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第2号(2003)
● 特集論文「イメージと語り」
1) 川喜田二郎・松沢哲郎・やまだようこ
(川喜田研究所・京都大学霊長類研究所・京都大学教育学研究科)
KJ法の原点と核心を語る:川喜田二郎さんインタビュー
2) 矢守克也(奈良大学社会学部)
4人の震災被災者が語る現在−語り部活動の現場から
3) 小倉康嗣(早稲田大学人間科学部)
再帰的近代としての高齢化社会と人間形成
−<意味感覚としての隠居>をめぐる現代中年のライフストーリーから
4)能智正博(帝京大学文学部)
「適応的」とされる失語症者の構築する失語の意味
−その語りに見られる重層的構造
5)やまだようこ(京都大学教育学研究科)
ズレのある反復イメージの語り
-タルコフスキー『鏡』における似姿と移しのアクチュアリティ現実性
●一般論文
6)坂上裕子(帝京大学文学部)
断乳をめぐる母親の内的経験:断乳時期の決定に関与した要因に着
目して
7)柴坂寿子・倉持清美(お茶の水女子大学・学芸大学)
園生活の中で泣きが多かったある子どもの事例
―園における個人史と変容―
8)西條剛央(早稲田大学人間科学研究科,日本学術振興会特別研究員)
「構造構成的質的心理学」の構築
:モデル構成的現場心理学の発展的継承
9)菅村 玄二(セイブルック大学)
生死の境界での語り:実験心理学から見た質的心理学
10)やまだようこ(京都大学教育学研究科)
「実験心理学」と「質的心理学」の相互理解のために
:菅村論文へのコメント論文
【書評・順不同】
・渡邊芳之 :「日本における心理学の受容と展開」(佐藤達哉著)
・能智正博 :「心理学の新しいかたち」(下山・子安編)
・伊藤哲司 :「フィールドワークの技法」(佐藤郁哉著)
・松嶋秀明 :「<教えること>のエスノグラフィー」(古賀正義著)
・砂上史子 :「<わたし>の発達」(岩田純一)
・本山方子 :「よみがえるコミュニティ」(杉万俊夫著)
・矢守克也 :「心理学者、裁判と出会う」(大橋靖史編著)
・サトウタツヤ:「文化心理学」(M.コール著)
・安藤香織 :「幼児が<こころ>に出会うとき」(子安増生著)
・田垣正晋 :「実践のフィールドワーク」(好井裕明著)
・大倉得史 :「海外帰国子女のアイデンティティ」(南保輔著)
・野口隆子 :「質的研究入門」(ラヴェ・フリック著)
創刊号(2002)
巻頭言 無藤 隆
■ 田中共子・兵藤好美・田中宏二
・・・高齢者の在宅介護者の認知的成長段階に関する一考察 5
■ 松嶋秀明
・・・いかに非行少年は問題のある人物となるのか?―― ある更正保護施設でのソーシャルスキルトレーニングにおける言語的相互行為
17
■ 田垣正晋
・・・生涯発達から見る「軽度」肢体障害者の障害の意味―― 重度肢体障害者と健常者との狭間のライフストーリーより 36
■ 西條剛央
・・・生死の境界と「自然・天気・季節」の語り―― 「仮説継承型ライフストーリー研究」のモデル提示 55
■ やまだようこ
・・・なぜ生死の境界で明るい天空や天気が語られるのか?―― 質的研究における仮説構成とデータ分析の生成継承的サイクル 70
■ 大倉得史
・・・ある対照的な2人の青年の独特なありようについて 88
■ やまだようこ
・・・現場心理学における質的データからのモデル構成プロセス――「この世とあの世」イメージ画の図像モデルを基に 107
■ 安藤香織
・・・環境ボランティアは自己犠牲的か―― 活動参加への動機づけ 129
BOOK REVIEW
■ 尾見康博・伊藤哲司(編)『心理学におけるフィールド研究の現場』
・・・(評:渡邊芳之) 143
■ 茂呂雄二(編著)『状況論的アプローチ 3―― 実践のエスノグラフィ』
・・・(評:保坂裕子) 144
■ 石黒広昭(編)『AV機器をもってフィールドへ―― 保育・教育・社会的実践の理解と研究のために』
・・・(評:サトウタツヤ) 146
■ やまだようこ(編著)『人生を物語る―― 生成のライフストーリー』
・・・(評:徳田治子) 149
■ C. エドワーズ・L. ガンディーニ・G.フォアマン(編)『子どもたちの100の言葉――レッジョ・エミリアの幼児教育』/佐藤 学・森 眞理・塚田美紀(訳)佐藤 学・秋田喜代美(監修)『レッジョ・エミリア市の挑戦――子どもの輝く想像力を育てる』(小学館教育ビデオ)
・・・(評:福元真由美) 152
■ やまだようこ・サトウタツヤ・南 博文(編)『カタログ現場心理学―― 表現の冒険』
・・・(評:伊波和恵) 154
■ 大橋英寿(著)『沖縄シャーマニズムの社会心理学的研究』
・・・(評:サトウタツヤ) 158
『質的心理学研究』規約 160
編集後記163
執筆者紹介169
『質的心理学研究』編集委員会
編集委員
無藤隆(お茶の水女子大学)
やまだようこ(京都大学) 麻生武(奈良女子大学) 南博文(九州大学) サトウタツヤ(立命館大学)