大学院キャリアパス支援プログラム 研究者のイ・ロ・ハ 基礎認識編 第2回

ガッツリ上げよう by 北岡明佳

2013年5月18日より  

配布物: 錯視図形(色依存の回転錯視)  京都新聞のコラム  産学官2009の展示ポスター
「心理学域紹介とミニ講義」(2012年)の配布物  出版物一覧  北岡の2012年の業績リスト 


研究業績とは、研究者の創造的活動を聞き手にアピールしたものである。

キーワードは


自己満足だけでなく、研究の有機的発展を促し、人類の知の豊富化に貢献し、
就職に、転職に、昇進にきっと役立ち、栄華を極めることができる。


< 績の種類 >

1. 論文 (査読あり vs. 査読なし、学会誌など学術専門誌 vs. 大学紀要、一般論文 vs. レビュー論文、
単著 vs. 共著、共著の場合はその順位)

2. 総説・解説 (査読なしの場合が多い、ただし依頼原稿が多い、 みかけは論文であることもある
単著が多いが共著もある)

3. 学会発表 (国際発表 vs. 国内発表、査読あり vs. 査読なし、学会 vs. 研究会、論文集あり vs. なし、
単名 vs. 連名の場合は自分が発表する時は自分が筆頭)

4. 招待講演 (国際発表 vs. 国内発表、学会 vs. 研究会、論文集あり vs. なし、謝礼あり vs. なし、
単名が普通だが、連名にしている場合もある)

5. 著書 (単著 vs. 共著、学術書 vs. 一般書、自分の専門 vs. より広い分野、売れまくり vs. ぼちぼちでんな)

6. 新聞・雑誌 (コラム執筆 vs. インタビュー記事、学術的 vs. 一般的、自分の専門より広い分野になりがち)

7. テレビ・ラジオ (自分の研究を正しく取り上げてくれることはまずない。しかし大変な影響力である。
時間もかかるし、不勉強なスタッフを相手にすることになる。妥協、辛抱、交渉能力が必要)

8. 実践 (教育、アート、セラピー等の中での創造的活動を何らかの形でオープンに発信したもの)

あなたの分野の「第一人者」(マスコミや中学生・高校生が問い合わせてくる最初の人)という評判が立つよう頑張ろう。


< 究の信のやり方 >

まずは情報の受け取り手のことを念頭に置いて、

0. 何もしない。果報は寝て待て方式(デフォルト)
(誰かが論文を読んでくれるのを待つ。著書を買ってくれるのを待つ)

1. 古式ゆかしく論文の別刷り(抜き刷り)を配布

2. 学会、研究会、講演、講習会等でトークする

3. 学会などでポスター発表したり、成果物を展示する

4. インターネットで発信する。ウェブサイト、ブログ等
(論文のPDFをなんとかする)

5. どさくさまぎれ・その1、授業で内容を脱線して学生に聴かせる
(学生から授業料返せとか事務室にチクられないよう節度とエンターテインメントが必要)

6. どさくさまぎれ・その2、所属先の業務や広報等の協力をするフリをして聴衆に聴かせる
(所属先の業務や広報等をある程度行なっていればたいてい大丈夫)


研究業績一覧のメインの蓄積場所を決めておきましょう。

例: 文書ファイル(ワード、エクセルなど)、ウェブページ(自分のサイト、大学等のサイト、アーカイブサイト)、他

北岡は自分のサイトが主で、大学のサイト(研究者学術情報データベース)は従。

北岡の国際誌掲載の論文および国際学会発表のサイト  北岡のすべての研究業績のサイト


おしまい


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大学院キャリアパス支援プログラム 研究者のイ・ロ・ハ 基礎認識編 第2回 ガッツリ上げよう研究業績
【日時】 2013年5月21日(火) 14:40〜16:10
【会場】 衣笠キャンパス 以学館 4階 46教室
【対象】 本学大学院生および専門研究員
【定員】 30名(先着順)
【講師】 北岡 明佳 (立命館大学 文学部教授)

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文献

北岡明佳 (2012) 「心理学域紹介とミニ講義」 (オープンキャンパス 文学部企画 立命館大学衣笠キャンパス・明学館93(2F)・2012年8月4日(土) 14:30-15:15) 発表に使用したウェブページ

北岡明佳 (2013) 「色依存のフレーザー・ウィルコックス錯視におけるプルキンエシフト様の現象」 (2013年2月27日(水) 13:30- NTTコミュニケーション科学基礎研究所内(厚木市)) 発表に使用したウェブページ

京都新聞 「おもしろ錯覚図鑑」 2012年6月13日から2012年12月20日まで25回連載 PDF(スキャンコピー)
 第1回(6月13日) 錯視とは
 第2回(6月20日) 蛇の回転
 第3回(6月27日) だまし絵
 第4回(7月4日) アイシャドーの錯視
 第5回(7月18日) プラッドとランダムドット
 第6回(7月25日) 動く錯視と傾き錯視
 第7回(8月1日) ピカピカする錯視
 第8回(8月15日) シルエットが招く複数の立体視
 第9回(8月22日) 色の恒常性
 第10回(8月29日) 鳥居の錯視
 第11回(9月5日) 縞模様の錯視
 第12回(9月12日) さかさ絵
 第13回(9月19日) 錯視と美
 第14回(9月26日) オオウチハジメさん
 第15回(10月3日) 奥行き
 第16回(10月17日) 渦巻き
 第17回(10月24日) クラシックな錯視
 第18回(10月31日) ステレオグラム
 第19回(11月7日) 色の錯視の作り方
 第20回(11月14日) これは錯視ではない?
 第21回(11月21日) トリックアート
 第22回(11月28日) エイムズの部屋
 第23回(12月5日) 坂道の錯視
 第24回(12月20日) 蛇の錯視デザイン


以下、産学官(ひとりごとのページより)

2009年6月20日(土)〜21日(日)、第8回産学官連携推進会議というものに立命館大学の研究紹介の一つとして出場。「目の色の恒常性」(ポスターのPPTファイル)などを展示。京都国際会館で開催されたので、近所に住んでいる私は通勤が楽であった。立命館大学からは、理工系(びわこ・くさつキャンパス)から5件、文社系(京都衣笠キャンパス)から1件(北岡)、立命館アジア太平洋大学(別府市)から1件の出展をした。訪れる人は結構多く、全体で4000人参加というのは誇張ではないようだった。来賓の野田聖子議員は素通り。なんで立命館のブースにみっちり滞在せんのや。

学会のポスター発表のノリで出かけたところ、立命館大学の他の研究出展の教員が来ていない(全く来ていないわけではない。研究員が説明しているブースもあった)ことに気づき、尋ねたところ、リサーチオフィスの係員(事務職員)が説明するとのこと。自分の研究くらい自分で発表するもんだろうが、と一人憤慨していたところ、私の展示物についてリサーチオフィスの皆様がいろいろ質問してきたので丁寧に答えたところ、お客さんが来るとリサーチオフィスの皆様が自発的にどんどん説明してくれるので、私は後ろでご隠居していたりして、あっさり理工系の教員の皆様と同じ穴のむじな状態に。2日目に前日の交流会(懇親会)で知り合った方が来てくれて、「私が説明しましょうか」と声をかけたら、「もう説明してもらった」とおっしゃるので、「説明してくれた人は事務職員です」と申したところ、「それはすごい、立命館は優秀だ!」とのことでした。立命館の株上がりまくり。しかしよく考えたら、立命館大学の事務職員は優秀だ、ということ以上のことは言ってませんねー。 <2009年6月22日>

「目の色の恒常性」・・・右目は水色に見えるが、左目の灰色と同じ色である。


「蛇の回転」・・・眺めているだけで円盤が回転して見える。

このカードを目が追いつけない程度の速度で振ると、英語で書かれた部分が動いて見える。

錯視コンテストの宣伝・・・ピンクのハートとオレンジのハートがあるように見えるが、同じ赤である。