネンコ錯視 118KB -
2 古典的条件づけ - - -
3 オペラント条件づけ - - -
4 刺激汎化 - - -
5 系列学習 - - -
6 対連合学習 - - -
7 記憶の研究法 - - -
8 反応時間 反応時間測定プログラム 325KB -
9 心理量の測定
調整法
極限法
恒常法
キャンセル法
マグニチュード推定法
SD法
(以上、基礎実験で使用中のもの)

グラスパターン描画プログラム
グラスパターン実験プログラム

- -
10 マグニチュード推定法・SD法 - - ウェーバーの法則・スティーブンスの法則
11 閾に関する研究法 - - -
12 観察の重要性・一対比較法など 明るさの錯視 - -
13 演習1 - - -
14 心理学統計法の使い方
2002年度の心理学統計法講義用の全ファイル

- -
15 演習2 - - -

順次資料をアップロード致します。


教科書

1800円 + 税

この教科書を必ずしも買わなくてもよいですが、必ず他の書物で補ってください。プリントをかなりたくさん配りますが、全部は配りません(全部コピーして配ったら、著作権法違反です)。生協に置いてあります。もしなかったら、注文してください。注文することは面倒くさいことですが、黙っていたら次はいつ入荷するかわかりませんよ。

心理学実験指導研究会編 実験とテスト=心理学の基礎・実習編 培風館 1985

参考書

2816円 + 税

この本を買うと、私の講義の組み立てがわかります。やや出版年が古いですが、まだまだ大学学部での心理学の基礎教育には十分です。

心理学実験指導研究会編 実験とテスト=心理学の基礎・解説編 培風館 1985


講義一覧のページ


2002年度のダウンロード資料 (拡張子docはMS-Wordファイルです)

授業タイトル 資料タイトル ダウンロードファイル名 ファイルの大きさ アップロード日
反応時間 「小惑星接近」 showaku.doc 42KB 2003/1/5

印刷はエプソンのインクジェットプリンタで最も適正に仕上がります。欲を言いますと、スーパーファイン紙以上の上質の紙(スーパーファイン紙・マット紙・フォト紙・写真用紙等)を使いますと、きれいに印刷できます(紙に合った印刷モードで印刷しましょう)。白黒モードかカラーモードかで仕上がりが異なる場合があります。レーザープリンタはトナーのむらが出ますし、紙が反りますのであまり良くないです(昔はレーザープリンタと言えば最高品質の代名詞でしたのにね)。