お茶の水女子大学生活科学部発達臨床講座集中講義(2001)
発達社会文化論・レポートから抜粋
机上でできるものだけが学問だと思っていたが、ほんとうのことは「現場」にあると思う。「踊る大捜査線」じゃないが、「事象は実験室で起きてるんじゃない!現場で起きてるんだ!」と声を大にして叫びたい。
全体を通じて感じたのは、佐藤先生はとてもマイペースに好きなことをやっている、自由な雰囲気を持つ方だということだ。略。ホームページも非常に個性的で、たびたび立ち寄っては笑い、私のストレス解消の場となっている。
素直な感想は難しかった、なのだが、その難しいは近づくのが嫌になる難しさではなく、今の自分には抱えきれないものをたくさん含んでいるから徐々に近づいていきたい難しさだった。略。先生は、学問や研究に対してとても自由に見えた。それらと真剣な遊びをしているようにも見えた。それが私には一番印象深かった。
立命館大学の先生ということで倉木麻衣の情報も聞けるかな?と少し期待していたのだが、その期待は外れ、少しがっかりした。まあ、それは仕方ないかなと思い直したが。
私は先生が日本の心理学史を大切にされていることに感動しました。心理学史に触れてくださった先生は初めてだったからです。大学ではいろいろと今の臨床心理学に触れることができますが、私の頭の中ではそれらは点でしかなく、線でつなげる歴史的見地を欠いていることに気づかされました。そして、先生が元良勇次郎氏の記事を私たちに見せてくださったとき、そうやって心理学を線にしていく作業のおもしろさも伝わってきました。また、心理学の古書を読むことにも価値があると知りました。私は、科学誌のように新しければ良いと思っていたので、大学の図書館の蔵書は古すぎて使えないと思っていました。しかし、新しい研究は古い研究や論文を土台にしてきているので、その土台を人の解釈ではなく、自分が実際に読むことに価値があると知ったのです。授業の中で一番印象的だったのは、「ドアのアフォーダンスのビデオ」でした。自分も無意識に微細な行動修正をしているとは考えたこともありませんでした。先生の集中講義を通じて、このように自分が発見するものがあったので、参加して非常に良かったと思っています。