氏名:1.上地泰一郎,2.すみだトリフォニーホール,3.株式会社日建設計 所属:1.千葉大学大学院 融合理工学府 2.すみだトリフォニーホール 3.設計者:株式会社日建設計 作品タイトル すみだトリフォニーホール 大ホール錯視 作品の解説  JR総武線「錦糸町駅」北口より徒歩5分の場所に「すみだトリフォニーホール 大ホール錯視」がある.  すみだトリフォニーホールは東京・下町における本格的なコンサートホールとして,また日本初のフランチャイズ・オーケストラが住むホールとして,新日本フィルハーモニー交響楽団による講演や地域の音楽コミュニティ活動を行い,さらに世界的なアーティストたちによる多彩なコンサートを行っているホールである(すみだトリフォニーホールホームページから引用).  すみだトリフォニーホールの大ホールの舞台を客席の後ろから見ると,舞台まで登って見える錯視である.実際は,客席後ろから前までは下っている.登って見えるのは座席が配置による効果(線遠近的手がかり)が大きいと考えられる.加えて,天井や2階,3階の側面の座席の構造,舞台奥の壁の構造が線遠近的奥行きもたらし,舞台までの距離がより遠く感じられる.この2つが合わさることで,舞台までの距離を遠くに感じ,登って見えると考えられる.このホールは演奏した音が,1階から3階までなるべく等質に聴こえるように建築されている.その結果が登って見える錯視を生じさせている.  音楽を楽しむための「すみだトリフォニーホール」だけでなく,学術的な面白さも加わった,新たな魅力を含んだ「すみだトリフォニーホール」ではないかと考えられる.  実際にホールを訪れて見ても客席の後ろから舞台まで見ると登って見える錯視を体験出来る. ********************************************************************* 千葉大学大学院 融合理工学府 数学情報科学専攻 一川研究室 上地 泰一郎 taichiro.uechiアットマークで置き換えて下さいgmail.com *********************************************************************