日本認知科学会第35回大会・日本認知心理学会第16回大会 共同開催

2018年度の日本認知科学会第35回大会、および日本認知心理学会第16回大会は,立命館大学大阪いばらきキャンパスで開催いたします。両学会の大会が連携して開催されたのは2006年中京大学以来となります。両学会の有機的な連携を目指し、多彩なプログラムを準備しています。

大阪いばらきキャンパスは,立命館のいちばん新しいキャンパスとして3年前に新設されました。この地に,総合心理学部が2年前に開設され,今年度からは,新しい大学院,人間科学研究科もスタートしました。新しい学部,大学院の息吹き,エネルギーを感じて頂き,ご意見をうかがえれば望外の幸せです。9月にお目にかかれることを楽しみにしています!

両大会共同開催 名誉大会委員長 佐藤隆夫(立命館大学総合心理学部大学院人間科学研究科
日本認知心理学会第16回大会準備委員会 委員長 仲真紀子(立命館大学総合心理学部大学院人間科学研究科
日本認知科学会第35回大会 大会委員長 服部雅史(立命館大学総合心理学部大学院人間科学研究科

共同企画

両学会の共同企画として,以下のような企画を準備しています。 随時,詳細情報を追加していきますので,ご期待ください。

リレー招待講演1:「認知モデリング研究の過去・現在・未来」

講演者: John Anderson (Carnegie Mellon University)

日時: 8月30日(木)14:00–14:50(予定)

立命館大学 大学院人間科学研究科 開設記念イベント)


本講演では,まず認知心理学の研究によって得られた理論が計算機上で動作するコンピュータモデルとしてどのように実現可能なのかについての解説がなされる。その上で,同氏が提唱・開発し,世界の多くの研究者を魅了して利用されてきたACT-Rに関するこれまでの研究や現在の取り組み,今後の展開についてお話しいただく。さらに,同氏の研究が日常場面(教育や医療など)の問題に対してどのように応用されてきたかも取り上げ,ACT-Rを基盤として作成された学習支援システム,Cognitive Tutor に関するこれまでの研究成果も紹介していただく予定である。


リレー招待講演2:「認知モデリング研究の過去・現在・未来」(兼 日本認知科学会大会・会長講演)

講演者: 三輪 和久(名古屋大学/日本認知科学会会長)

日時: 8月30日(木)15:00–15:40(予定)


John Anderson先生の講演を踏まえて,次の二つの話題について解説する。 (1) 認知モデルを作ることによる学習:認知モデルを作ることは,自分や他者の知識を外在化することに他ならない。この知識の外化活動は,自他の認知プロセスをメタに観察するメタ認知的活動でもある。認知モデルを作ることによる学習ための学習環境基盤,およびその学習効果を述べる。 (2) データ駆動モデルアプローチと認知モデルアプローチの統合:自動車を運転するACT-Rモデルを紹介し,それを用いた自動車運転支援技術への展開を述べる。ドライバの行動データに基づく「データ駆動モデルアプローチ」と,認知アーキテクチャを用いた「認知的モデルアプローチ」の統合の試みを紹介する。


リレー招待講演3:「認知モデリング研究の過去・現在・未来」

講演者: 安西 祐一郎(日本認知科学会元会長・フェロー)

日時: 8月30日(木)15:40–16:00(予定)


John Anderson先生と三輪和久先生の講演を受けて,認知研究におけるモデルの意義や,モデルと理論の関係などについて講演していただく。


招待講演:「頻度が記憶に及ぼす効果:資源制約説」

講演者: Lynne Reder (Carnegie Mellon University)

日時: 8月31日(金)15:00–15:50(予定)

立命館大学 大学院人間科学研究科 開設記念イベント)


情報処理を行う対象をよく知っていればいるほど,ワーキングメモリの容量は少なくて済む。このことを3つの実験により示した。実験1では,漢字の視覚探索課題を用い,親近性が連合学習のしやすさに影響することを明らかにした。実験2では,この効果がワーキングメモリの消費によるものであることを示した。実験3では,算数課題を使って親近性の影響を明らかにした。以上は,ワーキングメモリが刺激の親近性や刺激に関する経験の影響を受けること,また,新奇な材料を迅速に正確に学習するためには対象の弁別訓練が必須であることを示した最初の実験研究の成果である。


シンポジウム:「ロボットはプロの漫才師の仕事を奪えるのか:実演で示す身体性認知研究の展望」

公演: かまいたち(よしもとクリエイティブ・エージェンシー)

パネリスト: 岡本雅史(認知言語学)・阪田真己子(身体メディア論)・榎本美香(言語心理学)・灘本明代(知能情報学)

日時: 9月1日(土)14:40–16:10(予定)

立命館大学 大学院人間科学研究科 開設記念イベント)


人工知能 (AI) 研究の進展とともに「AIによって奪われる仕事」についての議論が盛んとなっているが,この議論は人間の多様な営みの科学的本質を明らかにする途を開きつつある。身体を持った主体どうしのインタラクションにロボットはどこまで接近可能であろうか。一流のプロ漫才師をお招きして実際に会場で実演してもらうとともに,同一のネタを事前に実装した2体のロボットどうしの漫才実演と対比させることにより,言語的分析と身体メディア分析の両面から新たな身体性認知研究を展望したい。


パネルディスカッション:「認知研究のこれから:心理学への批判と期待」

パネリスト: 戸田山和久(哲学)・入來篤史(脳科学)・松原仁(人工知能)・竹村和久(心理学)

日時: 9月1日(土)16:20–17:50(予定)


認知科学誕生から60余年が経過し,認知研究は,当初の野心的な試行錯誤の集まりから,成熟して安定感のある学問領域に移行した。しかし,成熟とともに,研究アプローチ上のさまざまな論点や問題も明らかになってきている。そこで,この度の共同開催を機に,さまざまな領域の研究者を招いて,認知研究,特に心理学の問題と今後の研究の方向性について私たち一人一人が考えを深める機会としたい。

関連企画

両学会の開催時期に合わせて,次の企画が開催されます。

米国 Psychonomic Society Collaborative Symposium(協力:日本認知心理学会)

日時: 9月2日(日)PM


Psychonomic Bulletin & Review や Memory & Cognition などの学術誌を刊行している米国最大の実験心理学系の学会 Psychonomic Society が,国際活動の一環として,認知心理学会の協力のもと,シンポジウムを開催する。参加費無料。事前登録なしで誰もが参加可能である。


日本認知科学会の企画

大会の中で,次のような企画が開催されます。

大会企画シンポジウム:「身体性・社会性認知神経科学の展望」

パネリスト: 杉浦元亮(東北大学)・梅田聡(慶應義塾大学)・川崎真弘(筑波大学)

指定討論者: 鈴木宏昭(青山学院大学)・開一夫(東京大学)

日時: 8月31日(金)10:20–11:50(予定)


ヒトの持つ身体性・社会性認知能力については,最近の認知神経科学の発展とともにさまざまなことが明らかになってきた。自己認識,情動と社会性,コミュニケーション研究などの第一線で活躍する研究者に最新の研究成果と今後の展望について語っていただく。身体性・社会性認知の研究において参加者一人一人がどのような研究を進めていくのか,考える機会としたい。


フェロー講演

講演者: 市川伸一(東京大学)・鈴木宏昭(青山学院大学)

日時: 8月31日(金)13:50–14:50(予定)


今年度フェローを受賞された2名の先生方に講演を行なっていただく。お二方とも認知・教育の基礎研究から実践にまで深く関わってこられたことから,「認知の科学から教育の実践への展開」というセッション・テーマを設定した。まずは鈴木氏に「大学教育をどう考える:プロジェクションから見る教育(仮)」というタイトルで,続いて市川氏に「構造抽出から見た認知と教育:知覚、推論、学習をめぐって(仮)」というタイトルで,順にご講演いただく。さらに時間が許せば,対談を通してさらに議論を深めていただく予定である。


今年度は,日本認知科学会恒例のサマースクールが第35回大会とリンクして開催されます。

日本認知科学会「サマースクール」

テーマ:良い理論を見極め,適切な仮説を生成すること

日時: 8月28日(火) PM ~ 8月29日(水)


サマースクール3日めの8月30日(木)は,日本認知科学会第35回大会のオーガナイズド・セッション(「良い理論を見極め,適切な仮説を生成すること」)と連携して実施します。最新情報は学会ホームページをご覧ください。


場所:大阪府茨木市岩倉町2-150 立命館大学 大阪いばらきキャンパス 立命館大学OICセミナーハウス

定員:60名(若手研究者を優先します)

対象:広く認知科学に興味を持つ学生・研究者。日本認知科学会の会員には限りません。

日本認知心理学会の企画

大会の中で,次のような企画が開催されます。

大会企画シンポジウム:「動的な脳情報処理」

パネリスト: 北城圭一(理化学研究所)・天野薫(脳情報通信融合研究センター)・中尾敬(広島大学)

日時: 9月1日(土)10:20–11:50(予定)


われわれの認知活動は,脳内の複数の領域に支えられている。一般的な行動実験のみでは,こうした領域間の動的なつながりを知ることは困難であった。脳波やfMRIを利用して,さまざまな認知,知覚課題を遂行中の脳活動と機能の関係を調べることができるようになった。本シンポジウムでは,脳波位相同期解析および安静時と課題遂行時の脳活動自己相関を使っておられる3名の方をお招きし,最新の知見をご紹介いただく予定である。


支援隊企画シンポジウム:「エピソード記憶の新展開」

パネリスト: 小林正法(関西学院大学)・波多野文(高知工科大学)・松本昇(名古屋大学)

指定討論者: 川口潤(名古屋大学)

日時: 9月1日(土)8:40–10:10(予定)


エピソード記憶がどのような機能を持ち,どのような機能と関連するのかを紹介する。小林は,忘却が顔の魅力度や画像の感情価の評価に与える影響から,エピソード記憶が価値判断を支えていることを示す。波多野は,エピソード記憶の変容可能性としての言語陰蔽効果を紹介する。松本は,自伝的記憶の概括化を中心にエピソード記憶と精神的健康との関連を示す。


立命館大学認知科学研究センター企画シンポジウム:
「本当に認知研究は説明実践に貢献してきたのか:『分かりやすい説明』をめぐるアポリアへの挑戦」

パネリスト: 伊藤貴昭(明治大学)・島田英昭(信州大学)・深谷達史(広島大学)

指定討論者: 楠見孝(京都大学)・市川伸一(東京大学)

日時: 9月2日(日)8:40–10:10(予定)


説明は,理解不振を把握し改善する支援行為と捉えることができる。しかし,説き手と受け手の間の理解のギャップを埋めるのは容易ではない。説明研究者はどのような研究上の挑戦を続けてきたのか。本シンポジウムでは,豊富な研究経験を持つ発表者に研究事例をご報告いただき,これを踏まえて「分かりやすい説明」をめぐるアポリア(袋小路)をいかに解消していくべきかを考えたい。





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