2021年度科研費申請書類のカラーの図

「錯視研究の新展開:AIの導入による基礎研究の深化と応用の試み」
(基盤研究(S)に申請)

研究代表者 北岡明佳(立命館大学総合心理学部)


図1(p. 1) これまでに知られている錯視の例。(a)古典的な錯視の例、ミュラー・リヤー錯視。上下の水平線分は同じ長さであるが、両端に内向きの矢羽を接続した上の線分は短く見え、外向きの矢羽を付けた下の線分は短く見える。(b)明るさの錯視の一種 。左の電車の帯は白く見え、右の帯は黒く見えるが、画像としては等輝度である。(c)比較的新しい錯視の例、「蛇の回転」錯視 のデモ。周辺視では、円盤は時計回りに回転して見える。


(p. 2)


(a)

(b)

図2(p. 3) 混色系と錯視との関係を表した図。(a)(b)とも、それぞれ左の画像の髪と服は白く見え、右は黒く見えるが、描かれているパターンは物理的に同一である((a)は白と黒の縞模様、(b)はRGBの縞模様)という錯視図形。明るさの錯視の一種と位置づけられるとともに、明るさの恒常性の新しいデモという側面もある。


「右図」(p. 4) 色依存のフレーザー・ウィルコックス錯視。明るい条件では、円盤は時計回りに回転して見え、暗い条件では、円盤は反時計回りに回転して見える。照明の色温度が高い時は前者が優勢となり、低い時は後者が優勢となる。 http://www.psy.ritsumei.ac.jp/~akitaoka/ICP2016.html


図3(p. 5) 加算的色変換による色の錯視の例。(a)イチゴは赤く見えるが、画素はすべて反対色のシアン色系統の色相である。(b)ヒストグラム均衡化仮説に基づき生成された「肌色化」画像。電車の車体は青く見えるが、画素はすべて黄みのオレンジ色の色相である。(c)色の対比図形。小さい正方形の色は灰色に近いシアン色であるが、赤みがかって見える。


図4(p. 9-1) 研究代表者が開発した錯視デモの例。(a)ずれたグラデーションの錯視20を用いた渦巻き錯視。灰色の同心円が、時計回りに回転して中心に向かう渦巻きに見える。(b)傾き錯視と静止画が動いて見える錯視が同居する錯視の例。内側のパターン、外側のパターン、あるいはその両方が、網膜像のなめらかなすべりの動きに応じて動いて見える。要素は垂直・水平に配列しているが、内側の縦列は右に傾いて見え、横列は左に傾いて見える。外側のパターンでは、その逆に傾いて見える。(c)オプ効果と総称される現象のうち、縞模様で構成され、眼球運動にトリガーされ、短時間だけ動いて見える錯視のデモ図。ひし形あるいは背景が動いて見える。


(p. 9-2)