2017年3月26日(日)15:00-17:00
第50回知覚コロキウム
 慶応義塾大学日吉キャンパス

シンポジウム "正しい知覚"と錯覚の境界で
指定討論 「恒常性と錯覚」

立命館大学総合心理学部 北岡 明佳 email

2017/3/22 より


● 錯覚(illusion)とは、対象の真の性質と認識されたものとは異なる知覚である。
● 恒常性(constancy)とは、刺激に影響する環境条件の変動にもかかわらず、対象の知覚は比較的一定に保たれることである。

色の恒常性

対象の色が一定に見える現象あるいは機能

「赤く見えるいちご」

すべてのピクセルはシアン色近辺の色相(一部灰色)であるが、イチゴは赤く見える。

Copyright Akiyoshi Kitaoka 2017 (March 7)


「赤く見えるいちごの色変換」

すべてのピクセルはシアン色近辺の色相(一部灰色)であるが、イチゴは赤く見える。

Copyright Akiyoshi Kitaoka 2017 (March 16)

(加算的色変換法(アルファブレンディング法)による画像)


「赤く見える(実際に赤い)いちごの色変換」

色の分布は全体としてシアン色側にシフトするが、イチゴは原画像と同様赤く見える。

Copyright Akiyoshi Kitaoka 2017 (March 16)

(乗算的色変換(普通の色変換)による画像)


「青く見えるいちごの色変換」

すべてのピクセルは黄色近辺の色相(一部灰色)であるが、イチゴは青く見える。

Copyright Akiyoshi Kitaoka 2017 (March 16)

(加算的色変換法(アルファブレンディング法)による画像)



明るさの恒常性

対象の明るさが一定に見える現象あるいは機能

「RGBで白と黒」

左の絵の髪と服は白く見え、右の絵では黒く見えるが、同じRGBの縞模様である。

Copyright Akiyoshi Kitaoka 2016 (August 15)


「明るさの恒常性のデモ」

左は白い髪、右は灰色の髪に見えるが、物理的には同じ明るさである。

Copyright Akiyoshi Kitaoka 2017 (February 5)


 

チェッカーシャドー錯視(Adelson, 1995)

タイル B はタイル A より明るく見えるが、輝度は同じである。

http://persci.mit.edu/gallery/checkershadow



形の恒常性

四辺形は奥行き方向に傾いた面に乗った長方形に、楕円は奥行き方向に傾いた面に乗った円に見える現象あるいは機能


「台形の場合の形の恒常性」

Copyright Akiyoshi Kitaoka 2014 (September 18)


「台形の場合の形の恒常性 2」

Copyright Akiyoshi Kitaoka 2014 (September 18)


「不等辺四辺形の場合の形の恒常性」

Copyright Akiyoshi Kitaoka 2014 (September 18)


「長方形の場合の形の恒常性」

Copyright Akiyoshi Kitaoka 2014 (September 18)




大きさの恒常性

対象は近くにいても遠くにいてもその本当の大きさは変化しないように見える現象あるいは機能

南紀白浜とれとれビレッジにて

Copyright Akiyoshi Kitaoka 2016 (March 6)


さかさまにしたところ


南紀白浜とれとれビレッジにて

Copyright Akiyoshi Kitaoka 2016 (March 6)


さかさまにしたところ


cf.

第6回   2014

入賞 「蛙の手」錯視 田谷修一郎 大正大学人間学部人間科学科 作品
(PDF)
説明
(PDF)


い 

北岡明佳の錯視のページ