03年夏・ベトナム訪問日記
右=昼食は近くのホテルでベトナム料理。バイクででかけるふたり。 下=勢揃い |
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2日の午後はこの3つの斑で活動。。 |
左=今回は周さん(写真中央)が日本語でインタビューに挑戦。沃(wo)さん(写真左)と私が交互に陪席。 左下=最後に記念写真 下=すると女の子が記念に周さんと一緒に写真を撮りたいと言ってくれた!! |
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高橋・・まとまんないけど。友だち関係の築き方なんだろうな。ワリカンにしたらお金持ってない子が加われない。持っている子が払えばいい、ということの中に、「持ってるお金」ということの意義づけがちがう気がする。自分のもの、という感じが少ないのではないか。社会主義的な体制とか教育と関係するかもしれないけど、それは分からない。
友だちを大事にする、という大事にするという仕方が違うんだろうな、という感じがする。
周・・一番面白かったのは、自分の小さい時のことを思い出した、ということ。他人だけれど非常に重要だ、と思っている思い方。中国とベトナムとでは社会主義だけど、改革の度合いが違っているという気もした。
親はお小遣いをあげていても、管理をしているんだなということを強く感じた。
沃・・インタビューや観察法を実体験できてうれしい。今のベトナムと80年代の中国は似ている感じがする。仲間関係については、中国の経済発達していない地域と似ているのではないかと思う。ただし、それがベトナムの子どもの特徴であるかどうか、ということには判断の保留が必要だとは思う。
シングルケースの研究では、モデルとなるような典型事例は分かるだろうが、他の方法を用いて研究することも重要だろう。来年の中国調査でどうするか、を考えていきたい。
チェ・・お金の研究は、誘われてやり始めた。済州、ソウルの時よりさらに興味深くなった。お金を通じていろんなものが見えるという実感が湧いてきた。
観察面接を通じておもったのは、社会的なものが大きいという気がした。お小遣いをもらっているけど、子どもは自分のものではないという感覚をもっている。それは社会主義的な意識の現れではないか。
貧しかった韓国の時代の状況とは違う気がした。今のベトナムの親は麻薬のことを怖れてお小遣いをあげない、という側面があるが、それは韓国にはなかったもの。
親子関係・友だち関係など人間関係を大事にする、というのはどこでもあるんだな〜と思った。形は違っても人間関係を大事にするというのはあるんだなと思った。
伊藤・・お小遣い調査に参加したのは初めてということになる。まだピンときていないところがあって、チェさんがさっき言った「最初の段階」のような気がする。最後に、山本さんと靴磨きをしてもらったけど、その2人の少年と話をした。相場よりちょっと上のお金を払ったら、素直に喜んでいた。相手がたくさんお金をもっているからと言って、少しでも多く取ってやろうという感じが無い、というのは、ベトナムのあり方という感じがする。これは10年来そう思っている。
インタビューなんかでも、子どもが余ったお金を親に返すとか、執着心が少ないような気がする。ドイモイの経済発展の中で拝金主義、ということはあるんだろうけど、「金・金・・」という感じにはなっていない。
佐藤・・子どもたちがお年玉のやりとりをしていた。ハッピーになってほしいということをお金を渡すことで表している。
基本的に朝食代をもらう家が多い。子どもたちは朝食代を少し流用している。それはちょろまかしているとかそういうことではなく、のりしろ(緩衝)、のような部分がある気がする。親の管理をすり抜ける手段という感じになっている気がする。
ある家で、「マンガを買っていいか」と聞かれて、それに「はい」と言ってすぐに、後ろにいる父の方を振り向いた女の子がいた。それが印象的。
親子同席法やデータ収集法など、方法論についての議論も大切。
ベトナムで会った子について、子ども一般は・・とも言えないし、ベトナムではない子とも言えない。ベトナムの子だということを主張するとどうなるのか、方法論を整備することが重要。
山本・・親子で買い物をしている時に、子どもが値切るというプロセスに入っているというシーンがあった。一方では子どもがもらっているお金は少ないということはあるけれども、それをどう生かすかということに関しては一生懸命やっている。
友だち関係を大事にするというところで、年齢差があるグループが結構多いということが面白い。その集団と他の集団の関係については気になるところ。
中国では友だち関係は強くて、助け合うけど、それ以外では厳しい関係になる。日本では中国ほど、友だちかどうかの差はない。
山本・周 お小遣いの範囲に入るものは何なのか、ということを各国で聞くのが大事。お小遣いは自分のコントロールの及ぶ範囲ということにしてやってみる。
高橋・チェ でも、お小遣いっていうのを使えないという感じがする。お金をどのように使っているか、ということにしたらどうか。日韓だったらお小遣いでいいけど、ベトナムの状況に、それが適切だろうか。
ちなみに、お小遣いはベトナム語で、ティエン・トュー・バットと言う。細かく使うお金という意味。お小遣いと同じ感じ。リンフォアチェン(零花銭)、ハングルはヨントン(用金)。
夕食は、通訳さんを手配してくれた「栄光ハノイ」の方々と一緒に。